KPP Group Holdings Integrated Report 2026 Structured Text

KPPグループホールディングス 統合報告書2026

このファイルについて

本ファイルは、KPPグループホールディングス株式会社「統合報告書2026」の掲載情報をテキスト形式で提供するものです。

本文、数値、年度、単位、注記および図表に示された情報を、Markdown形式で構造化しています。原資料にない評価、推奨、推測または業績予想は追加していません。

写真、デザイン、色、位置関係その他の視覚情報については、統合報告書2026 PDF版をご参照ください。各セクションには、確認可能な範囲で元のPDFページを示しています。

文書情報

  • 発行者:KPPグループホールディングス株式会社
  • 文書名:統合報告書2026
  • 発行時期:2026年10月
  • 報告対象期間:2026年3月期(2025年4月1日~2026年3月31日)
  • 国内企業の報告対象期間:2025年4月1日~2026年3月31日
  • 海外企業の報告対象期間:2025年1月1日~2025年12月31日
  • 言語:日本語
  • 公式ウェブサイト:https://www.kpp-gr.com/

PDF掲載ページ:表紙

統合報告書 2026

Integrated Report

紙でつなぐ、 未来をつくる

PDF掲載ページ:裏表紙

KPP グループホールディングス株式会社統合報告書 2026

〒104-0044 東京都中央区明石町6番24号

TEL(03)3542-4166㈹ https://www.kpp-gr.com/

  • C T P ダイレクト製版(Computer to Plate): 制作をCTP化することで廃液および廃棄物を削減して います。
  • FSC C022915 ミックス 紙 責任ある森林管理を支えています: このラベルは、森林破壊や違法伐採等の環境・社会的な問題のリスクの低い原材料が責任を持って調達され、 使用されていることを意味します。
  • Waterless Printing. Naturally : 水なし印刷の採用により、水質保全、健康被害の抑制に配慮しています。
  • Vegetable Oil Ink : 環境に配慮した植物油インキを使用しています。
  • リサイクル適正A この印刷物は、印刷用の紙へリサイクルできます。: リサイクルの阻害となる資材を使用していません。

本印刷物は、環境負荷低減に配慮して製作されています。

  • *資源・環境の保全に寄与する資材の採用

  • *環境負荷低減に寄与する印刷工程の採用

PDF掲載ページ:01-02

KPPグループの理念体系

KPP GROUP WAY

  • MISSION:循環型社会の実現に貢献する

  • VISION:GIFT

    • Globalization:グローバルなネットワークを活かし、紙パルプのリーディングカンパニーへ
    • Innovation:「創紙力」で未来を切り拓き、地球と人に寄り添うグリーンビジネスで社会に貢献する
    • Function:Eコマースの推進と新たな事業領域への挑戦
    • Trust:ステークホルダーから信頼される誠実な企業であり続ける
  • VALUES

    • 創紙力で未来を切り拓く
    • 自律的な人材の育成
    • オープンマインドな組織
  • 組織を支えるDNA:創紙力

注目コンテンツ

  • KPPグループとは何者か?

    • 参照コンテンツ:コーポレートストーリー
    • 概要:戦争、経済危機、産業構造の変化など幾多の困難を乗り越え、統合を重ね事業基盤を強化してきたKPPグループが、現在のグローバルなビジネスを築き上げた歩みを紐解きます。
  • 次の変革をどう成し遂げるのか?

    • 参照コンテンツ:社長メッセージ
    • 概要:社長就任から2年、CEO就任から1年を経た坂田が第4次中期経営計画の初年度を振り返り、「GIFT 2030」の実現に向けた事業ポートフォリオ変革への考えと決意をお伝えします。
  • 経営の評価と課題は?

    • 参照コンテンツ:社外取締役インタビュー
    • 概要:社外取締役は独立した立場から当社の資本効率、M&AとPMI、グローバル経営をどう見ているのか。各人が重視する論点や課題感からガバナンスの実効性を読み解きます。

編集方針

本報告書は株主・投資家の皆さまを主な読者として編集しています。今年は創業以来培ってきた強みと現在の課題認識を起点に、第4次中期経営計画の進捗と目指す姿をお伝えします。本報告書がステークホルダーの皆さまとの対話のきっかけとなれば幸いです。

発行時期

  • 今回発行 : 2026年10月
  • 次回発行予定 : 2027年10月

報告対象期間

2026年3月期(2025年4月1日~2026年3月31日)における当社グループの状況を主たる報告対象としていますが、一部に2026年4月以降の内容も含まれます。なお地域により報告対象期間が以下の通り異なります。

  • 国内企業:2025年4月1日~2026年3月31日
  • 海外企業:2025年1月1日~2025年12月31日

報告対象範囲

KPPグループ全体を報告対象としています。グループ全体に該当しない内容については注釈等で明示しています。なお、中長期的には全ての連結子会社を報告対象に含めることを目指しています。

将来見通しに関する注意事項

本報告書に記載されている業績の見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的と判断した一定の前提に基づくものです。将来の業績はさまざまな要因により大きく異なる可能性があります。

問い合わせ先

〒104-0044 東京都中央区明石町6番24号
KPPグループホールディングス株式会社
グループ財務企画本部 グループIR・広報部
グループコーポレート・コミュニケーション室
メール:kpp_cc@kpp-gr.com

表紙について

  • 国際紙パルプ商事が販売する紙製人工芝「ペーパーターフ®」と「かみのいとOJO+」を使用したアパレル商品

  • 壁・床・窓など多様な面に対応する、スパイサーズのビジュアルコミュニケーション向け素材シリーズ「Evolution inGrip」

  • 顧客の要望に応じて包装用紙や粘着テープを裁断・巻き直しするアンタリスの包装資材加工サービス

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KPPグループの価値創造

「創紙力」で変革を加速し、次の成長を拓く

  • 代表取締役会長:田辺 円

変わり続ける紙の価値

日本では1400年の長きにわたり手漉きの和紙が人々の知恵や文化を伝えてきました。明治以降、情報伝達の主役は和紙から機械抄きの洋紙に置き換わり、21世紀に入ると紙の一部はデジタル媒体へと移行しました。しかし、それは紙の役割が終わったことを意味しません。物流や包装を支える段ボールや紙器、暮らしに欠かせない衛生用紙、さまざまな機能を持つ機能紙の需要は今も伸び続けています。また環境問題を背景に、紙は石油由来製品の代替素材としても期待されています。紙は役割を終えたのではなく、社会の変化に合わせて新しい価値を生み出し続けているのです。

変革を重ねてきた100年

紙パルプ産業の流通を担ってきた当社の100年を超える歴史は変革の連続でした。紙の需要や流通のあり方が変わるたびに、当社はその変化に対峙してきました。国内紙流通の再編を主導し、お客さまや社会のニーズを捉えた新たな商品やサービスを生み出すなど、創意工夫を重ねながら事業を発展させてきました。時代に必要とされる役割を捉え、変化に対応する姿勢こそが「創紙力」であり、長い歴史の中で根付いた当社のDNAであると思います。

世界を見据えたM&Aと事業領域の拡大

世界における紙の需要構造は大きく変化し、現在では包装や物流用途に使われるパッケージ用紙が市場の70%を占めています。世界の紙商社も需要構造の変化に対応しパッケージングやビジュアルコミュニケーション、JanSan(清掃・衛生)事業の強化を図っています。当社も2018年の上場を機にこうした分野への事業ポートフォリオ転換を目的としたM&Aによる海外進出を展開し、現在では世界49カ国・地域、203都市に拠点を構えるグローバル企業に生まれ変わっています。近年で は豪州で産業用包装資材の事業を取得し、国内においては古紙や廃材の再資源化をはじめとする循環型ビジネスを強化するとともに、ビジュアルコミュニケーション事業の展開、Eコマースの強化などお客さまにより近い川下領域へと事業を広げています。紙事業を基盤としながらその周辺に広がる新たな成長分野を開拓し、第4次中期経営計画を着実に前へ進めています。

「紙は知を育む」

生成AIをはじめとするデジタル技術が急速に進化し、必要な情報を瞬時に得られる時代になりました。便利さが増す一方で、自ら深く考え創造することを放棄すれば認知能力の低下や主体性の喪失など深刻な影響も危惧されます。「紙は知を育む」。当社は100年にわたり紙の商いを通じて文字・活字文化を支えてきたと自負しています。情報媒体としての紙の需要が減少しても、紙には時代に応じた新たな役割があります。祖業を疎かにすることなく、変化の先にある収益機会を確実に獲得していきます。

世界の紙パルプ産業では社会ニーズが変化する中、事業構成の組み替えが進行しています。国内の製紙メーカーもバイオファイナリー事業など新たな価値を生み出そうとしています。当社もまた、長年培ってきた商社としての知見と取引基盤、国内外に広がるネットワーク、そして当社のDNAである「創紙力」を全てのグループ企業で共有することで変革を生み出し、成長し続けていきます。株主・投資家をはじめとするステークホルダーの皆さまには、変わり続ける当社グループのこれからにご期待いただき、引き続きご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

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コーポレートストーリー(沿革)

1924年の創立以来、当社は戦争や経済危機、産業構造の変化など幾度もの困難を乗り越えてきました。その歩みを支えてきたのは創業期から受け継ぐ海外への志と、時代の要請を捉えて自らを変革する力です。紙・パルプの流通を起点に資源循環、グローバル展開、事業ポートフォリオの改革へ。100年にわたり挑戦を重ねてきた当社グループの歩みを紹介します。

1924年〜: 激動の創業期

関東大震災の爪痕がなお残る1924年11月、KPPグループの前身である大同洋紙店が製紙会社の販売代理店として大阪の地に誕生した。翌年1月には海外初の出張所を上海に開設し、その後も中国各地へ拠点を広げる。1931年にはわが国初の新聞用紙の対米輸出に成功。 当時としては画期的なことであった。

ニューヨーク株式市場の大暴落に端を発した世界恐慌 は日本の製紙業界にも深刻な影響を及ぼした。1933年 には製紙大手3社が合併し、業界史に残る巨大企業が誕 生する。戦時体制の下では紙の配給・統制が続き、自由 な商いは長く制約を受けた。大同洋紙店は戦火で大阪本 店、東京・名古屋の両支店を焼失し、戦前に中国各地へ 築いた拠点も敗戦で全て失った。しかし海外へ向かう志 が消えることはなかった。

戦後、GHQによる財閥解体で業界トップの製紙会社は 分割。十数年続いた紙の統制も1951年までに完全に解 除され、商権が復活した代理店は自由に販売を行えるよ うになった。大同洋紙店は1952年に東京・名古屋の両 支店を再建し、1968年には本社を東京へ移転、1971 年には海外初の現地法人を豪州・メルボルンに設立した。

  • 写真キャプション:大同洋紙店設立披露宴

1973年〜 : 紙流通の再編とオイルショック

1970年代に入ると紙パルプ業界では流通の近代化・ 構造強化に向けた動きが強まり、代理店同士の合併が続 いた。大同洋紙店も1973年に王子連合通商と合併し、 大永紙通商が誕生。製紙会社5社の紙・パルプの輸出入 機能が大永紙通商に移行し、伝統的に強みとしていた貿 易機能がさらに強化された。

新会社は順調に船出したものの、ほどなく起こった第 一次オイルショックの影響で日本経済は1974年に戦後初のマイナス成長を記録。高度経済成長期が終焉を迎えると、紙の需要も同年後半からマイナスに転じ、板紙に 至っては前年の6割程度と激減した。こうした事態の打開を図るため大永紙通商は1975年に大成紙業との合併に踏み切る。

第二次オイルショック後の深刻な不況で製紙会社の経 営が著しく困難になり、1981年に洋紙不況カルテルが認可された。1983年には紙パルプ産業も「特定産業構造改善臨時措置法」の対象となり、過剰設備の廃棄や合理化カルテルによって需給ギャップの改善を図った。これを背景に1990年代には製紙大手の合併が進み、業界再編が加速した。

  • 写真キャプション:大永紙通商が誕生

1999年〜 : さらなる業界再編と循環型ビジネスの構築

製紙メーカーの再編・集約が進む中、流通も改革を迫られた。1999年、大永紙通商と日亜が合併し国際紙パルプ商事が発足。2006年には紙の生産量・消費量ともに世界第2位となった中国に現地法人を設立し、伸び盛りの中国市場への足掛かりを築いた。また同年、流通機能の拡充と営業力強化を図るため服部紙商事と合併 した。

日本の製紙産業では1950年代から古紙利用が本格化 し、現在の古紙利用率は約68%と世界トップクラスの水準にある。当社は紙販売という「動脈」に加え、古紙回収・製紙原料販売という「静脈」を強化し、両輪による循環型ビジネスの確立を目指した。2011年には企業や家庭から古紙を回収する仕組み「eエコモcomo」シリーズを開発し、2013年には古紙を市中の隅々から回収するための古紙問屋の全国ネットワーク「KPPリサネット会」を結成した。さらに同年、住商紙パルプとの合併を通じて循環型ビジネスを飛躍的に拡大させ、業界トップクラスの紙販売量と古紙回収量を誇る企業としての地位を築くに至った。

  • 写真キャプション:国際紙パルプ商事発足式

2018年〜 : 東証一部上場と海外M&A、 事業ポートフォリオの改革

国際紙パルプ商事は2018年に東京証券取引所市場第一部(現プライム市場)上場を果たした。翌2019年には豪州大手紙商のスパイサーズを、2020年には欧州最大の紙商アンタリスを子会社化した。紙の需要構造はデジタル化の波で印刷用紙など情報媒体としての紙が衰退 し、パッケージなど包装用途の紙が伸びていた。両社が 持つパッケージング事業・ビジュアルコミュニケーション事業を取り込むことで、海外事業のエリア拡大と事業 ポートフォリオ改革が大きく前進した。2022年には持株会社体制へと移行し、社名をKPPグループホールディングスに変更。2024年11月に創立100周年を迎え、長期経営ビジョン「GIFT 2030」を策定し次の100年に向けたスタートを切った。

「循環型社会の実現に貢献する」というミッションの下 に新たな事業も展開している。2022年に子会社化した 王子ファイバーは紙製人工芝「ペーパーターフ®」を、同年設立したBMエコモはバイオマス発電所への燃料供給事業から発展した発電の最適化システムを開発・販売する。2024年設立のKPPアグリソリューションズは福島県浜通り地域の営農再開に取り組んでいる。

  • 写真キャプション:2018年6月26日東証一部上場

年表形式の沿革はこちら

参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/company/history.html

PDF掲載ページ:07-08

数字で見るKPPグループ

KPPグループは世界49カ国・地域、203都市に234拠点を構え、6,024名の従業員がグローバルに事業を展開しています。2026年3月期の売上高は6,503億68百万円、国内の紙商社として第1位の規模です。

事業は「北東アジア」「欧州/米州」「アジアパシフィック」の地域別3セグメントに「不動産賃貸」を加えた4つの報告セグメントで構成。KPPグループホールディングスを持株会社に、国際紙パルプ商事、アンタリス、スパイサーズの3つの事業地域統括会社が各地域の事業運営を担っています。

  • 売上高:6,503億68百万円
    • 国内順位:第1位
    • 世界順位:第3位
      • 注記:紙商社としての事業規模。当社推定。
  • 営業利益:100億75百万円
  • ROE:6.4%
  • 自己資本比率:23.9%
  • 創立年:1924年
    • 1924年(大正13年)11月27日、「株式会社大同洋紙店」として大阪に誕生。
  • 総従業員数:6,024名

セグメント別業績

セグメント 売上高 セグメント利益
北東アジア 2,851億89百万円 18億72百万円
欧州/米州 2,989億97百万円 58億18百万円
アジアパシフィック 646億59百万円 28億7百万円
不動産賃貸 15億21百万円 6億25百万円
  • 注記:セグメント利益の調整額は-10億47百万円。

セグメント別構成比

セグメント 売上高構成比 セグメント利益構成比
北東アジア 43.9% 16.9%
欧州/米州 46.0% 52.3%
アジアパシフィック 9.9% 25.2%
不動産賃貸 0.2% 5.6%
  • 注記:セグメント利益構成比(%)は、調整額を除いて計算。

事業拠点

  • 展開国・地域数:49カ国・地域
  • 都市数:203都市
  • 拠点数:234拠点

グループ主要会社

・KPPグループホールディングス
・国際紙パルプ商事株式会社
 北東アジアセグメント:従業員数949名
・Antalis S.A.S.
 欧州/米州セグメント:従業員数4,341名
・Spicers Limited
 アジアパシフィックセグメント:従業員数694名

注記:不動産賃貸事業4名、KPPグループホールディングス所属36名
データ対象時点:2026年3月期

PDF掲載ページ:09-10

長期経営ビジョン「GIFT 2030」

KPPグループが目指す姿

私たちは、祖業である紙の可能性を追求しつつ事業ポートフォリオの転換を進め、新たなビジネスの創出や事業領域の拡大に取り組むことで、お客さまのニーズに応える高品質かつ付加価値の高い製品・サービス・ソリューションを提供し続ける、世界トップクラスのグローバル企業を目指します。

  • GIFT+1 2024 : 第1次中期経営計画~第3次中期経営計画

  • 第1次中期経営計画

    • 原料事業を拡大
    • 東京証券取引所 新規上場(2018年6月)
  • 第2次中期経営計画

    • 海外市場にフォーカス
    • 成長エンジン・海外展開へ投資
    • スパイサーズ、アンタリス 連結子会社化(2019年7月・2020年7月)
  • 第3次中期経営計画

    • グローバル経営体制の確立
    • 持株会社体制へ移行、「KPPグループホールディングス」へ商号変更(2022年10月)
  • GIFT 2030:第4次中期経営計画~第5次中期経営計画

  • 第4次中期経営計画:2026年3月期~2028年3月期

  • 第5次中期経営計画:2029年3月期~2031年3月期

時点 売上高 営業利益
2016年3月期 3,896億円 15億円
2025年3月期 6,700億円 135億円
2028年3月期(目標) 7,500億円 200億円
GIFT 2030 1兆円 300億円
  • 売上高1兆円、営業利益300億円を目標に各戦略を推進する。

事業戦略

  • 事業領域の拡大
  • 事業ポートフォリオの転換
  • グローバルシナジーの追求
  • Eビジネスの拡大・DXの推進

サステナビリティ戦略

  • グリーンビジネスの展開
  • 気候変動対策
  • 人的資本経営の推進
  • ガバナンスの強化

財務戦略

  • 成長投資資金の確保
  • 資本効率と財務健全性の両立
  • 株主還元の充実

マテリアリティ

当社は、長期経営ビジョン「GIFT 2030」の実現に向け、マテリアリティを特定しています。マテリアリティは、事業戦略、財務戦略、そしてサステナビリティ戦略に組み込まれており、アクションプランを策定し、目標を掲げ、達成に向けた具体的な取り組みを進めています。2026年3月期は、ESG委員会および取締役会での議論を経て「ダイバーシティ&インクルージョン」を「人的資本経営の推進」に変更するとともに、各マテリアリティにサブマテリアリティを設定しました。

マテリアリティとサブマテリアリティ

  • グローバル展開

    • 海外M&Aの展開
    • グループシナジーの創出
    • インナーコミュニケーションの強化
  • DXへの対応

    • 業務プロセスの改革
    • 新システムの開発
    • Eコマースの展開
    • AIの活用
  • グリーンビジネスの展開

    • 海洋プラスチック汚染問題
    • サーキュラービジネスの展開
  • 気候変動対策

    • 温暖化防止ソリューションの開発
    • GHG排出量削減
  • 人的資本経営の推進

    • DE&Iの推進
    • 労働安全衛生の確保
    • エンゲージメント向上
    • 人材育成
  • ガバナンスの強化

    • コンプライアンスの強化
    • リスクマネジメントの推進
    • 情報セキュリティの強化
    • グループガバナンス最適化
    • サプライチェーンDDの展開

マテリアリティ特定のプロセス

マテリアリティは、当社内でプロジェクトチームを組成し、GRIスタンダードおよびISSBの開示基準を参照し、次のプロセスで特定を進めました。特定したマテリアリティを経営戦略に反映し、KPIの設定や具体的な施策の推進を通じて企業価値向上につなげています。

STEP1 課題の洗い出し

国内外の社会課題、国際的なガイドラインや規格、ESG評価機関の評価項目などを考慮に入れながら、自社の強みや弱み、機会、脅威などを検討し、事業を進めていく上での戦略的課題を洗い出しました。

STEP2 重要度の評価

これらの課題について、プロジェクトメンバーを中心に、社内外のステークホルダーに対するヒアリングを通して各ステークホルダーと自社にとってより重要であると考えられる課題を定量的に選び出し、マッピングしま した。

STEP3 議論を通じた妥当性の評価

マッピングした課題を、類似性を軸にグルーピングし、プロジェクトメンバーで議論を重ね、取締役会での承認を得ました。この結果を経営戦略へと取り込み、行動目標を設定し、PDCAサイクルを回しています。

  • ステークホルダーにとっての重要性、KPPグループにとっての重要性がともに「高」
  • ガバナンスの強化
  • DXへの対応
  • 気候変動対策
  • グリーンビジネスの展開
  • 人的資本経営の推進
  • グローバル展開

PDF掲載ページ:11-12

価値創造プロセス

KPPグループの価値創造の源泉は100年以上の歴史の中で培ってきた顧客・取引先との信頼関係です。その社会・関係資本から得られる情報や知見を知的資本として磨き上げ、人的資本がそれらを活用して顧客の課題解決へとつなげています。顧客課題の解決を安定供給や付加価値創出の面から支えるのが製造資本です。また自然資本を持続可能な商材や循環型ビジネスに生かしています。こうして創出した財務資本を成長投資へ再配分することで、紙・板紙中心の事業構造からパッケージング、ビジュアルコミュニケーション、リサイクリング・環境関連事業などの成長事業へ展開し、持続的な企業価値の向上を目指しています。

外部環境

  • 気候変動の進行
  • 世界経済の重心移動
  • 地域による人口の増減
  • サーキュラーエコノミーへの移行
  • 海洋プラスチック汚染問題
  • デジタル化の進展
  • 地下資源の枯渇

KPP GROUP WAY

  • コーポレートメッセージ:紙でつなぐ、未来をつくる

マテリアリティ

  • グローバル展開
  • DXへの対応
  • グリーンビジネスの展開
  • 気候変動対策
  • 人的資本経営の推進
  • ガバナンスの強化

GIFT 2030

事業戦略

PDF詳細ページ:23-30

  • 事業領域の拡大
  • 事業ポートフォリオの転換
  • グローバルシナジーの追求
  • Eビジネスの拡大・DXの推進

サステナビリティ戦略

PDF詳細ページ:31-53

  • グリーンビジネスの展開
  • 気候変動対策
  • 人的資本経営の推進
  • ガバナンスの強化

財務戦略

PDF詳細ページ:20-22

  • 成長投資資金の確保
  • 資本効率と財務健全性の両立
  • 株主還元の充実

価値創造を支える経営資本

社会・関係資本

  • 100年以上の事業活動で培った顧客基盤と仕入先との信頼関係
  • M&Aを通じて築いたグローバルな事業基盤

長年にわたり構築してきた顧客・サプライヤー・地域社会との信頼関係は、当社グループを支える価値創造の土台です。ここにM&Aによって築いたグローバルな事業基盤も加わり、多様な商品・調達先・販売先を結び付け、変化する顧客ニーズへの対応を可能にしています。

知的資本

  • 業界・市場に関する豊富な知見と顧客課題への提案力
  • グローバルな事業展開を支えるM&A・PMIの実績

紙・板紙、パッケージング、ビジュアルコミュニケーション、製紙原料などの事業において、各地域の市場動向や顧客理解を基に、自社ブランド開発を含む商品ポートフォリオを構築し、顧客課題に応じた提案を行うノウハウを培っています。さらに世界各地でのM&AとPMIの実績を通じて蓄積した事業統合の知見を有しています。

人的資本

  • 多様なバックグラウンドと専門性を持つ6,024人の従業員
  • グローバルなネットワークを生かした協働力

世界各地域の市場や商材に精通した営業人材に加え、物流・加工・デザイン・調達・デジタルなどの専門人材を擁しています。これらの人材がグローバルに連携し、相互に知見を活用しながら顧客価値を生み出しています。

製造資本

  • 世界49カ国・地域、203都市に234拠点を展開
  • 物流・加工・デザイン機能を備えたマーチャント型モデル

各地域の市場特性に応じたグローバルな供給体制を構築しています。日本ではメーカー代理店機能、グローバルではトレーディング機能を展開し、多様な商材の安定供給を実現しています。欧州・豪州では顧客に近い立場で物流・加工・設計・商品開発まで行うマーチャント機能を備え、付加価値を創出しています。

自然資本

  • 持続可能な森林資源へのアクセス
  • 環境負荷低減に貢献する循環型ビジネスモデルの展開

紙・パルプの流通を通じて森林資源へアクセスする当社グループは、森林認証紙、古紙などの再生資源商材、環境配慮型パッケージなどを幅広く取り扱っています。また古紙回収・再資源化や廃材の有効活用などの循環型ビジネスを展開し、資源の持続可能な利用と顧客の環境課題の解決に貢献しています。

財務資本

  • 事業ポートフォリオ転換を支える資金調達力
  • 事業・地域・商流の分散による安定した財務基盤

営業キャッシュフローの創出と機動的な資金調達により、戦略的M&AやDX・人材投資の資金を確保しています。また、自己資本比率20~25%を財務規律として維持しながら、成長投資、資本効率の向上、株主還元の好循環を実現しています。

PDF掲載ページ:13-14

主力事業

KPPグループは紙の卸売を祖業としながら、パッケージングやビジュアルコミュニケーションなどの高収益事業へポートフォリオを広げています。先行する欧州やオセアニアでは自社ブランド商品の開発・販売や、梱包設計、デザインまで手掛けるマーチャント型ビジネスモデルで付加価値を創造し収益力を高めています。国内では紙の卸売で培った物流基盤を礎に、紙の販売(動脈)と古紙回収・再資源化(静脈)を組み合わせた資源循環型ビジネスモデルを構築しています。

紙・板紙事業

印刷・情報用紙などのグラフィック用紙、段ボール原紙、紙器用板紙などの販売は当社グループの中核事業です。紙の専門商社としての長年の知見と地域ネットワーク、それらが結びつくグローバルバリューチェーンがグループ全体の事業基盤となっています。国内では製紙メーカーと代理店契約を結び二次卸やユーザーへ販売するディストリビューター(代理店)型ビジネスモデルを展開し、欧州・オセアニアを除く海外ではトレーディング(仲介)型ビジネスモデルで紙・板紙に加え製紙原料も販売しています。

  • 写真キャプション:出版、チラシに使われる印刷用紙
  • 写真キャプション:オフィス、事務用の情報用紙
  • 写真キャプション:紙器
  • 写真キャプション:原紙

製紙原料事業(古紙・パルプ)

日本の製紙原料に占める古紙の割合は6割を超えています。当社は紙・板紙の販売を「動脈ビジネス」、古紙の回収・再資源化を「静脈ビジネス」と位置付け、国内の紙・板紙販売量(重量ベース)の7割以上に相当する量の古紙を回収・再資源化するビジネスモデルを確立しています。古紙に加え廃木材も製紙原料や燃料として供給しており、循環型ビジネスの対象商材を拡大しています。

  • 写真キャプション:新聞古紙
  • 写真キャプション:店舗での回収機「タウンecomo」
  • 写真キャプション:古紙の回収、選別
  • 写真キャプション:住宅解体等で発生する木くずのリサイクル

国内における資源循環の仕組み

  • 紙・板紙販売:動脈ビジネス

    • 年間販売実績:約147万トン
    • 製紙メーカー → 当社:紙・板紙
    • 当社 → 二次卸
    • 当社 → ユーザー(加工・販売会社)
    • 二次卸 → ユーザー → 最終ユーザー(企業・家庭など):製品
  • 古紙回収:静脈ビジネス

    • 年間回収実績:約113万トン
    • 最終ユーザー(企業・家庭など) → 古紙問屋:回収
    • 古紙問屋 → 当社:古紙
    • 当社 → 製紙メーカー:古紙、パルプ
    • 販売した原紙の7割以上を回収・再資源化

パッケージング事業

広範なサプライヤーネットワークを活用した包装・梱包資材の販売に加え、顧客ニーズに応じた梱包設計や商品開発まで手掛ける付加価値の高いパッケージング事業を展開しています。専門チームがお客さま固有の物流環境・製品特性を分析し、資材の選定から設計・開発までを一貫して提供することで、物流効率や製品保護、環境性能の向上を実現しています。自動車、エレクトロニクス、機械、金属、食品、化学など幅広い産業分野の顧客を支えています。

  • 写真キャプション:顧客ニーズに応じた梱包設計
  • 写真キャプション:梱包用ストレッチフィルムを製造するSignetの設備

ビジュアルコミュニケーション事業

屋外広告、サイネージ、車両ラッピング、店舗やオフィスの内装、インテリアデザイン、イベント空間の演出などに使われる視覚に訴えるメディア資材を幅広く販売しています。印刷技術の進歩を背景に、紙に加えフィルム系素材や布地(テキスタイル)などを使った表現も可能となり、用途領域が拡大しています。豊富な商材ラインアップと専門人材による提案力を強みに、多様化する顧客ニーズへ対応し、さらに環境配慮型素材への転換も推進しています。

  • 写真キャプション:デジタル印刷用のテキスタイル(布製ディスプレイ素材)
  • 写真キャプション:カーラッピング

サステナブルな未来に向けた新たな挑戦

当社グループは既存事業で培った知見を生かし、環境負荷低減に貢献する新たな事業の創出に挑戦しています。王子ファイバーの紙製人工芝「ペーパーターフ®」は、マイクロプラスチック発生の一因となるプラスチック製人工芝の代替品として、公共施設や民間商業施設などで採用が広がっています。2023年から展開してきた屋内向け製品に加え、2026年からは屋外向け製品も開発しラインアップを拡充しました。また、生産強化に向けて2026年2月には石川県小松市に「KPPグループ王子ファイバー小松撚糸工場」を竣工しました。

KPPアグリソリューションズが行う福島県浜通り地区で家畜用粗飼料などを生産する事業が、担い手不足による遊休農地の拡大を防ぎ、農業の持続可能性の向上に貢献するものと評価され、農林水産省が公表する農地中間管理事業の優良事例として紹介されました。同社は粗飼料の生産に加え、自動車用バイオエタノール燃料製造の技術研究における原料(ソルガム)の供給にも携わっています。

  • 写真キャプション:日本子育て支援大賞を受賞した紙製人工芝ペーパーターフ®
  • 写真キャプション:KPPアグリソリューションズが収穫したソルガム

事業別売上高構成比

  • 2026年3月期売上高:6,503億68百万円
事業 売上高構成比
紙 46.6%
板紙 11.2%
古紙・パルプ 6.7%
パッケージング 19.1%
ビジュアルコミュニケーション 8.9%
化成品・その他 7.3%
  • 注記:管理会計上の概算数値。不動産賃貸セグメントの数字はその他に含む。四捨五入の関係で100にならない。

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社長メッセージ

成長領域への転換を加速し、次の収益基盤を構築する

  • 代表取締役社長 兼 CEO:坂田 保之

第4次中期経営計画の初年度を終え、KPPグループは事業ポートフォリオ転換を着実に前進させました。紙事業が生み出す安定的なキャッシュフローを活用し、パッケージング、ビジュアルコミュニケーション、リサイクリング・環境関連事業などの成長領域への投資を積極的に進めています。併せてグループ各社が持つ顧客基盤や商品ラインアップ、調達ネットワークなどを結び付けるグローバルシナジーの創出と、DXによる経営基盤の高度化を進めています。市場環境の変化を成長機会として捉えながら、持続的な成長と企業価値向上の実現に取り組んでいます。

M&Aで事業ポートフォリオの転換を推進

当社は昨年、長期経営ビジョン「GIFT 2030」をスター トさせました。前半の3年間を第4次中期経営計画期間と定め、現在その1年目を終えたところです。私たちを取り巻く外部環境を俯瞰しますと、グラフィック用紙を中心とする紙市場はデジタル化の進展を背景に構造的な縮小傾向が続いています。また将来にわたってもこの流れが大きく変わることはないものと認識しています。そのような前提を置き、当社グループは紙事業から生み出される安定的なキャッシュフローを活用し、成長性・収益性の高い分野への投資を加速的に進めています。

初年度となる2026年3月期はパッケージング、ビジュ アルコミュニケーション、リサイクリング・環境関連事業などの収益性が高い成長領域において事業基盤の拡充を進め、現中計期間の重点施策である「事業ポートフォリオの転換」を着実に前進させることができました。具体的にはビジュアルコミュニケーション事業で4社、パッケージング事業で3社、リサイクリング・環境関連事業で2社のM&Aを実施しました。その結果、売上総利益に占めるパッケージング事業とビジュアルコミュニケーション事業の構成比は、第3次中期経営計画開始時の約36%から、第4次中期経営計画初年度終了時点では約46%へと拡大しており、当社グループの事業ポートフォリオ・収益基盤は着実に成長市場へとシフトしています。

売上総利益の内訳の変化
事業 2022年3月期(第2次中計最終年度) 2026年3月期(第4次中計初年度)
紙 52.3% 43.1%
板紙 3.2% 3.4%
パッケージング 26.2% 32.6%
ビジュアルコミュニケーション 10.0% 13.8%
古紙・パルプ 5.1% 3.5%
化成品・その他 3.2% 3.8%
  • パッケージング+ビジュアルコミュニケーション

    • 2022年3月期(第2次中計最終年度):36.2%
    • 2026年3月期(第4次中計初年度):46.4%
  • 注記:管理会計上の概算数値。不動産賃貸セグメントの数字はその他に含む。四捨五入の関係で100にならない。

成長するパッケージング市場とビジュアルコミュニケーション市場で強みを発揮する

パッケージング市場は、コロナ禍を経て人々の生活様式や消費行動が変化する中で、ECの拡大や宅配需要の増加、衛生意識の高まりによる個包装需要の拡大などを背景に成長を続けています。現在、広義のパッケージング市場は世界で1兆ドル(150兆円)を超える規模を有するといわれています。このうち当社グループが主に取り扱う二次包装の市場規模は2,680億ドル(40.2兆円)程度、年率5%前後で成長しており今後も安定した拡大が見込まれています。

当社グループのパッケージング事業は包装資材を供給することに加えて、お客さまの商品や物流に応じて最適な包装仕様を設計し提案するソリューション型ビジネスも展開しています。例えば欧州では複数のパッケージングデザインセンターがあり、CADやCAMを活用して梱包設計を行うとともに、試作品の製作や量産加工に必要なデータ作成まで一貫して対応しています。自動車部品の輸送用途では、製品の保護性能だけでなく輸送効率、作業性、環境負荷低減まで考慮した提案を行っており、こうした付加価値が競争力と収益の源泉となっています。

ビジュアルコミュニケーションは従来のポスターや屋外広告だけではなく、イベント空間の演出、店舗装飾、インテリアデザイン、カーラッピングなど用途が広がっています。印刷技術の進歩によりフィルム、プラスチックボード、バナー、テキスタイルなど多様な素材への出力が可能となり、顧客ニーズも高度化しています。当社グループはM&Aを通じて構築してきた商材ラインアップと顧客基盤を活用し、こうした成長機会を確実に取り込んでいます。

世界のパッケージング市場
項目 2025年 2030年
パッケージング市場 1兆1,877億ドル 1兆4,254億ドル
二次包装市場 2,680億ドル 3,430億ドル
  • 二次包装市場 CAGR:5.1%
  • 出典:複数の調査会社公開情報を基に当社推計
世界のビジュアルコミュニケーション市場
項目 2025年 2030年
ビジュアルコミュニケーション市場 434億ドル 514億ドル
  • CAGR:3.4%
  • 出典:複数の調査会社公開情報を基に当社推計

グローバル連携でサプライチェーンをつなぎ顧客への価値を創出する

第4次中期経営計画では「事業ポートフォリオの転換」「事業領域の拡大」に加えて「グローバルシナジーの追求」と「Eビジネスの拡大・DXの推進」を重要な成長施策に位置付けています。これらは事業ポートフォリオの転換や成長領域への投資を支える経営基盤であり、初年度はその土台づくりを着実に進めることができました。

グローバルシナジーについては、グループ各社が有す る顧客基盤、商品ラインアップ、調達ネットワーク、デザイン・加工機能などの強みを結び付け、グループ全体としてより付加価値の高いソリューションを提供する取り組みを進めています。2019年のスパイサーズ、2020年のアンタリスのグループ化以降、当社グループは各社の独自性や強みを尊重しながら、それぞれの市場で事業基盤を築いてきました。今後はその強みをグループ全体でつなぎ、活用するフェーズへと進みます。地域や事業会社の枠を超えて商品、物流、デジタル、人材、ノウハウを共有し、それぞれの強みを組み合わせることでお客さまに新たな価値を提供していきます。例えばこれまで各地域で個別に行っていた調達活動については、サプライヤーとの連携をグローバルベースで強化し、購買シナ ジーの創出を進めています。また世界各地に拠点を持つ お客さまに対しては、地域をまたいで製品やサービスを 提供するグローバルアカウントの取り組みも推進しています。さらに各地域で培った成功事例や専門知識を共有することで、営業力や提案力の向上にも取り組んでいます。昨年設立したグループ横断の専任組織を中心にこうした取り組みを着実に積み重ねながら、グローバルシナジーを継続的に創出できる仕組みづくりを進めています。

当社グループの強みは紙、包装資材、サイン・ディス プレイ資材といった商材そのものではありません。世界 各地に広がる調達網、物流機能、加工・設計機能を組み 合わせ、お客さまのサプライチェーン全体を支えるソ リューションを提供できることにあります。グローバルシナジーの追求により単なる規模の拡大ではなく、調達力や営業力の向上を通じて収益性の改善と競争力の強化を実現していきます。

IT基盤の強化でグループ間連携をさらに前進させる

Eビジネスの拡大については、先行する海外2社では ウェブショップを通じた製品販売の拡大が着実に進んでいます。定型品の反復注文や小口の注文をウェブショップへ移行することで受注入力や問い合わせ対応を効率化する一方、営業担当者は大口顧客への提案、新規開拓、 低採算取引の改善など付加価値の高い業務に注力するこ とができます。これは顧客にとっても事務の効率化や受 注確認書の電子化などのメリットをもたらしています。

またグループ共通の経営管理基盤を構築するプロジェ クトを推進しています。本プロジェクトでは国内外のグ ループ会社で利用していた連結・経営管理システムを統 合し、財務データや経営指標を一元的に管理できる環境 を整備しています。グループ共通の経営基盤整備により世界各地の事業を同じ指標で可視化し、迅速かつ精度の 高い経営判断を実現していきます。

ITインフラや情報セキュリティの強化に加え、グループ横断のコミュニケーション基盤である社内ポータルの活用も拡大しています。グループ各社の取り組みや知見を共有し、社員同士が相互に学び連携しやすい環境を整えることで、グローバルシナジーを支える企業文化の醸成にも取り組んでいます。

こうしたDXの推進は営業力の強化や業務の効率化による企業価値の向上に資しています。グループ各社の強みを結集し、世界中のお客さまへより高い価値を提供するための経営基盤づくりです。今後はこうした取り組みを通じて収益成長と資本効率の向上につなげていきます。

私たちの成長ストーリー

私たちは「GIFT 2030」の中で2030年に目指す姿を 次のように定めました。

私たちは、祖業である紙の可能性を追求しつつ、事業ポートフォリオの転換を進め、新たなビジネスの創出や事業領域の拡大に取り組むことで、お客さまのニーズに応える高品質かつ付加価値の高い製品・サービス・ソリューションを提供し続ける、世界トップクラスのグローバル企業を目指します。

私たちは、国内の紙市場が構造的な縮小傾向にある 中、その変化を成長機会と捉え、海外へと事業フィール ドを広げてきました。豪州のスパイサーズ、欧州最大の 紙・パッケージング流通企業であるアンタリスをグループに迎えたことで、世界市場における確固たる事業基盤 を築くとともに、パッケージングやビジュアルコミュニ ケーションといった成長性と収益性を兼ね備えた市場へ のアクセスを獲得しました。

私たちが目指しているのは、紙事業で培った事業基盤 とキャッシュ創出力を土台にパッケージング、ビジュアルコミュニケーション、リサイクリング・環境関連分野へ事業領域を拡大するとともに、世界各地の調達・物流・加工機能を結び付けたサプライチェーンマネジメントソリューションを提供するグローバル企業へ進化することです。紙事業で生み出されるキャッシュを成長市場への投資に振り向け、M&A、グローバルシナジー、DXを通じて持続的な利益成長を実現する。これがKPPグループの成長ストーリーです。

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「GIFT 2030」の実現へ

第4次中期経営計画

当社は2026年3月期から2028年3月期までの3年間を対象とする第4次中期経営計画を策定しています。 2030年に目指す姿を示した長期経営ビジョン「GIFT 2030」のもと第3次中期経営計画までに築いた基盤を生かしながら事業戦略・サステナビリティ戦略・財務戦略を一体的に推進しています。各戦略における重点課題への取り組みを通じてKPPグループの持続的な成長と企業価値の向上を目指します。

財務戦略

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事業戦略

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北東アジアセグメント

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欧州/米州セグメント

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アジアパシフィックセグメント

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サステナビリティ戦略

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環境

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社会

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ガバナンス

PDF詳細ページ:41-53

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財務戦略

財務戦略の基本方針

当社は長期経営ビジョン「GIFT 2030」の実現に向けた事業戦略として、事業領域の拡大と事業ポートフォリオの転換を進めています。主力事業であるグラフィック用紙市場において構造的な需要減少が続く中、パッケージング、ビジュアルコミュニケーション、リサイクリング・環境関連事業および周辺成長領域への事業ポートフォリオ転換を加速しています。併せて地域拡大の視点では北米をはじめとする成長余地の大きい地域への事業展開を目指し、さらにはEビジネスの拡大やDXの推進を通じて競争力の強化を図っています。これらの成長戦略を着実に実現するため、戦略的M&Aおよび事業投資を継続的に実施していきます。

財務戦略の役割は、こうした成長投資を安定的かつ機動的に支える資金基盤を確保しながら、資本効率の向上と財務健全性の維持を両立させることにあります。また、PBR(株価純資産倍率)の向上も喫緊の課題となっています。当社は事業の成長を通じた企業価値向上を最優先としつつ、株主還元の充実にも継続して取り組み、持続可能な成長と株主価値向上の好循環を創出していきます。

財務戦略にかかわる経営指標

当社はROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)および自己資本比率を重要な経営指標として位置付け、資本効率の向上と持続的な企業価値の創造に取り組んでいます。

第4次中期経営計画最終年度(2028年3月期)数値目標

区分 経営指標 数値目標
収益性 営業利益 200億円
収益性 EBITDA 320億円
資本効率性 ROE 8.0%以上
資本効率性 ROIC ROIC > WACC
財務健全性・株主還元 自己資本比率 20%~25%の範囲内
財務健全性・株主還元 連結配当性向 30%を目処(但し、DOE3.0%を下限とする)
  • 注記:EBITDA=経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等

ROE

2026年3月期のROEは6.4%と前期の9.5%を下回り、第4次中期経営計画で水準として掲げている目標の8.0%に届かない結果となりました。主な要因としては、紙事業において世界各地でグラフィック用紙需要の構造的な減少が継続し、市況軟化に伴う販売価格の下落も重なったことで想定以上に収益性が低下したことが挙げられます。また、機動的な株主還元策として自己株式取得を実施したものの、円安進行に伴う為替換算調整勘定の増加により自己資本が拡大し、ROEの押し下げ要因となりました。今後は収益性の向上に加え、投資の選択と集中および資本政策の最適化を通じて資本効率の改善を図り、ROEの向上に取り組んでいきます。

ROIC

当社は事業全体の資本効率向上を目指し、ROICの継続的な改善に取り組んでいます。収益性の向上に向けては事業ポートフォリオの転換を進め、成長性・収益性の高い事業へのシフトを加速しています。また紙事業においては仕入価格の上昇や人件費・物流費の高騰に対して適時適切な価格転嫁を進めるとともに、グラフィック用紙需要の構造的な減少に対応し、販売体制やコスト構造を需要水準に応じて最適化することで収益力の強化を図ります。世界の製紙業界ではメーカーの統合・再編が進展しており、今後は流通業界においても再編が生じる可能性があります。当社グループはこうした市場構造の変化を成長機会と捉え、これまで培ってきたグローバルネットワークや顧客基盤を生かしながら新たな事業機会や再編機会を確実に取り込み、企業価値の向上につなげたいと考えています。

また、当社の投下資本の大部分は運転資本によって構成されています。そのため在庫の適正化、債権・債務管理の高度化をはじめとした運転資本マネジメントの強化を通じて資本効率のさらなる向上を図り、ROICの継続的な改善を目指します。これらの取り組みを通じて持続的な成長と資本効率の向上を両立させ、株主をはじめとする全てのステークホルダーの皆さまに持続可能な価値を提供していきます。

自己資本比率

当社は自己資本比率を20%~25%の範囲で維持する方針を掲げています。当社は固定資産をほとんど保有しない商社であり、資産の流動性が高く、固定費比率は相対的に低い事業構造です。加えて紙・板紙事業、パッケージング事業、ビジュアルコミュニケーション事業の3つの主要事業ポートフォリオを展開しているほか、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、南米など幅広い地域で事業を営んでいます。さらに商流としては、自社で倉庫や在庫を保有して販売するマーチャント型、在庫を持たずにメーカーと需要家をつなぐディストリビューター(代理店)型、メーカーや需要家の海外取引を仲介する貿易機能を果たすトレーディング型の固定費比率が異なる3種を組み合わせています。このように事業、地域、商流の各側面において複数の選択肢を持つことでリスク分散を図っており、事業特性とリスク分散の状況を踏まえると、自己資本比率20%~25%は成長投資に必要な資金調達余力を確保しながら財務健全性と資本効率を両立する適切な水準であると考えています。今後もこのレンジを維持し、持続的な成長と企業価値向上を支える財務基盤の強化に努めていきます。

PBRの向上

PBRはROE(自己資本利益率)とPER(株価収益率)に分解されます。ROEについては前述の通り収益性の強化と資本政策の最適化を通じて向上を図っていきます。一方、PERの改善には現在の収益力だけではなく、将来の成長性に対する市場からの評価を高めることが重要です。当社が持続的に企業価値を向上させていくためには、投資家の皆さまが納得できる成長戦略を着実に実行し、その実現可能性を資本市場に理解していただくことが不可欠であると考えています。

当社はこれまで数多くのM&Aを通じて事業ポートフォリオの転換を進めてきました。今後もその経験とノウハウを生かしながらパッケージング、ビジュアルコミュニケーション、リサイクリング・環境関連事業などの成長領域へのシフトを加速していきます。2026年8月に日本国内でビジュアルコミュニケーション事業を本格展開するためにM&Aを実施するなど、成長領域への投資を着実に実行しています。これらの取り組みを通じて事業ポートフォリオの転換をさらに進展させるとともに、中長期的な収益基盤の強化と企業価値の向上につなげていきます。

事業基盤の構築途上にある米国市場は、当社が次の成長ステージへ進む上で重要な市場の一つと考えています。今後の成長の足掛かりとなる相応の事業規模と基盤を米国で確立し、新たな成長機会の創出とさらなる事業拡大を目指します。

こうした取り組みの進捗や将来の価値創造プロセスについて、IR資料での公開に加え投資家の皆さまとの対話を通じて積極的に発信し、当社グループへの理解と期待を高めることでPERの改善とPBRの向上につなげていきます。

第4次中期経営計画のキャッシュアロケーション

第4次中期経営計画期間においては、キャッシュ・インフローとして営業キャッシュフロー約400億円に加え、政策保有株式の売却、有利子負債を活用した資金調達を実行します。政策保有株式の売却については、2026年7月の公表通り当初の50億円から70億円へ目標を引き上げました。調達した資金の使途として総額約500億円の成長投資を実行する計画です。成長投資として大きな構成比を占めるのはM&A投資で、将来の成長ドライバーとして位置付ける北米市場への投資も含んでいます。商社の最大の資産である人材への投資としては従業員の育成を重視することに加え、各事業地域の経済状況に合わせた処遇改善も継続的に実施します。DXでは成長のためのデジタルソリューションの開発・展開やAI活用基盤の拡充、昨今拡大しているサイバー攻撃に対するリスクヘッジのためのセキュリティ強化に投資していきます。前述の政策保有株式の追加売却により創出した資金については主として自己株式取得に充当し、資本効率の向上と株主還元の強化を図っていきます。

財務の健全性を維持する観点から自己資本比率を重要な財務規律として位置付けています。その一方で有利子負債も適切かつ積極的に活用することで、成長投資、資本効率の向上および株主還元の最適なバランスを追求し、持続的な企業価値向上の実現を目指します。

3年間累計キャッシュ・インフロー

  • 営業キャッシュフロー:約400億円

    • リース債務の返済による支出控除後
  • 政策保有株式売却:約50億円 → 約70億円

  • 有利子負債の調達

  • 注記:営業キャッシュフローは、リース債務の返済(財務活動によるキャッシュフロー)による支出(約200億円)控除後。

3年間累計キャッシュ・アウトフロー

  • 成長投資:500億円の範囲内

    • M&A・アライアンス
    • 新規事業創出
    • DX・人的資本関連投資
  • 株主還元

    • 連結配当性向:30%
    • DOE:3.0%を下限とする
  • 自己株式の取得

    • 政策保有株式の売却によって得た資金の一部に加え、成長投資に充てる資金に余剰が生じた際には、その相当額を自己株式取得の原資として充当する。

2026年3月期実績

  • 営業キャッシュフロー:約110億円
  • 成長投資:約140億円
  • 政策保有株式売却:約27億円
  • 有利子負債の調達:約50億円
  • 自己株式の取得:約24億円
  • 配当:約23億円
    • DOE:3.1%

株主還元と対話による信頼構築

当社は株主還元の充実を重要な経営課題の一つと位置付けています。その方針をより明確にするため、株主還元指標として「連結配当性向30%」および「連結株主資本配当率(DOE)3.0%」を設定し、業績に応じた利益還元を実施するとともに、株主資本を基準とした安定的かつ継続的な配当を実現し、中長期的な株主価値の向上を目指します。

また個人株主の拡大と安定株主基盤の形成を目的として、株主優待制度の拡充を実施しました。安定的な配当政策と株主優待制度の充実を通じて、個人株主の皆さまとの長期的な関係構築を図るとともに、株式の流動性向上と株価の安定化にもつなげていきたいと考えています。

株主・投資家の皆さまにより深く当社グループの成長戦略や事業内容をご理解いただくことは、企業価値向上に不可欠であると認識しています。そのため統合報告書や決算説明資料などの情報開示の充実に加え、適時・適切な情報提供および積極的なIR・SR活動を推進しています。対話を通じていただいたご意見やご期待については、経営戦略や財務戦略の検討に生かし、資本市場との建設的な対話を継続することで持続的な企業価値向上の実現に努めていきます。

1株当たり配当金と配当性向

中期経営計画 年度 1株当たり配当金 連結配当性向 DOE(連結株主資本配当率)
第3次中期経営計画 2023年3月期 20円 9.1% 2.6%
第3次中期経営計画 2024年3月期 22円 14.7% 2.3%
第3次中期経営計画 2025年3月期 34円 28.8% 3.2%
第4次中期経営計画 2026年3月期 36円 41.2% 3.1%
第4次中期経営計画 2027年3月期(予想) 40円 51.4% 3.3%
第4次中期経営計画 2028年3月期 ― ― ―
  • 継続的な事業の成長により増配を目指す。
  • 注記:DOE(連結株主資本配当率)=(年間配当総額÷連結株主資本)×100
  • 注記:連結純資産から株式市場や為替動向で変動するその他の包括利益を除いた連結株主資本をベースとする。

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事業戦略

デジタル化の加速などを背景に先進国ではグラフィック用紙の生産量が大きく減少しており、市場は中長期的な縮小が見込まれています。こうした事業環境の変化を見据え、当社は「事業領域の拡大」「事業ポートフォリオの転換」「グローバルシナジーの追求」「Eビジネスの拡大・DXの推進」の4つを現中計の事業戦略の重点施策として推進しています。紙・板紙事業から安定的に得られる経営リソースを成長性・収益性の高い事業へ戦略的に配分し、事業ポートフォリオの入替を通じて持続的な成長を実現していきます。

事業戦略4つの重点施策

  • 事業領域の拡大

    • 新しい製品
    • 新しい市場
    • 新しいビジネスモデル
  • 事業ポートフォリオの転換

    • ボルトオン型M&Aの推進
    • 新規ビジネスの創出
  • グローバルシナジーの追求

    • 仕入情報
    • 販売情報
    • マーケティング
  • Eビジネスの拡大・DXの推進

    • DXの推進による業務システム・プロセスの変革
    • Web shopの拡大

事業ポートフォリオの転換

  • 紙・板紙
    • パッケージング
    • ビジュアルコミュニケーション
    • リサイクリング
    • フィルム

事業領域の拡大

  • パッケージング

    • ラベル
    • 軟包装
    • JanSan(清掃・衛生)
    • 包装機械
    • ソリューション
  • ビジュアルコミュニケーション

    • テキスタイル繊維
    • カーラッピング
    • サイネージ
    • 住宅建材
    • 紙の糸
  • リサイクリング

    • プラスチック
    • 古紙
    • 木くず
    • 燃料
    • IoT
    • 農業

事業領域の拡大・事業ポートフォリオの転換

事業領域の拡大と事業ポートフォリオの転換において重要な役割を担うのがM&Aです。各地域の事業展開の状況を分析し、注力すべき分野を見極めた上で新たな市場の開拓や顧客基盤をもたらすM&Aを実施しています。パッケージング、ビジュアルコミュニケーション、リサイクリングなど既に事業基盤を持つ分野ではボルトオン型のM&Aで事業規模と競争力の拡大を図ります。一方、日本におけるパッケージング事業・ビジュアルコミュニケーション事業の強化や北米市場への進出など、新たな事業基盤の獲得を目的とするM&Aも検討してい ます。

事業領域・地域別のM&A展開

  • 日本

    • 紙・板紙:既存事業の展開
    • パッケージング:新規分野のM&A主体の戦略
    • ビジュアルコミュニケーション:新規分野のM&A主体の戦略
      • M&Aで取得した企業
        • 中外写真薬品
        • プロスパーグラフ
    • リサイクリング:既存分野に関連するボルトオン型M&Aの推進
      • M&Aで取得した企業
        • 名古屋紙業
        • KPPエコワークス
    • フィルム(化成品):既存分野に関連するボルトオン型M&Aの推進
  • 北東アジア

    • 紙・板紙:既存事業の展開
  • アジアパシフィック

    • 紙・板紙:既存事業の展開
    • パッケージング:既存分野に関連するボルトオン型M&Aの推進
      • M&Aで取得した企業
        • ABL Distribution
    • ビジュアルコミュニケーション:既存分野に関連するボルトオン型M&Aの推進
      • M&Aで取得した企業
        • Spandex
  • 欧州・中南米

    • 紙・板紙:既存事業の展開
    • パッケージング:既存分野に関連するボルトオン型M&Aの推進
      • M&Aで取得した企業
        • PLAESA
        • The Packaging Company
        • Hein Verpackungen
        • Speidel
    • ビジュアルコミュニケーション:既存分野に関連するボルトオン型M&Aの推進
      • M&Aで取得した企業
        • Fortuna Digital Group
        • Club Groupe
        • Texo Group
  • 北米

    • パッケージング:新規分野のM&A主体の戦略
    • ビジュアルコミュニケーション:新規分野のM&A主体の戦略
  • 2026年9月現在

グローバルシナジーの追求

現中計では購買・製品・顧客・マーケティングの各分野におけるグループシナジーの創出を重要施策と位置付けています。その推進体制としてグループ全体の購買・製品情報を共有する「グループ購買・商品本部」と、顧客情報の共有、新規顧客獲得の相互支援、最適な販売戦略の策定を担う「グループカスタマー開発室」を新設しました。それぞれの地域で確固たる事業基盤を持つ3社(国際紙パルプ商事、アンタリス、スパイサーズ)の顧客基盤、サプライヤーネットワーク、商品調達力、知見を結び付け、共同調達によるスケールメリットの創出や地域を越えた商材・ビジネスモデルの展開、新たな商談機会の獲得につなげています。

Eビジネスの拡大・DXの推進

Eビジネスおよびデジタルソリューションの推進

顧客や仕入先との関係強化を目的として、Eビジネスおよびデジタルソリューションの開発・展開を推進しています。各社の事業特性に応じたウェブプラットフォームの活用を進めることで受発注、情報共有、コミュニケーションなどの業務プロセスを高度化し、これにより顧客サービスの向上、業務効率化、サプライチェーン全体の情報連携強化を目指しています。

連結決算基盤の導入

グループ全体の財務情報を一元管理する連結決算基盤は海外事業会社への導入を完了し、国内事業会社でも導入の最終段階にあります。決算業務の効率化やガバナンスの強化に加え、グループ共通のデータ基盤として活用することで経営情報の可視化とデータ活用の高度化を進めています。今後は経営管理や事業分析にも活用領域を広げ、データドリブン経営を支える基盤へと発展させていきます。

生成AI活用とデジタル人材育成

社内の生成AI環境と外部サービスの双方を安全かつ効果的に活用できる体制を整備し、幅広い業務でのAI活用促進とデジタル人材の育成に取り組んでいます。実践的な研修や勉強会を通じてスキルの習得を支援するとともに、グループ横断で具体的な活用事例やベストプラクティスを共有し、各社の知見を横展開しています。

グループ共通ポータル

多言語対応のグループ共通イントラサイトを活用して組織や国境を越えた連携を促し、グループとしての一体感の醸成と情報伝達の迅速化を図っています。グローバルコミュニケーションの活性化に加え、市況や仕入れに関するデータ、知見、成功事例の共有を進めグループシナジーの最大化を目指しています。

PDF掲載ページ:25-26

北東アジアセグメント

変革の種を、確かな成長へ

  • 小馬井 秀臣
  • 国際紙パルプ商事 代表取締役 社長執行役員

Executive Summary

  1. 紙市場の縮小やコスト上昇により収益面で課題を残した一方、将来の成長に向けた事業構造改革は着実に前進した。
  2. M&Aによるリサイクリング、ビジュアルコミュニケーション両事業の強化や、紙製人工芝への設備投資などを通じ、事業ポートフォリオの転換を加速した。
  3. KPPグループのグローバルネットワークを活用し、トレーディング機能の強化を通じて中国事業の再構築を進める。

セグメント情報

  • 売上高:2,851億89百万円
    • 前年同期比:6.1%減
  • セグメント利益:18億72百万円
    • 前年同期比:35.3%減
  • 社員数:949名
  • 拠点数:49ヵ所

中期経営計画初年度を振り返って

第4次中期経営計画がスタートした2026年3月期は、北東アジアセグメントにとって変革への基盤づくりの一年となりました。

国内では紙需要の構造的な減少に加えコスト上昇が生じ、また中国市場も依然として厳しい事業環境にありました。そのような中でも私たちは足元の収益確保に努めながら、将来の成長に向けた事業構造改革を着実に進めました。営業利益という点では満足できる結果とは言えませんが、第4次中期経営計画で掲げた4つの重点施策については、それぞれ一定の前進がありました。

事業戦略 4つの重点施策

事業領域の拡大

これまで当セグメントは紙・板紙を中心に事業を展開してきましたが、市場環境の変化を踏まえ、リサイクリング・環境関連事業などへ領域を拡大しています。2026年3月期には名古屋紙業およびKPPエコワークスをグループ化し、顧客基盤の拡充とリサイクリング領域の強化を図りました。また、紙製人工芝「ペーパーターフ®」への設備投資や農業ビジネスの拡充など、環境関連の新規ビジネスについても着実に事業化を進めています。紙流通企業からお客さまの課題解決を支援するソリューション提案企業への進化に向け、歩みを進めることができました。

  • リサイクリング事業の強化
    • 写真キャプション:木くずを燃料などにリサイクルするKPPエコワークスの事業
  • 環境関連事業の強化
    • 写真キャプション:屋外向け紙製人工芝を敷設した神奈川県葉山町の南郷上ノ山公園

事業ポートフォリオの転換

北東アジアセグメントは依然として紙事業の構成比が高く、市場縮小の影響を受けやすい事業構造にあります。これは私たちが真正面から向き合うべき課題です。一方で、グループ全体ではパッケージング事業やビジュアルコミュニケーション事業の比率が着実に高まっており、北東アジアにおいても同様の変革を進めるべく、今夏、ビジュアルコミュニケーション事業を手掛ける2社を買収しました。このうち1社はイメージング(写真等)の分野において「ILFORD」というグローバルブランドを有しています。既存事業が生み出すキャッシュを成長分野へ振り向けることで収益構造の転換を図り、今後はM&Aによる事業補強だけでなく、既存顧客へのクロスセルや新しい市場開拓を通じて高付加価値事業の比率をさらに高めていきます。

グローバルシナジーの追求

今般の中東情勢をはじめとする地政学リスクや原燃料価格の高騰など、サプライチェーンの不確実性が高まる局面においては、メーカーと需要家を円滑に結び付ける商社機能の価値が高まります。KPPグループの強みは世界のサプライヤーとの取引基盤にあり、これにより多岐にわたるお客さまのニーズに応じた多様な選択肢の提案が可能となります。グループ各社が保有する商品情報、顧客情報、マーケティング情報の共有を進めるとともに、海外で成功しているパッケージングやビジュアルコミュニケーションの知見を国内へ展開する取り組みを進めています。

中国事業についても従来の内需型流通ビジネスから、グループのグローバルネットワークを活用したトレーディング機能の強化へと方向転換を進めています。特にビジュアルコミュニケーション関連資材の調達・販売を担う拠点としての役割を期待しており、本格的な成果はこれからですが、将来の成長に向けた土台を築くことができました。

Eビジネスの拡大・DXの推進

労働力不足や顧客ニーズの多様化が進む中、生産性向上は事業の持続的成長に欠かせないテーマです。当期はカスタマーリレーションマネジメント(CRM)の本格導入に向けた準備、クラウド型の情報共有・協働ツールと生成AIを活用した業務改革の基盤づくりを進め、社員がより付加価値の高い業務に集中できる環境整備に取り組んでいます。DXは単なる効率化ではなく、お客さまとの接点のあり方や営業活動そのものを変革し、新たな価値を創出するための経営戦略として位置付けています。

中期経営計画2年目に向けて

初年度は収益面で厳しい環境が続く一方で、将来に向けた変革の種を数多く蒔くことができました。今後は中国事業の再構築を進めるとともに、M&Aと既存事業とのシナジー創出を加速し、さらにビジュアルコミュニケーションやパッケージング、リサイクリング・環境関連事業の収益拡大につなげていかなければなりません。グローバルシナジーやDXの成果を具体的な業績として結実させる段階へ移行していきます。

北東アジア事業は今、大きな転換点にあります。祖業である紙の可能性を追求し続けながらも、その枠にとどまることなく、新たな事業領域へ挑戦していきます。そして、第4次中期経営計画で掲げた目標の実現に向け、変革のスピードをさらに高め、KPPグループの成長を牽引してまいります。

PDF掲載ページ:27-28

欧州/米州セグメント

ビジュアルコミュニケーションの成長がアンタリスの変革を牽引

  • エルベ・ポンサン
  • CEO, Antalis S.A.S.

Executive Summary

  1. ビジュアルコミュニケーション事業とパッケージング事業の売上高構成比が49%へ上昇。収益性の向上に寄与している。
  2. EビジネスとDXを競争優位性の源泉として強化している。
  3. 高い従業員エンゲージメントを強みに変革を定着させ、中期経営計画の達成を目指す。

セグメント情報

  • 売上高:2,989億97百万円
    • 前年同期比:0.2%増
  • セグメント利益:58億18百万円
    • 前年同期比:25.0%減
  • 社員数:4,341名
  • 拠点数:146ヵ所

中期経営計画初年度を振り返って

アンタリスは第4次中期経営計画の初年度において、事業ポートフォリオの転換を着実に進めました。特にビジュアルコミュニケーション事業では2025年に完了した3件の買収が成長を牽引し、売上高を6,600万ユーロ(約112億円)押し上げました。同事業の売上高構成比は約15%まで拡大し、売上総利益に占める割合はさらに高くなっています。また、この3年間で紙以外の事業が売上高に占める割合は43%から49%へ上昇しました。こうした高付加価値商品・サービスへのシフトを背景に、2025年の売上総利益率は前年から0.2ポイント改善しており、事業ポートフォリオの転換が収益性の向上につながっています。

アンタリスの売上高構成比の変化

事業 2023年 2025年
紙 53% 47%
ビジュアルコミュニケーション 11% 15%
パッケージング 32% 34%

事業戦略 4つの重点施策

事業領域の拡大

競争環境が激しさを増す中、当社は差別化戦略の一環として、付加価値の高い商品や自社ブランドの拡充に取り組んでいます。ビジュアルコミュニケーション事業ではカーラッピングやインテリアデザイン向けの商品群を強化し、パッケージング事業では防錆のKorusやフィルムのAxioといった自社ブランドを発表しました。紙事業では東欧のXeroxブランドのオフィス用紙販売権の取得や自社ブランドの上質非塗工紙Serixoを展開しています。また米州ではラベル事業の拡大を進め、チリ、ペルー、メキシコのパッケージング加工拠点を強化しました。

顧客のサステナビリティ意識が高まる中、当社は独自の環境性能評価システムや代替提案ツールを開発し、環境負荷低減に貢献する商品の提案力を高めています。一方で、顧客は具体的な環境成果、透明性の高い製品情報、信頼できる代替提案をこれまで以上に重視するようになっています。こうした期待を事業機会につなげる商品ポートフォリオと事業運営が重要になると考えています。

事業ポートフォリオの転換

中計で掲げる高収益・高成長分野への事業ポートフォリオ転換が多くの国で進み、特に欧州のビジュアルコミュニケーション事業では大きな進展がありました。2025年の3件の買収効果に加え、オーガニックな事業成長も寄与し、2026年の売上高は2桁成長を見込んでいます。同事業の売上総利益への貢献度も高く、収益性向上に資する成長領域となっています。パッケージング事業も英国企業の買収を通じて事業基盤を強化しました。Eコマースの拡大に伴う包装需要の増加、物流効率の向上につながる包装ソリューションへのニーズ、持続可能な包装材へのシフトといった社会的要因を背景に、同事業は今後も成長機会をもたらすと捉えています。ビジュアルコミュニケーション事業およびパッケージング事業の構成比拡大により、アンタリスの事業基盤はよりバランスの取れた、強靭なものとなっています。

グローバルシナジーの追求

グローバルシナジー創出の余地はなお大きいものの、中計初年度から統合による効果が各所に見え始めています。ビジュアルコミュニケーション事業および紙事業では、グループ横断で調達・購買機能を強化した結果、中国や韓国の主要サプライヤーとの関係構築やスケールメリット創出につながっています。パッケージング事業では、世界各地のグループ各社が顧客情報や知見を共有しながら案件を進めるケースが増えています。

Eビジネスの拡大・DXの推進

アンタリスは競合に先んじてDXを実現していると自負しています。Eビジネス機能の継続的な向上でオンライン経由の顧客対応や取引が伸長し、オンライン売上高は4億5,000万ユーロ、在庫販売商品の売上高の55%に達しました。欧州全域で展開する20のECサイトやEDI(顧客システムとの電子データ連携)を介して22,300社の顧客と継続的に取引を行っています。CRM導入はフランス、ポーランド、英国で完了し、1年以内に欧州主要国への展開も完了する予定です。CRM導入により顧客情報の共有が強化され、顧客サービスの向上や新規顧客開拓につながっています。

AIの活用も進み、生産性向上や意思決定支援など活用領域は広がり続けています。DXを技術導入で終わらせるのではなく、顧客への価値提供、質の高い意思決定、そして組織内の協働を支える基盤として進化させていきます。

中期経営計画2年目に向けて

欧州経済は地政学リスクやコスト上昇を背景に厳しい状況が続く見込みで、紙やパッケージング業界における収益確保に向けた再編がさらに進む可能性があります。当社はオーガニック成長とボルトオン型M&Aを通じた変革を継続し、業界再編の機会を的確に捉えていきます。また機動的な利益率管理と徹底したコスト管理に向け、独自のデジタル戦略「Focus Power-e」でDXやAI活用を一段と進め、事業運営の効率化を図ります。

さらに、人材への投資と組織変革の定着に向けた取り組みも継続します。変革の実現には組織全体の理解と従業員の主体的な参画、そして変化を支える人材の育成が不可欠です。直近の従業員調査では、エンゲージメント指数が80%という高い水準を維持しており、こうした組織の強みを生かしながら、変革を着実に前進させていきます。

PDF掲載ページ:29-30

アジアパシフィックセグメント

オーガニック成長と事業領域の拡大でグループに貢献

  • デイビッド・マーティン
  • CEO, Spicers Limited

Executive Summary

  1. 戦略的な買収の成果と中核事業のオーガニック成長により、厳しい事業環境下でも堅調な利益を確保した。
  2. ビジュアルコミュニケーション事業での買収に加え、パッケージング事業では新たな製造機能への投資を進め、事業ポートフォリオの転換を加速した。
  3. 事業ポートフォリオの変革を支える人材育成と、収益性・生産性の向上に資するEコマース、DX、AI活用を継続して推進する。

セグメント情報

  • 売上高:646億59百万円
    • 前年同期比:2.7%減
  • セグメント利益:28億7百万円
    • 前年同期比:6.5%減
  • 社員数:694名
  • 拠点数:39ヵ所

中期経営計画初年度を振り返って

第4次中期経営計画の初年度となる2025年は、アジアパシフィックセグメント(オセアニア、ASEAN、南アジア)のほぼ全ての国・地域で堅調な成果を上げました。買収の成果に加え、一部の中核事業における高いオーガニック成長が当セグメントの業績を牽引しました。事業環境は厳しく、成長分野が他分野の低迷を補う状況が続きましたが、各事業が想定を上回る生産性を発揮したことで一定の利益を確保し、連結業績を下支えしました。

過去1年余りにわたり、需要の減速や原材料の供給制約、インフレなど複数の要因が事業環境に影響を及ぼしました。こうした環境下、当社は差別化商品の拡販、商品構成の最適化による利益率の向上、価格改定、グループの調達力の活用、物流管理の高度化、拠点網の最適化に取り組んできました。これらの施策が2025年の業績を下支えしており、原油需給の逼迫に伴うインフレが続く2026年においても、引き続き効果を発揮するものと考えています。

事業戦略 4つの重点施策

事業領域の拡大

2026年3月に完了した豪州Spandexの買収は現中計における重要な成長施策であり、厳しい事業環境が続く中、当セグメントの業績を支える最大のプラス要因になると見込んでいます。当社はパッケージングとビジュアルコミュニケーションを成長領域と位置付け、パッケージングではABL Distribution、ビジュアルコミュニケーションではSpandexをはじめとする複数の企業を買収してきました。さらに、スパイサーズグループ初となる本格的な製造機能の確立に向け、パッケージング事業を担う子会社のSignetが軟包装材への設備投資を進めています。こうした新たなビジネスモデルを他地域へ展開する取り組みも進めており、GIFT 2030の目標達成に向け、事業横断でさらなる多角化を検討しています。高いオーガニック成長が期待できる分野では既存のビジネスモデルを一層拡大する一方、長期的な成長に向けて従来の枠にとらわれない事業の育成にも取り組みます。新たな収益源へ慎重かつ戦略的に投資し、将来の成長を支える能力を構築していきます。KPPグループの収益目標に着実に貢献しながら、クリエイティブに未来を構想し、確実に実行に移すことがスパイサーズグループの成長につながると考えています。

事業ポートフォリオの転換

企業買収を活用してより高い成長が期待できる事業領域への移行を進めています。2024年のSignet、2026年のSpandexの買収を通じて事業ポートフォリオは大きく変化し、成長分野の比重が着実に高まっています。紙事業は引き続き高い収益貢献を果たしており、その収益性は極めて重要です。一方、事業成長によって生産性を高めるためには、事業ポートフォリオの変革をさらに進める必要があります。現在、Signetで一部パッケージングの製造機能はあるものの、当セグメントの事業ポートフォリオは現在も流通機能が中心です。バリューチェーン上の幅広い機能を統括する経営能力を高めることで、将来は新たな事業モデルをポートフォリオに取り込むことも可能になります。その実現には人材育成が不可欠であり、従業員が新たな成長領域へ活躍の場を広げられる機会を創出していきます。投資判断に当たっては、対象事業を適切に運営して成功に導くことができるかを慎重に見極めて判断しています。

スパイサーズの売上高構成比の変化
事業 2024年 2026年予想
紙 52% 41%
パッケージング 22% 31%
ビジュアルコミュニケーション 16% 22%
トレーディング 10% 6%

グローバルシナジーの追求

現在、特に大きな成果が期待される3つの重点テーマに取り組んでいます。まず、グローバルな事業規模を生かした調達力の強化です。KPPグループは世界各地の事業会社の購買力を結集することで、高い調達力を発揮できます。各地域で共通して取り扱う商材も多く、この強みを生かして調達の全体最適化を進め、収益性の向上を図っています。この取り組みはスパイサーズの調達責任者であるKen Boothがグループ横断で主導しています。また、アジアパシフィック地域における日系企業との取引拡大にも注力しています。さらに、KPPグループ横断で連結経営管理ツールの導入を進めています。グローバルな事業データを可視化し、新たなシナジー機会を発掘することで、グループ全体の収益性向上につなげていきます。

Eビジネスの拡大・DXの推進

Signetが持つEコマース基盤を活用し、Spicers Australiaの販売戦略を強化しています。Eコマースは今後の成長を支える重要な基盤と捉えており、現在、業界をリードするウェブサイトの構築と顧客サービスの充実に取り組んでいます。こうした基盤はSpandexの事業をSpicers Australiaへ円滑に統合する上でも重要な役割を果たします。当社のDXは、売上高に対するコストの比率を上昇させることなく事業を成長させることを目的としています。全てのDX投資はこの目的に資するものでなければなりません。DX戦略の重要な柱であるAIについても、在庫管理の高度化と取引業務の簡素化を重点領域とし、資金効率とコスト効率の向上につなげています。

中期経営計画2年目に向けて

GIFT 2030達成に向けた当セグメントの優先事項は、引き続き「人材」「顧客志向」「オペレーショナル・エクセレンス」「KPPグループの強み活用」の4つです。戦略的なM&A、成長分野におけるオーガニック成長、そして変革を担う人材の育成をバランスよく進めることが、目標達成の鍵となります。私たちは将来の成長に大きな可能性を見いだしており、その実現を担う優れたチームに恵まれています。

PDF掲載ページ:31

サステナビリティ戦略

サステナビリティフレームワーク

基本的な考え方

当社は、「サステナビリティ経営」を「環境・社会・経済の持続可能性へ配慮することによって、中長期的に利益を創出し、事業の持続可能性を向上させる経営」と定義しています。その上で、グループ全体が同じ方向を向いて進むための考え方と行動の道筋を示す枠組みである「KPPグループウェイ」に基づき、「サステナビリティ基本方針」を定めています。

また、当社は、2030 年に向けた経営ビジョン「GIFT2030」の策定に伴い、「サステナビリティビジョン」を定めました。具体的には、KPPグループの長期目標として「2050年に温室効果ガス(GHG)のScope1,2の排出量ネットゼロ」を掲げるとともに、2030年に「グローバルな環境価値創造企業」を目指すことを明示し、環境・社会の課題に対し、事業戦略と一体で取り組みを進めています。

サステナビリティに関する取り組みについては、透明性の高い情報開示に努めており、当社コーポレートサイトの内容充実を図っています。併せて、毎年ESGデータブックを発行しており、2023年3月期の発行以来、開示範囲の拡大に努めてきました。KPPグループ全体のサステナビリティ情報をできる限り網羅し、日本語と英語で発行しています。

ESGデータブック

参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/csr/report.html

コーポレートサイト(サステナビリティ)

参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/csr.html

サステナビリティ基本方針

私たちKPPグループは「KPPグループウェイ」の基本理念に基づき、総合循環型経営の展開を通して、持続可能な社会の実現に貢献します。また、私たちは環境や社会、そしてガバナンスを経営の重要事項として捉え、事業活動に関わるマテリアリティを特定し、課題の解決に取り組みます。

サステナビリティビジョン2030

2030年にありたい姿:サステナビリティの要請に応える、グローバルな環境価値創造企業

2050年に向けた長期目標:グループ連結でScope1および2の温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロ達成

  • 環境

    • グループ全体のScope3までのGHG排出量の測定と目標の設定を目指す
    • 環境負荷低減のためのさまざまなサーキュラービジネスを展開する
  • 社会

    • DE&I(多様性・公平性・包摂)を含む人的資本経営を推進し、多様な人材を採用し、活用する
    • 企業経営の基礎となる労働安全等の義務を確実に果たす
  • ガバナンス

    • 不確実性に対応するため、コンプライアンスとリスク管理を事業の基礎とする
    • グループガバナンスを最適化し、グループシナジーを創出する
  • データマネジメントと開示

    • グローバルなデータマネジメントシステムを導入し、開示に対応する
    • 国際標準の遵守により高評価を獲得し、投資やブランディングにつなげる

サステナビリティ推進体制

当社は、取締役会の監督の下、サステナビリティ推進の中核にESG委員会を据えています。また、ESG委員会の関連組織として、コンプライアンス委員会、リスク管理委員会、環境管理委員会、労働安全委員会、情報セキュリティ委員会の5つの委員会を設置し、それぞれが課題とアクションプラン、KPIを設定し、海外グループ会社を含む、グローバルな推進を図っています。

ESG委員会の構成は、代表取締役会長を委員長、代表取締役社長を副委員長として、委員は取締役3名およびESG委員会に関連する上記5つの委員会の委員長等が務めており、原則として年2回、開催しています。

なお、監督機関である取締役会は、当社のマテリアリティに関わる取り組みを適切にモニタリングできるスキルを備えた人材で構成されており、適切に監督の責務を担っています。

  • KPPグループホールディングス 取締役会

    • KPPグループ ESG委員会
      • アンタリス
      • 国際紙パルプ商事
      • スパイサーズ
  • KPPグループ ESG委員会 → KPPグループホールディングス 取締役会:報告

  • KPPグループホールディングス 取締役会 → KPPグループ ESG委員会:監督

  • アンタリス → KPPグループ ESG委員会:報告

  • KPPグループ ESG委員会 → アンタリス:モニタリング・助言

  • 国際紙パルプ商事 → KPPグループ ESG委員会:報告

  • KPPグループ ESG委員会 → 国際紙パルプ商事:モニタリング・助言

  • スパイサーズ → KPPグループ ESG委員会:報告

  • KPPグループ ESG委員会 → スパイサーズ:モニタリング・助言

PDF掲載ページ:32

サステナビリティ戦略

当社は、外部環境の変化を考慮し、「KPPグループウェイ」に基づき、マテリアリティに取り組むことにより、長期経営ビジョンである「GIFT 2030」の実現を目指すことを明示しています。マテリアリティは、事業戦略、財務戦略、そしてサステナビリティ戦略に組み込まれており、アクションプランを策定し、目標を掲げ、達成に向けた具体的な取り組みを進めています。

「GIFT 2030」を実現するための3つの戦略のうちの一つが、サステナビリティ戦略です。ミッションとして掲げる「循環型社会の実現に貢献する」を軸に、気候変動対策や資源循環、責任あるサプライチェーンといったサステナビリティに関する諸課題に対し、事業戦略と一体で取り組みを進めています。

  • KPPグループウェイ
    • MISSION:循環型社会の実現に貢献する
    • VISION:GIFT
      • Globalization
      • Innovation
      • Function
      • Trust
    • VALUES
      • 創紙力で未来を切り拓く
      • 自律的な人材の育成
      • オープンマインドな組織
    • 組織を支えるDNA:創紙力
  • マテリアリティ
    • グローバル展開
    • DXへの対応
    • グリーンビジネスの展開
    • 気候変動対策
    • 人的資本経営の推進
    • ガバナンスの強化
  • GIFT 2030
    • 事業戦略
      • 事業領域の拡大
      • 事業ポートフォリオの転換
      • グローバルシナジーの追求
      • Eビジネスの拡大・DXの推進
    • サステナビリティ戦略
      • グリーンビジネスの展開
      • 気候変動対策
      • 人的資本経営の推進
      • ガバナンスの強化
    • 財務戦略
      • 成長投資資金の確保
      • 資本効率と財務健全性の両立
      • 株主還元の充実

KPPグループのサステナビリティKPI

第4次中期経営計画において、サステナビリティ戦略を推進するためのKPIは、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)に大別して、次の通り設定しています。ESG委員会および5つの関連委員会で課題と対策を審議し、進捗をモニタリングしています。

区分 項目 定義 2026年3月期目標 2026年3月期実績 2027年3月期目標 2028年3月期目標
E グリーンビジネスの展開 各拠点の定義による環境負荷低減に資する商品やサービスの売上高合計値。実績のみの開示。 ― 2,291.8億円 ― ―
E サーキュラービジネスの拡大※ 日本全体の古紙回収数量に占める当社販売数量の割合。 8.0% 7.0% 10.0% 15.0%
E GHG排出量削減 排出原単位の削減率。排出原単位=GHG排出量(t-CO2e)÷売上高(百万円) 3.3% 5.5% 3.3% 3.3%
S 人材育成 従業員1人当たり教育時間=教育時間総計÷従業員数 前年比増 2.8時間増加 前年比増 前年比増
S エンゲージメント 各社エンゲージメント調査結果のポイント増減×各社従業員数÷グループ全従業員数 前年比0.3ポイント増加 5.3ポイント増加 前年比0.3ポイント増加 前年比0.3ポイント増加
S 労働安全 LTIFR=休業災害発生件数÷総労働時間×1,000,000 前年比減 1.206減 前年比減 前年比減
G リスクマネジメント リスク管理活動を通じ、KPPグループ全体でリスクカルチャーの浸透を図る。 リスク管理体制の運用定着 リスク管理手法のグループ統一/インシデント情報の共有 リスク管理体制の運用定着 リスク管理体制の運用定着
G コンプライアンス KPPグループコンプライアンスマニュアルの周知等を通じ、KPPグループ全体でコンプライアンス意識の浸透を図る。 KPPグループコンプライアンスマニュアルの周知。グループ各社の研修実施状況把握等 KPPグループ「腐敗・贈賄防止方針」を制定/KPPグループホールディングスに報告が入る体制を構築 KPPグループコンプライアンスマニュアルの周知継続。グループ各社の研修内容見直し等 KPPグループコンプライアンスマニュアルの周知継続。グループ各社で必要な研修の実施等
G 情報セキュリティ グループ規程に基づいた情報セキュリティ成熟度の把握と、継続的な改善・教育を通じたセキュリティリテラシー向上度合いの見える化。 グループセキュリティ規程、ガイドブックの認識度合い調査 認識度合い調査の実施/四半期毎のIT部門会議の開催 認識向上策実施 認識向上へPDCA
G サステナビリティデューデリジェンス 各拠点で進めているDDを同じ枠組みで実施し、評価できるようにする。 各拠点のDD現状調査 対応中 DD調査票と手順書の確立 グローバルのDD推進計画策定
  • 注記:サーキュラービジネスの拡大は国際紙パルプ商事のみ。

PDF掲載ページ:33

環境

循環型社会の実現に向けて

基本的な考え方

当社グループは「KPPグループウェイ」において「循環型社会の実現に貢献する」ことをミッションに掲げています。また「サステナビリティビジョン2030」では2030年にありたい姿として「サステナビリティの要請に応える、グローバルな環境価値創造企業」と定めています。

この実現に向けて自社の事業活動に伴う環境負荷の低減と、事業を通じた環境課題の解決を両輪とした取り組みを進めています。前者ではGHG排出量や廃棄物の削減、資源の有効利用を推進しています。後者ではGHG排出量削減に資するグリーンビジネスの展開と、循環型社会の実現に資するサーキュラービジネスの拡大に重点的に取り組んでいます。これらの取り組みにKPIを設定し、環境認証も活用しながら継続的な改善を進めるとともに、森林認証製品をはじめとする環境価値の高い商品・サービスを提供しています。

環境関連の認証

当社ではISO14001認証に加え、森林認証やISCC PLUS認証(国際持続可能性炭素認証)など、複数の国際的な環境認証を取得しています。こうした認証においては、サプライチェーンの適切な管理と透明性の確保が求められます。また、森林認証では中核的労働要求事項への配慮も必要となります。当社は認証のPDCAサイクルを通じて、継続的な改善に取り組んでいます。

森林認証は、適切に管理された森林から産出した木材に加え、再生資源やその他リスクの低い管理された材料を原材料とした製品に認証マークを付与し、生産・加工・流通の全段階で適切に管理することで、持続可能な森林利用と生態系保全を推進する国際的な環境ラベリング制度です。ISCC PLUS認証は、バイオマス原料、廃棄物、再生材などの持続可能な原材料が、サプライチェーン全体で環境的・社会的に適正であることを証明する国際認証制度です。当社はこれらの認証を通じて責任ある調達、資源循環、気候変動対策を強化しています。また、企業価値の向上とステークホルダーへの説明責任の履行にもつなげています。

国内・海外拠点の認証取得の詳細はこちら

コーポレートサイト(環境関連の認証について)

参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/csr/environmentalcertification.html

ESGデータブック

参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/csr/report.html

グリーンビジネスの展開

サステナビリティKPIの進捗

環境に関わる取り組みの進捗を測る指標の一つに「グリーンビジネスの展開」を掲げています。世界各地で脱炭素、資源循環といった環境課題の解決に貢献する商品やサービスを地域特性に応じて展開しています。具体的には脱プラスチック・減プラスチックに資する商品・サービスの提案・提供や、森林認証製品の普及を進めています。

  • KPI:各拠点の定義による環境負荷低減に資する商品やサービスの売上高合計値
  • 単位:百万円
  • 注記:実績のみ
年度 実績
2025年3月期 111,021百万円
2026年3月期 229,176百万円

グリーンビジネス 参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/csr/enviromental/greenbusiness.html

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具体的な取り組み

日本

紙製人工芝「ペーパーターフ®」の拡販を進めています。紙糸を原料とし、生分解性や安全性を有することから、従来のプラスチック製人工芝に代わる選択肢として注目されています。屋外利用に対応した新製品が開発され、用途に応じた活用の幅が広がりました。自治体や公共施設などで導入が進んでおり、環境負荷低減に資する製品として普及拡大に取り組んでいます。 ペーパーターフ®について 参照URL:https://shifton.kpp-gr.com/ojo-turf-lp-001/ 屋外向け紙製人工芝

オセアニア

スパイサーズは環境配慮型製品の選定を支援するカタロ グ「エンバイロンズ」を発行しています。独自の環境基 準を満たし、機能性とデザイン性を兼ね備えた紙・パッ ケージング製品を掲載。顧客は環境性能や用途に応じて 自社ニーズに合う製品を効率的に比較・選定できます。 エンバイロンズについて 参照URL:https://spicers.com.au/blogs/whats-new/environs-volume-3

欧州

アンタリスは製品の環境負荷を評価する独自ツール「グリーンスターシステム™」を展開しています。分かりやすい評価指標とガイダンスを通じて、顧客が用途に応じた環境配慮型製品を選択できる仕組みを提供し、サステナブルな代替製品への転換を支援しています。 グリーンスターシステム™について 紙 参照URL:https://www.antalis.com/papers#Green-star-system パッケージング 参照URL:https://www.antalis.com/packaging#packaging-gss ビジュアルコミュニケーション 参照URL:https://www.antalis.com/visual-communication#vc-green-star-system

サーキュラービジネスの拡大

サステナビリティKPIの進捗

循環型社会の実現に向けて「サーキュラービジネスの拡大」を環境KPIの一つに掲げています。紙の流通と古紙回収で培った知見やネットワークを生かし、主に日本国内で古紙に加え使用済みPETボトルやアルミなどを回収しています。回収から再資源化、再利用までをつなぐ仕組みを構築するとともに、顧客の事業活動から生じる廃棄物を資源として再活用するためのソリューションも提供しています。こうした事業を通じて廃棄物の削減と資源の有効利用を推進しています。

  • KPI:日本全体の古紙回収量に占める当社販売数量の割合
  • 単位:%
  • 算定:古紙再生促進センター統計資料「古紙回収率推移」に示された国内古紙回収量に対して、国際紙パルプ商事単体の古紙販売量が占める割合
年度 実績 目標
2025年3月期 6.8% ―
2026年3月期 7.0% 8.0%
2027年3月期 ― 10.0%
2028年3月期 ― 15.0%

サーキュラービジネス 参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/csr/enviromental/circularbusiness.html

具体的な取り組み

タウンecomo(エコモ)

ecomoシリーズは資源回収の拡大と古紙の安定供給を支える国際紙パルプ商事独自のリサイクルサービスです。家庭の古紙をスーパーなどの回収機に持ち込むと、買い物に使えるポイントが付与される「タウンecomo」は全国で約420台が稼働。2025年からは段ボール、ペットボトル、アルミ缶にも対象を広げ地域の資源循環を促進しています。

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GHG排出量削減

サステナビリティKPIの進捗

当社は、気候変動による事業への影響を重要な課題と認識しており、2022年6月に賛同したTCFD提言に基づきガバナンス、戦略、リスク管理および指標と目標を開示しています。また、2023年1月に加盟した経済産業省主導のGXリーグの後継となるGXフューチャーコンソーシアムに継続的に参加しています。2050年目標、2030年目標に加えて現中期経営計画期間を対象としたグループ全体の目標を設定し、日本・欧米・オセアニアの各地域で温室効果ガス(GHG)排出量削減の取り組みを推進しています。

情報開示の信頼性向上に向け、Scope1,2については2025年3月期および2026年3月期のGHG排出量に対し、独立した第三者による保証を取得しています。なおScope3の2025年3月期および2026年3月期の実績は新たな算定ロジックに基づく数値です。

  • KPI:GHG排出原単位の削減率
指標 範囲 目標 前年度 2026年3月期
GHG排出原単位 グループ全体 ― 0.0322 0.0304
前年比削減率 グループ全体 3.3%減 ― 5.5%減
  • 注記1:GHG排出原単位(t-CO2e/百万円)=グループ全体のGHG排出量(t-CO2e)÷グループ全体の売上高(百万円)
  • 注記2:前年比削減率は2026年3月以降に適用される新規KPIのため、2025年3月期の実績はありません。

TCFD開示について 参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/csr/enviromental/climatechange/TCFD.html

GHG排出量削減実績
KPPグループのGHG排出量(Scope1,2:自社からの排出)
  • 単位:t-CO2e
GHG排出量のScope 範囲 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
Scope1 グループ全体 11,334 10,595 9,704
Scope2 グループ全体 9,493 10,966 10,075
Scope1,2合計 グループ全体 20,827 21,560 19,780
  • 注記1:Scope2はマーケット基準で算定。
  • 注記2:2025年3月期および2026年3月期のGHG排出量については、独立した第三者による保証を受けています。
KPPグループのGHG排出量(Scope3:サプライチェーンからの排出)
  • 単位:t-CO2e
GHG排出量のScope 範囲 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
Scope3 グループ全体 1,059,726 12,702,770 14,191,496
  • 注記3:2024年3月期はKPPグループホールディングス、国際紙パルプ商事を算定範囲とした旧算定ロジックによる参考値です。2025年3月期および2026年3月期の実績は新算定ロジックによる値です。

GHG排出量削減についてはESGデータブックにて詳細に開示しています。 参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/csr/report.html

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具体的な取り組み

当社グループの各拠点では、地域特性を踏まえてGHG排出量の削減に取り組んでいます。 2026年3月期は、当社グループ全体のScope1,2の排出量を、前年比で約1,780トン削減しました。重点施策は、LED照明の導入、車両の電動化、軽油代替燃料の使用、再生可能エネルギーの導入、物流効率化などが挙げられ、ESG委員会のガバナンス体制の下、各拠点に最も適していると判断した方法を採用し、モニタリングを行っています。 また、サプライチェーンにおける排出量の削減に向けた検討にも着手しています。

北東アジア

北東アジア地域からのGHG排出量は、前年比で約240トン削減しました。LED照明の導入、車両の電動化、軽油代替燃料の使用、再生可能エネルギーの導入、物流効率化などを推進しており、2026年3月期には、東京本社への再生可能エネルギー導入や物流における使用燃料削減等を推進しました。

欧州/米州

欧州/米州地域からの排出量は、前年比で約1,670トン削減しました。LED照明の導入や再生可能エネルギーへの切り替え、物流における使用燃料の削減を推進しています。

アジア/オセアニア

LED照明の導入、車両の電動化、再生可能エネルギーの導入を推進しました。また、カーボンオフセットも推進しており、オーストラリアでは環境NPOのGreenfleetと連携してカーボンクレジットを調達することにより、サプライチェーン全体を通じたGHG排出量の低減に努めています。しかしながら、当地域における事業拡大に伴い、GHG排出量は前年比で約130トン増加しました。

生物多様性

生物多様性保全につながる環境負荷の低減は、企業として取り組むべき責務です。さらに、当社グループにとって森林資源は重要な事業基盤であり、森林における健全な生態系の維持を目指す必要があります。こうした当社グループの姿勢について、2026年3月期にはグループ全体を対象とする「生物多様性方針」を定め、コーポレートサイトに開示しました。

-生物多様性方針 参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/csr/enviromental/enviromental.html

グループ全体:森林認証

当社グループでは、適切に管理された森林から原材料を調達するため、森林認証品の取り扱いを拡大しています。2026年3月期の実績では、グループ全体で55社が森林認証を取得しています。国際紙パルプ商事が販売する紙・板紙の45.3%が森林認証品であり、その割合は継続的に拡大しています。欧米を中心に事業を展開するアンタリスは、ESG戦略において森林および生物多様性の保全を重要課題と位置付けています。森林認証を取得した原材料を優先的に調達し、持続可能な森林管理を推進するとともに、戦略的サプライヤーに対してはトレーサビリティや合法性を含む厳格な環境基準を適用しています。また、環境NGOや認証機関と連携し、持続 可能な調達の強化と生態系のレジリエンス向上に取り組んでいます。

日本:30by30アライアンスとアファンの森

当社グループは、環境省主導の「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画し、2030年までに陸域・海域の30%以上を健全な生態系として保全する国際目標の達成に貢献する活動を展開しています。2015年よりC.W.ニコル・アファンの森財団を支援し、2024年には南エリアの一部約3.54ヘクタールを「Afan KPPの森」として同財団と共同で整備を開始しました。放置林の再生に加え、生物多様性調査や環境教育を実施しており、30by30目標の達成に資するネイチャーポジティブの実践事例となっています。

  • 写真キャプション:アファンの森 Photo by David Martin

オセアニア:コアラ病院

オーストラリアのパッケージ事業会社であるSignetは、豪州マグネティック島の非営利団体「コアラ病院」との連携を通じ、在来野生生物の保護に貢献しています。同病院は、病気や負傷、孤児となったコアラの救護・治療・リハビリを担う北クイーンズランド州唯一の施設であり、地域社会の支援により運営されています。Signetはコアラの救護活動や保全の重要性を発信するウェブシリーズ制作を行い、認知向上と資金調達を支援するとともに、施設改修への資金提供により医療体制の強化と受入能力の拡充にも寄与しています。

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社会

人的資本経営の推進

基本的な考え方

当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現する上で、人的資本をホールディングス体制の下で事業の自律性とグループシナジーを両立させるための最重要の経営資源の一つと位置付けています。KPPグループウェイの基本理念に基づき、従業員一人ひとりが自律的に考え、挑戦と変革を通じて価値を創出し続けることが、競争優位の源泉であると認識し、人事制度・人材育成・処遇の改善および改革を進めていく方針です。

2022年10月にホールディングス体制へ移行して以降、事業環境や事業展開地域の異なる複数の事業会社から構成されるグループとして、事業の自律性とグループシナジーの両立を経営上の重要テーマとしています。人的資本に関しても、各事業地域統括会社の特性を尊重しつつ、グループ全体としての価値創出力を高める観点から、段階的な連携と高度化を図ることを基本方針としています。

サステナビリティKPIの進捗

第4次中期経営計画期間における、人的資本経営に関連するサステナビリティKPIと実績は、次の通りです。当社グループは、持続的な成長と企業価値向上を支える人的資本の強化に向け、「人材育成」「エンゲージメント向上」「労働安全」を重要指標として設定しています。人材育成は従業員の能力向上を、エンゲージメント向上は従業員の意欲と組織力の向上を、労働安全は安心して能力を発揮できる職場基盤の確保を示すものです。これらの向上を通じて、人的資本価値の最大化と持続的な企業価値向上を目指します。

人的資本経営に関するサステナビリティKPI
KPI項目 定義 目標 前年度 2026年3月期
人材育成 従業員1人当たり教育時間=教育時間総計÷従業員数 前年比増 1人当たり7.4時間※1 1人当たり10.2時間
エンゲージメント 各社エンゲージメント調査結果のポイント増減×各社従業員数÷グループ全従業員数 前年比0.3ポイント増加 ― 5.3ポイント増加※2
労働安全 LTIFR=休業災害発生件数÷総労働時間×1,000,000 前年比減 3.647 2.441
  • 注記1:対象:KPPグループホールディングス、国際紙パルプ商事単体、アンタリスおよびアンタリスの連結子会社
  • 注記2:対象:KPPグループホールディングス、国際紙パルプ商事単体、スパイサーズおよびスパイサーズの連結子会社
人事戦略

中長期的な成長戦略の実行力を高める観点から、当社グ ループの人事戦略は次の3点を柱として構成しています。

多様な人材が活躍できる人材ポートフォリオの構築 役割・成果・行動に基づく公正かつ透明な評価と処遇 中長期的な成長を支える人材育成と組織基盤の強化

これらを実現するため、当社および北東アジア地域の事業地域統括会社である国際紙パルプ商事では、2027年3月期より日本国内に新人事制度を導入し、年齢や勤続年数に依存しない公正な登用と、専門性・経験・役割に応じた多様なキャリア形成を可能とする人材ポートフォリオの構築を進めていく方針です。海外の事業地域統括会社については、各地域・市場環境・事業特性を踏まえた独自の人事制度・人事戦略の下、対応を進めています。

グループ横断での人事施策を段階的に拡充するため、現 在、3つの事業地域統括会社間において定期的な人事機能連絡会を開催し、人材交流や従業員エンゲージメントなどについて共同施策の検討を進めています。人材交流についてはすでに一定の実績があり、人材育成を通じた各事業の競争力強化と、グループ横断での知見共有によるシナジー創出の両立を目的として、推進および拡充を検討しています。

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従業員の給与・報酬

当社グループは、従業員の給与・報酬について、企業価値向上への貢献に報いるとともに、従業員が安心して挑戦できる処遇水準を確保することを基本方針としています。報酬制度は、短期的な成果のみならず、中長期的な成長や人材育成への貢献を適切に評価・反映する仕組みとして設計しています。

報酬決定の基本方針
  • 担う役割・責任の大きさに応じた処遇
  • 成果および成果を生み出す行動・プロセスの評価
  • 外部労働市場水準を踏まえた採用・定着競争力の確保
  • グループ全体の持続的成長を支える人材投資の視点

当社および国際紙パルプ商事における男女間の賃金差異等については、職群・等級別人員構成の違い等に起因する構造的要因を踏まえつつ、引き続き重要な経営課題として認識しています。海外の事業子会社については、各国・地域の労働市場、法制度、報酬水準、労働慣習や事業環境があり、各社が現在まで築いてきた独自の給与・報酬制度に基づき運用しています。将来的なグループシナジー創出に向け、事業子会社間での基幹人材の育成・ローテーションを視野に、基幹人材に対する評価・報酬の考え方についても、グループ視点での検討を段階的に進める予定です。なお、海外と国内の報酬には地域性、歴史、考え方などさまざまな差異があることから、報酬制度の調整や一部共通化については中長期的な課題と位置付け、慎重に検討を進めていきます。

新たな人事制度が始動
  • 所属・役職:国際紙パルプ商事 人事部長
  • 氏名:塩原一倫 当社および国際紙パルプ商事は、短期・中長期の経営戦略やミッション・ビジョン・バリューの実現、人的資本経営の深化に向け、2027年3月期より新たな人事制度を導入しました。期待役割を基軸とした等級・評価・報酬制度により、公正な処遇と挑戦を後押しするとともに、マネジメント人材および高度専門人材の育成を推進しています。併せて活躍を後押しするための育成プログラムを拡充しています。変化の激しい事業環境において持続的な成長を実現するためには、人材の力を最大限に引き出すことが不可欠です。今後、多様な人材が自律的に成長し、組織と個人がともに価値を創出する企業文化の醸成を目指していきます。
高いエンゲージメントを力に、成長機会を広げる
  • 所属・役職:アンタリスグループ 人事本部長
  • 氏名:Eva Campo 2025年末に実施した従業員意識調査では、アンタリスグループ全体における強みと今後の課題を把握するための貴重な示唆が得られました。回答率は73%、エンゲージメント率は80%となり、各地域・各組織において従業員の高い参画意識が確認できました。この結果を踏まえ、従業員一人ひとりの成長を支援し、組織全体の力を高める施策を順次進めています。特にラーニング&ディベロップメントの領域では、ビジネススクールと連携した「Antalis Leading the Future」プログラムを刷新したほか、メンターシッププログラムを開始し、従業員向けの新たな研修カタログの整備にも取り組んでいます。
中堅リーダー層の育成に向けた新プログラムを開発
  • 所属・役職:スパイサーズグループ 人事本部長
  • 氏名:Katherine Woodman スパイサーズは2026年7月、中堅リーダー層を対象とした新たな人材育成プログラムを開始しました。本プログラムは、従業員意識調査で寄せられた声や人事評価プロセスを通じて明らかになった育成課題に加え、2025年にミドルリーダー層を対象として実施した人材アセスメントの結果を踏まえて開発されました。特に強化すべきリーダーシップ領域として、新プログラムではコーチングを通じた対話、従業員の意欲と主体性を引き出すマネジメント、建設的な対話の実践に重点を置いています。現在、ミドルリーダーおよび次世代リーダー候補100名以上が参加しており、2027年半ばまで実施される一連のワークショップを通じて学びを深めていく予定です。

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ダイバーシティの推進

当社グループでは、性別・年齢・職掌・障がいの有無・国籍などの区分なく、全ての従業員がそれぞれの能力を最大限に発揮し、活躍できる組織づくりを目指しています。その実現に向け、事業を展開する各国・地域において、多様性の確保とインクルーシブな職場環境づくりに向けた取り組みを進めています。

国内では、人材育成および多様性推進に関する各種施策を継続してきた結果、2026年3月期において、女性管理職比率や女性総合職比率、総合職における女性採用比率の水準維持・改善、従業員一人当たりの研修時間および研修費用の確保など、多様な人材の活躍と能力開発に関する指標の維持・改善が見られました。なお、2027年3月期からは総合職と一般職を「プロフェッショナル職群」として統合し、女性社員をはじめとする多様な人材がより主体的にキャリアを形成し、能力を発揮できる制度へと見直しました。

国内主要会社の多様性指標と人材育成指標
指標 対象会社 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
女性管理職比率 KPPグループホールディングス 13.6% 16.7% 23.0%
女性管理職比率 国際紙パルプ商事 2.9% 3.3% 4.3%
女性総合職比率 KPPグループホールディングス 30.7% 30.3% 30.3%
女性総合職比率 国際紙パルプ商事 11.7% 15.4% 18.1%
総合職における女性採用比率 KPPグループホールディングス ― 0.0% 75.0%
総合職における女性採用比率 国際紙パルプ商事 41.7% 60.8% 38.5%
障がい者雇用率 KPPグループホールディングス 3.4% 5.4% 5.4%
障がい者雇用率 国際紙パルプ商事 2.7% 2.3% 2.2%
従業員一人当たりの研修時間 KPPグループホールディングス 10.9時間 12.6時間 13.9時間
従業員一人当たりの研修時間 国際紙パルプ商事 10.0時間 10.8時間 12.9時間
従業員一人当たりの研修費用 KPPグループホールディングス 38,000円 42,000円 56,350円
従業員一人当たりの研修費用 国際紙パルプ商事 28,000円 30,000円 35,345円
労働安全衛生

当社グループでは、下記の基本方針に基づき、グループ各社が労働安全衛生に関わる取り組みを推進しています。第4次中期経営計画期間においては、労働安全に関するサステナビリティKPIとしてLTIFR(労働災害度数率=休業災害件数÷労働時間数×1,000,000)の毎年の減少を掲げています。

KPPグループ労働安全衛生と健康に関する基本方針

当社は「KPPグループウェイ」のもとにKPPグループで働く全ての従業員が幸せで活力ある企業であり続けるために、従業員一人ひとりの「安全」と「健康」を確保し、快適で働きやすい職場環境を整備することが重要であると考えております。 KPPグループでは、この基本方針のもと、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進し、KPPグループ全体で労働安全衛生に取り組んでいます。

適用範囲

本方針は、KPPグループの事業活動に関わる労働者(全ての従業員、派遣社員、請負業者、委託業者、個人 事業主など)に適用されます。

法令遵守

労働安全衛生・健康に関する各国・各地域の法令を遵守します。

日本での取り組み

毎年従業員のストレスチェックを実施し、潜在的なストレスの早期発見やストレスが少ない職場環境づくりに役立てています。

2026年3月期ストレスチェック結果

対象会社 実施率(目標:95%以上) 高ストレス者割合(目標:10%以下) 総合健康リスク数値(目標:120未満)
KPPグループホールディングス 92.30% 13.9% 84
国際紙パルプ商事 91.30% 11.6% 99
  • 注記:総合健康リスク数値が120以上の場合、職場環境に何らかの問題が生じていると考えられる。

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人権の尊重

基本的な考え方

当社は、ミッションである「循環型社会の実現に貢献する」を推進するための指針として「KPPグループ憲章」を定め、全ての人々の人権を尊重し、人種、性別、宗教、信条などによるいかなる差別も行わないことを基本方針としています。この理念を具体化するため、当社は2024年3月に、国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく「KPPグループ人権方針」を制定しました。本方針は、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)およびISSB(国際サステナビリティ基準審議会)の開示基準を参照し、国際的な人権尊重の枠組みに沿ったものです。全ての役員・従業員は、この人権方針に基づき、バリューチェーン全体において人権尊重の責務を果たすことが求められています。また、当社は人権デューデリジェンスを実施し、強制労働や児童労働の防止、労働安全衛生の確保、差別の排除などの課題に対応しています。さらに、取引先やパートナー企業にも同様の基準を求め、サプライチェーン全体で人権の尊重に努めています。

KPPグループ人権方針 参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/csr/society/humanrights.html

具体的な取り組み

2026年3月期に、国内子会社の海外生産拠点を対象に人権デューデリジェンスを実施しました。併せて、国内の主要なサプライヤー5社にも調査を実施し、いずれにおいても問題がないことを確認しています。また、森林認証の適用範囲では規格要求事項に基づき内部監査にて、委託先を含め中核的労働要求事項の順守状況を確認しています。

サプライチェーンデューデリジェンスについて 参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/csr/governance/supplychainduediligence.html

地域社会との共生

KPPグループは事業活動や社会貢献活動を通じてステークホルダーとの対話を深め、地域社会の持続的な発展を支えています。

日本:東京モード学園との産学連携プロジェクト

当社グループの王子ファイバーは、東京モード学園との産学連携企画を実施しました。同学園の 学生が同社の「かみのいとc」を使った作品を制作し、2025年10月開催の「FaW TOKYO第16回ファッションワールド東京 秋」の国際紙パルプ商事ブースで展示。来場者による投票も行いました。次世代のデザイナーたちが環境負荷の低い紙糸の可能性を探求し、新しいファッションとして提示したことで、OJO+の魅力と持続可能なものづくりを伝える機会となりました。

各作品の詳細はこちら 参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/news/news/news20251020.html

オセアニア:地域と連携した包摂的なサプライチェーンの構築

当社グループのSignet(豪州)は、障がいのある人々に雇用機会を提供するクイーンズランド州のHelp Enterprisesと提携し、倉庫での再梱包業務や包装・組立業務などを委託しています。この取り組みは、障がいのある人々のスキル向上や自立支援につながるとともに、顧客への価値提供も両立するものであり、包摂的なサプライチェーンの構築に貢献しています。

取り組みの動画はこちら 参照URL:https://www.youtube.com/watch?v=qvtYozN4Y5s

欧州:従業員の消防団活動を支え、地域社会の安全に貢献

当社グループのAntalis Verpackungen(ドイツ)は、地域社会の安全を支える活動の一環として、消防団に所属する従業員が活動しやすい環境づくりを進めています。消防団員である従業員が勤務時間中に緊急出動できる体制を整備するなど、地域防災への貢献が評価され、 ラインフェルデン・エヒターディンゲン市から「消防団パートナー企業」に認定されました。2026年2月には市長と消防署長が来社し、認定証の授与が行われました。

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ガバナンス

マネジメント体制

  • 写真:紙製人工芝「ペーパーターフ®」を活用した 当社キャンピングオフィスショールームにて撮影

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役員体制
  • 基準日:2026年6月現在
  • 取締役会への出席状況の対象期間:2026年3月期
田辺 円
  • 地位・担当:代表取締役会長
  • 取締役在任期間:22年
  • 所有株式数:70,000株
  • 略歴
    • 2013年:代表取締役社長
    • 2015年:代表取締役社長執行役員CEO
    • 2020年:代表取締役会長 兼 CEO
    • 2025年:代表取締役会長(現任)
  • 重要な兼職の状況
    • 国際紙パルプ商事株式会社 取締役
  • 選任理由
    • 2012年6月より代表取締役として経営全般に携わり、経営者としての豊富な経験を有し、その強いリーダーシップと決断力で中長期戦略を推進し、グローバルに事業展開を実施するなど当社グループを牽引しているため。
  • 取締役会への出席状況:14回/14回
坂田 保之
  • 地位・担当:代表取締役社長 兼 CEO
  • 取締役在任期間:3年
  • 所有株式数:30,000株
  • 略歴
    • 2023年:取締役 副社長管理管掌
    • 2024年:代表取締役社長 兼 COO
    • 2025年:代表取締役社長 兼 CEO(現任)
  • 重要な兼職の状況
    • 国際紙パルプ商事株式会社 取締役
  • 選任理由
    • 事業戦略室長、Antalis S.A.S. Deputy CEO兼CFOを歴任し、M&Aや海外子会社の経営管理で豊富な経験と実績を有する。2024年6月より代表取締役としてグローバルな視点でリーダーシップと決断力を発揮し、当社グループを牽引しているため。
  • 取締役会への出席状況:14回/14回
デイビッド・マーティン
  • 地位・担当:取締役
  • 取締役在任期間:2年
  • 所有株式数:―
  • 略歴
    • 2024年:取締役(現任)
  • 重要な兼職の状況
    • Spicers Limited Chief Executive Officer
  • 選任理由
    • スパイサーズ社CEOとして中核となる商業印刷分野で収益源を確保するとともに、新市場や買収機会の発掘などにより多様な事業を発展させており、多くの地域や市場で豊富な経験と経営者としての実績を有するため。
  • 取締役会への出席状況:12回/14回
エルベ・ポンサン
  • 地位・担当:取締役
  • 取締役在任期間:2年
  • 所有株式数:―
  • 略歴
    • 2024年:取締役(現任)
  • 重要な兼職の状況
    • Antalis S.A.S. Chief Executive Officer
  • 選任理由
    • 欧州、米州を中心に事業展開するアンタリス社のCEOとして商業印刷分野での収益確保を図りつつ、強いリーダーシップで事業ポートフォリオの転換を推し進めるなど、経営者として豊富な経験と実績を有するため。
  • 取締役会への出席状況:14回/14回
小馬井 秀臣
  • 地位・担当:取締役
  • 取締役在任期間:1年
  • 所有株式数:26,100株
  • 略歴
    • 2025年:取締役(現任)
  • 重要な兼職の状況
    • 国際紙パルプ商事株式会社 代表取締役 社長執行役員
  • 選任理由
    • 営業部門での実績を積み重ね、執行役員就任後は経営企画本部長、IT業務統括本部長、人事本部長を歴任し、長期経営ビジョン「GIFT 2024」の実現に向け株式上場、中期経営計画の策定、基幹系システムの開発、人事制度や役員報酬の改革などを主導。2025年6月からは国際紙パルプ商事株式会社の代表取締役として経営全般に携わり、強いリーダーシップと決断力で経営を牽引しているため。
  • 取締役会への出席状況:10回/10回
    • 注記:2025年6月就任後
矢野 達司
  • 地位・担当:社外取締役
  • 属性
    • 社外
    • 独立
  • 取締役在任期間:7年
  • 所有株式数:―
  • 略歴
    • 2019年:当社社外取締役(現任)
    • 2019年:マニー株式会社 社外取締役
  • 選任理由
    • 事業会社(商社、製造会社)において長年にわたり海外ビジネスに携わるとともに役員を歴任。M&A、PMI、事業再編、事業再構築を図る上で豊富な経験を有しており、取締役会においてグローバルかつ客観的な視点から経営全般に係る積極的な助言・提言が期待できるため。
  • 取締役会への出席状況:14回/14回
伊藤 三奈
  • 地位・担当:社外取締役
  • 属性
    • 社外
    • 独立
  • 取締役在任期間:5年
  • 所有株式数:―
  • 略歴・重要な兼職の状況
    • 2020年:ZENMONDO株式会社設立 代表取締役(現任)
    • 2021年:当社社外取締役 監査等委員
    • 2022年:当社社外取締役(現任)
    • 2024年:ダイドーグループホールディングス株式会社 社外取締役(現任)
    • 2024年:Mina Arai-Ito外国法事務弁護士事務所設立 所長(現任)
    • 2025年:株式会社ノーリツ 社外取締役 監査等委員(現任)
  • 選任理由
    • 国際弁護士として企業法務全般に精通し、M&A、グローバルビジネス戦略、経営支援で豊富な経験を有する。社会課題の解決を使命とする会社経営者としての実績も備え、取締役会ではグローバルかつ客観的な視点から経営全般への積極的な助言・提言を行い、今後もコーポレートガバナンスの強化と業務執行の監督が期待できるため。
  • 取締役会への出席状況:14回/14回
中川 直樹
  • 地位・担当:取締役 監査等委員
  • 取締役在任期間:1年
  • 所有株式数:―
  • 略歴
    • 2025年:取締役 監査等委員(現任)
  • 選任理由
    • 株式上場に向けた内部管理体制の強化やスパイサーズおよびアンタリス買収後のJ-SOX導入と内部監査のグローバル対応を通じてガバナンス強化に貢献。米国公認会計士資格を有し、豊富な専門知識と経験に基づく適切な監査・監督が期待できるため。
  • 取締役会への出席状況:10回/10回
    • 注記:2025年6月就任後
片岡 詳子
  • 地位・担当:社外取締役 監査等委員
  • 属性
    • 社外
    • 独立
  • 取締役在任期間:4年
  • 所有株式数:―
  • 略歴・重要な兼職の状況
    • 2020年:株式会社コーチ・エィ 取締役 監査等委員(現任)
    • 2022年:当社社外取締役 監査等委員(現任)
    • 2023年:株式会社ディ・アイ・システム 社外取締役 監査等委員(現任)
  • 選任理由
    • 弁護士の資格を持ち複数企業の企業内法務部門のリーダーを歴任し、M&Aに関する機関決定や契約の支援業務に精通。取締役会ではグローバルかつ客観的な視点からコーポレートガバナンスや経営への助言を行い、今後も独立した立場から業務執行の監査・監督が期待できるため。
  • 取締役会への出席状況:14回/14回
工藤 陽子
  • 地位・担当:社外取締役 監査等委員
  • 属性
    • 社外
    • 独立
  • 取締役在任期間:1年
  • 所有株式数:―
  • 略歴・重要な兼職の状況
    • 2022年:ソフトバンク株式会社 社外監査役(現任)
    • 2025年:当社社外取締役 監査等委員(現任)
    • 2026年:NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社 社外取締役 監査等委員(現任)
  • 選任理由
    • 米国公認会計士資格を有し、監査法人のシニアパートナーを務め、また日系企業のほか米国上場企業の監査や自動車大手のリストラに関わる会計コンサルティング業務など専門性に基づく豊富な業務経験と実績を有する。社外取締役・監査役としての実績もあり、独立した立場から適切に業務執行の監査・監督が期待できるため。
  • 取締役会への出席状況:10回/10回
    • 注記:2025年6月就任後
スキルマトリックス
氏名 指名委員会 報酬委員会 企業経営 国際性 事業戦略 財務・会計 法務・リスク管理 ESG/サステナビリティ IT/デジタル 人事・労務
田辺 円 ― 委員長 ● ● ● ― ― ● ― ●
坂田 保之 委員長 ― ● ● ● ● ― ― ― ―
デイビッド・マーティン ― ― ● ● ● ― ― ― ● ●
エルベ・ポンサン ― ― ● ● ● ― ― ― ● ●
小馬井 秀臣 ― ― ● ― ● ― ● ― ● ●
矢野 達司 委員 ― ● ● ● ― ● ― ― ―
伊藤 三奈 ― 委員 ● ● ― ― ● ● ― ―
中川 直樹 ― ― ― ― ― ● ● ― ― ―
片岡 詳子 委員 ― ― ― ― ― ● ● ― ―
工藤 陽子 ― 委員 ― ● ― ● ― ― ― ―

PDF掲載ページ:43

社外取締役インタビュー

既存事業の反転、収益性向上に正面から向き合う
  • 氏名:矢野 達司
  • 地位・担当:社外取締役
  • 委員会:指名委員

略歴

  • 1974年4月:株式会社トーメン入社

  • 2003年6月:同社執行役員北米総支配人

  • 2006年4月:三洋化成工業株式会社理事(転籍)

  • 2006年6月:同社取締役兼執行役員

  • 2010年6月:同社取締役兼常務執行役員

  • 2012年6月:同社取締役兼専務執行役員

  • 2016年6月:同社顧問

  • 2018年6月:同社退職

  • 2019年6月:当社社外取締役(現任)

  • 2019年11月:マニー株式会社社外取締役

  • 基準日:2026年6月時点

第4次中期経営計画の初年度は、利益面で厳しい結果となりました。既存の紙事業は、欧州地域をはじめ、3事業地域統括会社とも、需要の減退・市況の影響により減益となりました。一方、M&Aによる新たな収益基盤の獲得は、既存事業の落ち込みを補う上で一定の効果を発揮しており、事業ポートフォリオの変革は着実に進んでいます。ただし、その成果が数字として十分に表れているとは言えません。見え始めた収益構造の変化を、定量的な成果として示していくことが2年目、3年目の重要な課題になります。

収益性に課題があるものの、利益の多くは既存の紙事業から生み出されています。ここを反転させ、収益性を向上させないと全体の収益性を高めることは難しいでしょう。私も石油化学業界で同様の構造改革に直面した経験がありますが、既存事業を反転させるには、従来の仕組みを見直し、新しい事業モデルへと作り替えることが必要です。営業利益200億円という目標を実現するためには、M&Aというインオーガニック成長のみに頼らず、オーガニック成長、すなわち、既存事業の収益性の向上に正面から取り組むことが不可欠です。

私が社外取締役に就任した2019年から、当社は海外事業の拡大へと大きく舵を切りました。それに伴いリスク管理とPMIの重要性は一段と高まっています。私はこれまで海外事業に長く関わる中で、成功事例だけでなく、表に出ない失敗事例も数多く見てきました。当社の持株会社体制のもとでは、事業地域統括会社を通じて多くの子会社を統率・監督する必要があります。失敗や不祥事は目の届きにくいところで起こり ます。常に誰かが見ている体制をつくり、買収した会社を良い方向へ変えていく、そうした点について、経験を踏まえて問題点を見つけ、助言することが私の役割の一つだと考えています。2024年からスパイサーズのマーティンCEO、アンタリスのポンサンCEOの両名が取締役に選任され、取締役会での議論がより多角化し、深化しました。取締役会への提案や報告内容を見ても、IT、サステナビリティ、調達、販売などの分野で3事業地域統括会社との連携が充実し、買収後のPMIの現場においても担当社員のグローバルコミュニケーショ ン能力が飛躍的に向上していることがうかがえます。持株会社体制への移行を契機に、グループ経営を推進してきたことがこうした改善につながっていると評価しています。

PDF掲載ページ:44

攻めの成長を支える、強固なリスクマネジメントを
  • 氏名:伊藤 三奈
  • 地位・担当:社外取締役
  • 委員会:報酬委員

略歴

  • 1996年6月:ベーカー&マッケンジー法律事務所入所

  • 2004年1月:同事務所パートナー

  • 2020年1月:同事務所特別顧問

  • 2020年5月:ZENMONDO株式会社設立 代表取締役(現任)

  • 2020年6月:株式会社シーボン社外監査役

  • 2021年6月:当社社外取締役 監査等委員

  • 2022年6月:当社社外取締役(現任)

  • 2024年4月:ダイドーグループホールディングス株式会社 社外取締役(現任)

  • 2024年5月:Mina Arai-Ito外国法事務弁護士事務所設立 所長(現任)

  • 2025年3月:株式会社ノーリツ社外取締役 監査等委員(現任)

  • 基準日:2026年6月時点

事業の収益力強化や資本効率の向上など、投資家目線に立った経営へと重心が移ってきている点を評価しています。PBRの改善は、短期的な株価向上施策によるものではなく、中長期的な企業価値向上の結果として実現されるものです。取締役会では投資案件を事業としての魅力だけでなく、ROICなど資本効率の改善や株主価値への影響も含めて一体的に議論する機運が生まれています。執行側からの報告も多面的になってきており、我々社外取締役が提起した意見に対して次の取締役会で迅速にレスポンスが示される場面も多く、執行と監督の間に健全な緊張感と実効性が生まれています。

成長投資を企業価値向上へとつなげるためには、リスクを適切に見極め、管理する仕組みが不可欠です。私は国際弁護士としてクロスボーダー取引や海外事業におけるリスクに長く向き合ってきました。その経験からも、グローバルに事業を展開する企業にとってリスク管理とガバナンスの高度化は今後さらに重要になると実感しています。当社の強みは世界各地域に事業基盤を持ち、多様な商材や顧客・サプライヤーのネットワークを構築していることで、それは事業リスクの分散にもつながっています。買収によりグループに参画した会社の独自の強みを尊重しつつも、リスクマネジメント上外せない部分については、グループとして一本筋を通すことが肝要です。ガバナンスを経営基盤そのものと捉え、グループ全体、特に海外を含めたリスクの可視化と継続的なモニタリングを進めていく必要があります。当社のガバナンスは着実に高度化していますが、完成形はありません。

6月まで指名委員を務めた立場から、長期経営ビジョン「GIFT 2030」の実現には、経営戦略と人材戦略の連動が不可欠であると考えています。誰を採用し、誰が経営の要職を担うのかは、経営戦略と密接に結びついているべきです。特に当社のようなグローバル企業では単なる専門性だけでは不十分で、多様な文化や価値観を理解し、経営環境の変化が一段と速まる中でリーダーシップを発揮できる人材が必要です。将来の経営を担う人材の育成・登用については、グローバル化のスピードが上がり始めた今、国内外に幅広い人材プールを構築し、計画的に育成していく仕組みが鍵になると考えています。

PDF掲載ページ:45

監査と指名をつなぎサクセッションの実効性を高める
  • 氏名:片岡 詳子
  • 地位・担当:社外取締役 監査等委員
  • 委員会:指名委員

略歴

  • 1998年4月:弁護士登録

  • 2001年10月:松下電器産業株式会社(現パナソニックホールディングス株式会社)法務本部

  • 2007年11月:株式会社ファーストリテイリング法務部リーダー

  • 2012年11月:株式会社(現合同会社)ユー・エス・ジェイ法務部長

  • 2018年1月:株式会社コーチ・エィ法務・内部統制マネージャー

  • 2019年12月:株式会社ディ・アイ・システム社外取締役

  • 2020年3月:株式会社コーチ・エィ取締役 監査等委員(現任)

  • 2021年8月:プライムロード株式会社社外監査役(現任)

  • 2022年6月:当社社外取締役 監査等委員(現任)

  • 2023年12月:株式会社ディ・アイ・システム社外取締役 監査等委員(現任)

  • 基準日:2026年6月時点

第4次中期経営計画の達成に向け、報酬委員会メンバーとして業績連動型株式報酬の見直しを進めました。役員報酬の制度設計は、会社がどのような価値創造を重視しているのかを社内外に示すメッセージでもあります。本中計では役員報酬における非財務指標の比重を高めるとともに、GHG排出量削減や従業員エンゲージメントといった測定可能なKPIを明示しました。さらに市場評価を反映する相対TSRも加えることで、中長期的な企業価値向上を意識した制度へブラッシュアップしました。

2026年からは指名委員会のメンバーに就任しました。かねてより監査等委員である社外取締役が指名委員会に参画することの意義を提言してきたこともあり、私自身がその役割を担うこととなったものです。監査等委員会は常勤監査等委員を通じて独自の情報を得ることができ、また定期的な開催を通じて経営状況を継続的に把握しています。こうしたモニタリングを通じて得られる知見を候補者評価や後継者計画の議論に反映することで、指名機能の実効性向上を目指します。今後は、透明性のあるサクセッションプロセスの整備が重要なテーマになると考えています。

取締役会ではグローバルな投資案件が多数取り上げられ、活発な議論が行われています。M&Aの検討にあたっては、投下資本収益性や資本効率を意識したいくつかの明確な数値基準を設け、それに基づいて個々のケースを評価しています。多数の投資案件に取り組む上では一定の判断基準を持つことが不可欠ですが、その数値基準を絶対視しないこともまた重要です。取締役会では数値基準を踏まえつつも、案件ごとの戦略的意義や将来性についてオープンに議論し、必要に応じて柔軟な判断ができている点が強みであると思います。

紙業界は構造的な変化の中にあり、今後全てのプレーヤーが長期的に生き残れるわけではありません。誰が変化を先取りし、再編の動きを成長機会へと転換できるのかが問われています。この変革期において、当社は積極果敢にグローバルなM&Aに取り組んでおり、それに伴う難易度の高いPMIやリスクにも向き合っています。長年企業法務の現場であらゆるトラブルに対処してきた経験やリスクに対する嗅覚を生かし、社外取締役として貢献したいと思います。

PDF掲載ページ:46

投資の成果を厳しく検証し、資本効率の向上を促す
  • 氏名:工藤 陽子
  • 地位・担当:社外取締役 監査等委員
  • 委員会:報酬委員

略歴

  • 1982年4月:大成火災海上保険株式会社(現損害保険ジャパン株式会社)入社
  • 1993年9月:プライスウォーターハウス(現プライスウォーターハウスクーパース)入所
  • 1996年1月:カリフォルニア州公認会計士登録
  • 1996年12月:アーンスト・アンド・ヤング入所
  • 2005年4月:新日本監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)出向
  • 2006年1月:同法人転籍
  • 2006年5月:同法人特定社員(プリンシパル)
  • 2012年7月:同法人特定社員(シニアプリンシパル)
  • 2020年7月:同法人品質管理本部非監査契約審査部長
  • 2022年6月
    • ソフトバンク株式会社 社外監査役(現任)
    • 中部電力株式会社 社外取締役
  • 2023年6月
    • 公益財団法人日本オリンピック委員会 監事(現任)
    • 公益財団法人東京2025世界陸上財団 監事(現任)
  • 2025年4月:一般財団法人ASICS Foundation 監事(現任)
  • 2025年6月
    • 公益財団法人日本バレーボール協会 理事(現任)
    • 当社社外取締役 監査等委員(現任)
  • 2026年3月:NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社 社外取締役 監査等委員(現任)

第4次中期経営計画においてグローバルネットワークの強化や、事業ポートフォリオの最適化を進める方向性は適切と評価しています。一方で、当社の成長ステージは次の段階へと進みつつあります。M&Aを通じて事業規模を拡大してきた当社が今後問われるのは、構築した基盤から、いかに安定的な利益とキャッシュフローを生み出すかです。企業価値向上は、稼ぐ力と資本効率の向上によって実現されるものであり、買収後のPMIを通じたシナジーの実現が現中計の成否を左右すると考えています。

私は財務・会計分野における専門的知見を踏まえ、投資が実際に企業価値の向上につながっているかを特に注視しています。M&Aに限らず、人材やDXへの投資についても、各施策が資本コストを上回る価値を継続的に創出しているか、定性・定量の両面から確認しています。社外取締役の役割は、経営陣とは異なる視点から企業価値向上に向けた論点を提示し、経営判断を客観的に検証することで、取締役会の議論の質を高めることにあります。この観点から、私は買収の実行をもって投資を完了とするのではなく、買収先における企業価値の創出までを取締役会が継続的にモニタリングすべきであると指摘してきました。その結果、PMIの進捗やシナジー実現状況を定期的に確認する視点が、取締役会においてこれまで以上に共有されるようになってきたと感じています。今後は、投資判断時の妥当性に加え、投資後の成果をより厳格に検証することが重要です。当初の投資計画と実績の差異、その要因、シナジーの実現状況を継続的に確認し、必要に応じて軌道修正や経営資源の再配分につなげる議論をさらに深めていく必要があります。

PBRの改善は、それ自体が経営の目的ではなく、継続的な企業価値向上の結果として実現されるものです。そのため、取締役会では、限られた経営資源をどこに配分すべきか、また期待した収益を生み出していない事業をどのように見直すのかという、本質的な議論が重要になります。

当社のグローバルネットワークは大きな強みです。この強みをさらに生かすには、各地域・各社の強みや顧客基盤を相互に活用する一方、重複する組織や管理機能を効率化し、グループ全体で経営資源を最適に配分する必要があります。PMIを着実に実行し、シナジーの創出と収益構造の改善を進めることで、より収益性と資本効率の高いグループ企業へ進化していくことを期待しています。

PDF掲載ページ:47

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方

当社は株主・顧客・取引先・地域社会・従業員等のステークホルダーからの負託に応え、その持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するためコーポレート・ガバナンスを経営の重要課題と考えています。経営の監督と業務執行のバランスを取りつつ、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うことを目的として、コーポレート・ガバナンス基本方針の定めるところによりコーポレート・ガバナンス体制の構築に努めています。

なお当社は、持株会社である当社の取締役会およびその構成員である社外取締役を含む各取締役がグループ全体の意思決定・監督機能を担い、主に各事業会社が業務執行機能を担うことで、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能の分担がより明確になっています。

コーポレート・ガバナンス強化の変遷

主な施策

  • 2015年6月

    • 監査等委員会設置会社へ移行
  • 2017年6月

    • 顧問・相談役制度の廃止
  • 2018年6月

    • 独立社外取締役の届出
    • 役員退職慰労金制度の廃止と業績連動型株式報酬制度の導入
  • 2019年6月

    • 独立社外取締役を増員(計3名)
    • 初の女性取締役の選任・就任(1名)
  • 2021年5月

    • 任意の指名委員会および報酬委員会を設置
  • 2021年6月

    • 女性取締役を増員(計2名)
  • 2022年4月

    • サステナビリティ委員会の設置
  • 2022年10月

    • 持株会社体制へ移行
  • 2024年2月

    • 持株会社体制下の執行役員制度の導入
  • 2024年4月

    • ESG委員会の設置(サステナビリティ委員会を発展的に改組)
  • 2024年6月

    • 初の外国籍取締役2名の選任・就任
  • 2025年6月

    • 女性取締役を増員(計3名)

取締役・取締役監査等委員の構成

年度 取締役:社内 取締役:社外 取締役:合計 取締役監査等委員:社内 取締役監査等委員:社外 取締役監査等委員:合計
2016年3月期 8名 0名 8名 2名 3名 5名
2017年3月期 8名 0名 8名 2名 3名 5名
2018年3月期 8名 0名 8名 2名 3名 5名
2019年3月期 5名 0名 5名 2名 3名 5名
2020年3月期 5名 2名 7名 1名 2名 3名
2021年3月期 5名 2名 7名 1名 2名 3名
2022年3月期 5名 2名 7名 1名 2名 3名
2023年3月期 4名 2名 6名 1名 2名 3名
2024年3月期 4名 2名 6名 1名 2名 3名
2025年3月期 5名 2名 7名 1名 2名 3名
2026年3月期 5名 2名 7名 1名 2名 3名
コーポレート・ガバナンス体制図

構成

  • 株主総会

  • 取締役会

    • 取締役(監査等委員を除く)
    • 社外取締役(監査等委員を除く)
    • 監査等委員会
      • 取締役(監査等委員)
      • 社外取締役(監査等委員)
  • 任意の委員会

    • 指名委員会
    • 報酬委員会
  • 会計監査人

  • 代表取締役

  • ESG委員会

  • グループ内部監査室

  • 人事委員会

  • 財務報告統制委員会

  • 各事業会社

業務執行

  • ESG委員会
  • 代表取締役
  • グループ内部監査室
  • 人事委員会
  • 財務報告統制委員会
  • 各事業会社

関係

  • 株主総会 → 取締役:選任・解任

  • 株主総会 → 監査等委員会:選任・解任

  • 監査等委員会 → 株主総会:意見陳述

  • 株主総会 → 会計監査人:選任・解任

  • 取締役会 → 任意の委員会:諮問

  • 任意の委員会 → 取締役会:答申

  • 取締役会 → 代表取締役:選定・解職・監督

  • 代表取締役 → 取締役会:報告

  • 監査等委員会 → 取締役(監査等委員を除く):監査等

  • 監査等委員会 ↔︎ 会計監査人:連携

  • 監査等委員会 ↔︎ グループ内部監査室:連携

  • 会計監査人 ↔︎ グループ内部監査室:連携

  • 会計監査人 → 業務執行:会計監査

  • 取締役会 → 業務執行:監督

  • ESG委員会 → 取締役会:報告

  • 各事業会社 → ESG委員会:報告

  • グループ内部監査室 → 代表取締役:報告

  • グループ内部監査室 → 各事業会社:指示

  • 各事業会社 → グループ内部監査室:報告

  • 代表取締役 → 各事業会社:指示

  • 各事業会社 → 代表取締役:報告

  • 代表取締役 ↔︎ 人事委員会:諮問・答申

  • 財務報告統制委員会 → 代表取締役:報告

PDF掲載ページ:48

取締役会の機能

当社の取締役会は多様な知見と経験を有する取締役で構成され、グループ経営に関する重要事項の意思決定および業務執行の監督を行っています。社内取締役の豊富な事業経験と独立社外取締役4名の客観的かつ専門的な視点を生かし、実効性の高い議論と適切な意思決定ならびに経営監督の実現を図っています。

取締役の構成

取締役会は代表取締役会長 田辺円を議長とし、取締役7名(うち社外取締役2名)ならびに取締役 監査等委員3名(うち社外取締役 監査等委員2名)の計10名で構成しています。うち社外取締役は女性3名を含む4名からなり、企業経営経験者、弁護士、公認会計士資格を有するメンバー構成となっています。取締役の選任に際しては、性別・国籍を問わず各取締役の知見および経験・専門性を一覧化したスキルマトリックスを開示しています。

独立社外取締役比率

  • 40.0%

女性取締役比率

  • 30.0%

外国籍取締役比率

  • 20.0%
2026年3月期の取締役会の主な議題・検討テーマ

当社は取締役会規程に基づき、経営全般に関わる重要事項を取締役会で議論し、意思決定を行っています。原則として、定例取締役会を月に1回開催することとしており、2026年3月期は計14回の取締役会を開催し、以下について議論、検討しました。

テーマ 主な決議・報告事項
経営戦略 長期経営ビジョン「GIFT 2030」および第4次中期経営計画
経営戦略 第4次中期経営計画の進捗状況
経営戦略 年度経営計画および予算ならびに進捗状況
経営戦略 事業戦略上の投資案件の決定
経営戦略 投資案件等の進捗およびモニタリング
決算・財務・株主総会 決算(四半期を含む)に関する事項
決算・財務・株主総会 株主還元(配当、自己株式取得)に関する事項
決算・財務・株主総会 重要な資金調達に関する事項
役員人事・報酬 取締役および執行役員の人事
役員人事・報酬 役員報酬に関する事項
コーポレート・ガバナンス 取締役会実効性評価の課題と対策
コーポレート・ガバナンス 政策保有株式の保有意義の検証
コーポレート・ガバナンス ESGに関連する方針類の新設・改訂
コーポレート・ガバナンス ESG委員会活動報告
コーポレート・ガバナンス 監査等委員会活動結果報告および計画
コーポレート・ガバナンス 内部統制評価結果報告および計画
その他 重要な規程の改正
その他 重要な設備投資等に関する事項
独立社外取締役の役割と選任方針

独立社外取締役は、経営戦略や経営計画の遂行状況を検 証・評価し、株主共同の利益の観点から客観的かつ独立した立場で経営への助言・監督を行う役割を担っています。また、指名・報酬に関する重要事項の審議等を通じてコーポレート・ガバナンスの実効性向上に貢献しています。独立社外取締役の選任にあたっては、東京証券取引所の定める独立性基準および当社独自の独立性判断基準を満たすとともに、専門的知見や豊富な経験に基づき経営への適切な監督・助言が期待できる人材を選任しています。

社外取締役のサポート体制

取締役会における議案の理解促進および検討時間の確保を目的として、取締役会の資料を事前配布しており、必要に応じて常勤監査等委員または担当部門長より事前説明等を行っています。また、当社グループの重要会議資料の送付に加え、全社外取締役が情報交換や意見交換を行えるよう常勤監査等委員が事務局となって定期的にミーティングを開く等、情報共有に努め、社外取締役が経営陣と円滑なコミュニケーションを取れるようにしています。

取締役会の実効性の分析・評価

当社では取締役会の機能向上を目的として、毎年その実効性について分析・評価を行っています。2026年3月期も外部機関と協働して全取締役を対象としたアンケートを実施し、結果を取締役会において情報共有の上、内容について審議しました。その結果、取締役会全体の実効性は十分に確保されていると評価しました。具体的には「M&Aや事業提携等と経営戦略との整合性」や「サステナビリティを意識した経営」等について特に高い評価が得られました。一方、「サクセッションプラン」については改善の余地が確認されました。今後も引き続き実効性の分析・評価結果を踏まえ、取締役会の機能向 上に取り組んでいきます。

PDF掲載ページ:49

役員報酬について
報酬制度の基本方針

取締役および委任契約を締結している執行役員の報酬制度の基本方針を、以下の通り定めています。

ⅰ. 報酬構成については、短期的な業績目標達成および中長期的な企業価値向上との連動を重視し、株主と価値を共有するものとする。

ⅱ. 報酬等の額の方針については、業績、業界動向等とのバランスを勘案して決定する。

ⅲ. 個別の報酬金額については、株主総会で決定した報酬総額の範囲内において、独立社外取締役の適切な関与・助言を得た上で、取締役会にて決定する。

制度概要

取締役(社外取締役および監査等委員である取締役ならびに外国籍の取締役を除く)の報酬は「固定報酬」、「賞与」および「業績連動型株式報酬」で構成しています。また社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は「固定報酬」のみで構成しています。

なお業績連動型株式報酬とは、中長期インセンティブ報酬として業績達成度に応じて変動する業績連動型の株式報酬であり、当社が拠出する取締役等の報酬額を原資とし、取締役等に信託を通じて当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭の交付および給付を行う株式報酬制度です。

また外国籍の取締役の報酬等については、当社および子会社等における職務内容に加え、居住国のマーケット水準等を勘案し、取締役会において取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針を反映した内規を決議しています。

報酬の構成
  • 2027年3月期(予定)

    • 固定報酬:62~64%
    • 賞与:23%
    • 業績連動型株式報酬:13~15%
  • 対象年度:2026年3月期

  • [ ]内:2025年3月期

報酬等の種類 取締役(社外取締役および監査等委員である取締役ならびに外国籍の取締役を除く) 社外取締役および監査等委員である取締役
固定報酬 62~64%[62~64%] 100%[100%]
賞与 23%[23%] ―
業績連動型株式報酬 13~15%[13~15%] ―
  • 注記:報酬の構成は、賞与および業績連動型株式報酬が目標達成度100%の場合。
報酬決定プロセス

固定報酬

  • 取締役(監査等委員である取締役を除く)
    • 限度額の範囲内で役位毎に個人別の支給額を内規に基づき算定し、報酬委員会で審議の上、取締役会で決定
  • 監査等委員である取締役
    • 限度額の範囲内で内規に基づき監査等委員会の協議により決定

賞与

  • 短期インセンティブ報酬として、事業年度ごとの業績達成度に応じて変動する業績連動型の金銭報酬
  • 支給額 = 固定報酬月額 × 役位別倍率 × 業績連動係数
    • 期初に設定する各事業年度の目標値に対する業績達成度に応じて、固定報酬月額×役位別倍率で算出される額が0~200%の範囲内で変動
  • 業績連動係数を決定する指標
    • EBITDA
    • ROE
    • 連結売上高等

業績連動型株式報酬

  • 中長期インセンティブ報酬として、業績達成度等に応じて変動する業績連動型の株式報酬

  • 役位ごとにあらかじめ定められた基本ポイントに業績連動係数を乗じて付与ポイントを算出し、当該ポイントに応じた自己株式を交付

  • 付与ポイント = 基本ポイント※ × 業績連動係数

    • 付与ポイントは、決算短信において公表する目標値に対する業績達成度に応じて、基本ポイントの0~200%の範囲内で変動
  • 業績連動係数を決定する指標

    • 連結ROIC
    • 親会社株主に帰属する当期純利益
    • 相対TSR
    • 非財務指標等
      • GHG排出削減
      • 従業員エンゲージメント等
  • 注記:基本ポイントの算定式=役位別に定める基本金額÷対象期間の開始する月の前月の東京証券取引所における当社株式の終値の平均値

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任意の委員会
指名委員会

取締役候補者の指名、代表取締役の後継者計画、取締役 (含む代表取締役)の選解任に関する手続きの公正性・透明性・客観性を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実と説明責任の強化を図るため、取締役会に答申する役割を担っています。

  • 委員構成:3名(社内取締役1名、社外取締役2名)
  • 開催回数:6回
  • 当期の活動:役員および上席執行役員の体制案、社外取締役および補欠取締役の選任審議、指名委員会および報酬委員会の委員構成について議論しました。 委員構成
報酬委員会

取締役の報酬等(報酬水準、固定報酬・業績連動報酬割合)に関する手続きの公正性・透明性・客観性を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実と説明責任の強化を図るため、取締役会に答申する役割を担っています。

  • 委員構成:3名(社内取締役1名、社外取締役2名)
  • 開催回数:1回
  • 当期の活動:業績連動型株式報酬制度KPIの更新、役員報酬の一部改定について検討・審議しました。
グループガバナンス
グループITガバナンスを通じた経営基盤の強化

グローバルに事業を展開する当社グループにとって、ITは業務効率化の手段にとどまらず、経営情報の可視化、リスク管理、グループ全体の統制を支える重要な経営基盤となっています。当社は第4次中期経営計画の事業戦略における重点施策の一つとして、Eビジネスの拡大とDXの推進を掲げています。その実現に向けて、グループIT部門では各事業会社の自主性や地域特性を尊重しながら、グループ全体としての整合性とシナジーを高めるITガバナンスの強化と情報セキュリティおよびリ スク管理の高度化に取り組んでいます。さらに、グループ全体の財務情報を一元的に把握する連結決算基盤の整備や、M&AにおけるITリスクの把握・統合支援を通じて、経営情報の透明性向上と成長戦略を支える基盤づくりを進めています。

1. グループITガバナンスの推進

グループ共通で適用すべきルール、原則、ガイドライン を定義し、各社が参照できる共通の枠組みを整備してい ます。またそれらが各事業会社で適切に適用されている かを継続的にトラッキング・モニタリングし、各社のDX成熟度やITガバナンスの状況を確認しています。一方で、各社の事業特性や地域ごとの事情を尊重しながら、グループとしての整合性を確保しています。IT・デジタル施策の進捗状況や課題については定期的に取締役会へ報告し、経営層との連携を通じてDX推進とITガバナンスの実効性向上に取り組んでいます。

2. 情報セキュリティの強化

DXの推進と企業価値の向上を支えるため、グループ全体の情報セキュリティ強化に取り組んでいます。技術的な対策に加え、従業員への教育や専門人材の育成を進めるとともに、国内では情報処理安全確保支援士の資格保有者を中心に、将来的な第三者評価や認証取得も視野に入れた情報セキュリティガバナンスの強化を進めています。また、各事業会社におけるBCPの整備・強化を進めるとともに、持株会社としてグループ全体の事業継続体制やリスク対応状況を可視化し、持続的な事業運営を支えるレジリエンス向上に取り組んでいます。

3. 連結決算基盤の導入

グループ全体の財務情報を一元的に管理する連結決算基 盤の導入を海外の事業会社において完了し、国内の事業 会社では導入の最終段階にあります。決算業務の効率化 やガバナンス強化に加え、グループ共通のデータ基盤と して活用することで、経営情報の可視化やデータ活用の 高度化を進めています。また、将来的には経営管理や事 業分析へと活用領域を拡大することを視野に入れ、データドリブン経営を支える基盤としての発展を目指してい ます。

4. M&Aを支える体系的なプロセスの整備

グループの成長戦略を支えるため、M&AプロセスにおけるIT面での支援を行っています。買収検討時にはITデューデリジェンスに関する評価項目やテンプレートの共通化を進めるとともに、必要に応じて持株会社が評価活動を支援することで対象企業のITリスクや課題の把握に取り組んでいます。また、買収後のPMI(M&A成立後の経営統合プロセス)を円滑に進めるため、IT環境や業務プロセスに関する知見の共有、グループ標準との整合性確認、コミュニケーション支援などを実施しています。これらの取り組みを通じて、新たにグループに加わる会社の早期戦力化とグループシナジーの創出を支援しています。

内部監査部門

当社のグループ内部監査室は事業会社である国際紙パルプ商事、スパイサーズ、アンタリス各社の内部監査部門を統括し、それぞれの事業会社から監査計画や監査結果・改善状況確認等の報告を受け、内容を精査した上で代表取締役等に報告するとともに、各社の監査結果のサマリーを年1回取締役会に報告しています。また金融商品取引法に基づく「財務報告に係る内部統制」(いわゆるJ-SOX)の体制を確立し、基本計画の立案、内部統制の整備・運用状況評価、内部統制報告書の作成等の業務を担当しています。グループ全体の評価結果は「財務報告統制委員会」にて審議・承認され、その結果を取締役会に報告しています。

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リスクマネジメント

リスク管理体制と管理プロセス

当社は、当社グループのリスク管理体制の維持・向上を図るため、リスク管理委員会を設置しています。リスク管理委員会規則に従い、グループ法務・コンプライアンス本部長がリスク管理委員会委員長を務めており、副委員長および委員は、委員長が任命しています。リスク管理委員会は、事業地域統括会社におけるリスク分析の結果を受け、グループ経営上重要なリスクの抽出・評価を 行い、重点対応策を決定し、重点対応策の実行状況のモニタリングを定期的に行い、その結果についてESG委員会を通じて取締役会へ報告を行っています。なお、2026年3月期はリスク管理委員会を2回開催し、重要なリスクについて前年度との比較・評価を行い、重点対応策について協議しました。

当社のリスク管理体制

  • 当社

    • 取締役会
    • リスク管理委員会
  • 各事業会社

  • 関係

    • リスク管理委員会 → 取締役会:報告
    • リスク管理委員会 → 各事業会社:連携

当社のリスク管理プロセス

  • 上期

    • 当社
      • リスク管理委員会
        • グループリスクマップ作成
          • 重要リスクの設定
          • 重点対応策の設定
    • 当社・各事業会社
      • リスク抽出・評価
      • グループ重点対応策決定
      • 対応計画策定
      • 実行状況モニタリング
  • 下期

    • 当社
      • リスク管理委員会
        • リスク対応策/追加対応策の設定
    • 当社・各事業会社
      • グループ追加対応策決定
      • 追加対応策実行
      • 実行後のモニタリング
      • 活動報告書作成
事業等のリスク

当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには以下のようなものがあり、各リスク項目を影響度と発生頻度で評価したリスクマップを作成しています。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、現時点において予見できない、あるいは重要とみなされていない他の要因の影響を将来的に受ける可能性があります。また、リスクを低減するための対応を記載していますが、リスクを完全に回避することは困難です。

リスク分類
  • 外部要因リスク

      1. 自然災害
      1. テロ/紛争/事件
      1. 感染症
      1. カントリーリスク
  • 経営リスク

      1. 競争力/業績
      1. 企業防衛
      1. 自社およびグループ会社管理
      1. 人的資源
  • オペレーショナルリスク

      1. 取適法違反
      1. 独禁法違反
      1. 反社会的勢力対応
      1. 役職員の不正行為
      1. ハラスメント
      1. 環境
      1. 人権
      1. 地域コミュニティ
      1. サプライチェーンマネジメント
      1. 財務・経理
      1. 税務
      1. 法務
      1. 知的財産権
      1. 労務管理
      1. 情報システム
      1. 情報セキュリティ
      1. 情報管理
      1. 取引先・委託先管理
      1. 火災/事故
      1. 人身事故
  • 財務リスク

      1. 信用リスク
      1. 市場リスク
      1. 流動性リスク
リスクマップ
  • 特に重要

    • 影響度:高/発生頻度:頻発
        1. 競争力/業績
        1. サプライチェーンマネジメント
        1. 市場リスク
  • 重要

    • 影響度:高/発生頻度:中頻度
        1. 情報システム
        1. 情報セキュリティ
    • 影響度:中/発生頻度:頻発
      • 該当リスクの記載なし
  • その他

    • 影響度:高/発生頻度:希少

        1. テロ/紛争/事件
        1. カントリーリスク
        1. 独禁法違反
        1. 財務・経理
    • 影響度:中/発生頻度:希少

        1. 感染症
        1. 企業防衛
        1. 取適法違反
        1. 反社会的勢力対応
        1. 役職員の不正行為
        1. 環境
        1. 人権
        1. 火災/事故
        1. 流動性リスク
    • 影響度:中/発生頻度:中頻度

        1. 自然災害
        1. 自社およびグループ会社管理
        1. 人的資源
        1. 税務
        1. 法務
        1. 労務管理
        1. 情報管理
        1. 取引先・委託先管理
        1. 人身事故
        1. 信用リスク
    • 影響度:低/発生頻度:希少

        1. 地域コミュニティ
        1. 知的財産権
    • 影響度:低/発生頻度:中頻度

        1. ハラスメント

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重要なリスクと対応
  • 経営リスク

    • 競争力/業績
      • リスクの内容
        • 事業環境の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合の「のれん」の減損損失の発生
      • 主な対応
        • 取締役会における投資の採算性についての十分な審議ならびに業績推移や計画の進捗、事業環境の調査・情報収集等のモニタリングの実施
  • オペレーショナルリスク

    • サプライチェーンマネジメント(主要取引先への依存等)

      • リスクの内容
        • 天災等の影響による、主要仕入先から当社への商品供給における著しい支障の発生
      • 主な対応
        • 国内外での仕入先開拓による新たな仕入ソースの確保
        • 事業ポートフォリオ改革を推し進め、事業領域の開拓ならびに既存の紙および板紙販売以外の事業比率の引き上げ
    • 情報システム

      • リスクの内容
        • サイバー攻撃発生時やシステム機器の故障等における基幹システムの重大な業務影響
      • 主な対応
        • 障害発生時のリスク低減や早期復旧体制の確保
        • システム停止影響を勘案した障害発生時のバックアップ体制ならびに保守一元管理や復旧手順の標準化、訓練実施等
    • 情報セキュリティ

      • リスクの内容
        • 不正アクセスやウイルス感染、標的型攻撃等による情報資産の漏えいリスクならびにシステム障害
        • ランサムウェア被害等による業務停止、重要情報の毀損・漏えいの発生リスク
      • 主な対応
        • 情報セキュリティ管理規程の整備および社内研修の実施、ならびにアクセス制御、ログ監視等の技術的対策
        • 標的型攻撃メール訓練の継続実施、従業員のリテラシー向上
        • グループ全体でのセキュリティ水準の底上げ
  • 財務リスク

    • 市場リスク(商品市況変動の影響)

      • ❶ 紙・板紙等

        • リスクの内容
          • 原材料および燃料等の価格上昇による、製品仕入価格の上昇
        • 主な対応
          • 適正な利潤確保のための、販売先との継続的な価格交渉の実施
      • ❷ 製紙原料(パルプ・古紙)等

        • リスクの内容
          • パルプにおいてはグローバル規模での大幅な価格変動リスクを内包
          • 古紙においては主要な古紙消費国の需要の変化や国内の古紙需給バランスによる価格変動
        • 主な対応
          • パルプにおいては仕入成約時の販売価格の決定
          • 古紙においては今後需要の増加が見込まれるエリアを中心とした販路の拡大、および仕入先の確保
      • ❸ パッケージング・ビジュアルコミュニケーション等

        • リスクの内容
          • パッケージ用途のフィルム等の素材分野において、燃料価格や海外輸送費用等の影響による仕入価格の高騰
        • 主な対応
          • 販売価格決定プロセスの変更(仕入価格変動に応じた販売価格の決定)や仕入ソースの多様化
    • 市場リスク(為替変動)

      • リスクの内容
        • 円高進行による、連結財務諸表に係る連結当期純利益の減少
        • クロスボーダー取引における為替変動リスク
      • 主な対応
        • 為替予約取引等による、為替変動リスクの低減
    • 市場リスク(金利変動)

      • リスクの内容
        • 借入金、社債、CP発行等のデットファイナンスにおける金利変動リスク
      • 主な対応
        • 長期借入金や社債による固定金利での資金調達や金利スワップ等の組み入れによる、金利変動リスクの低減
    • 市場リスク(所有株式の時価変動)

      • リスクの内容
        • いわゆる政策保有株式における株式市場動向や保有先の当該企業の業績等の影響を受けた株価変動リスク
      • 主な対応
        • 取締役会における保有の合理性の検証や政策保有株式の縮減の推進
    • 市場リスク(退職給付債務)

      • リスクの内容
        • 退職給付費用および退職給付債務における、割引率の低下や運用利回りの悪化、信託した株式の時価の低下および多額の数理計算上の差異の償却の発生
      • 主な対応
        • 定期的な年金資産の見直し等、最適なポートフォリオについての継続的な検討の実施

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コンプライアンス

基本的な考え方

当社は、企業文化を醸成するバリューの実践にあたり、全ての判断のよりどころとなる行動規範として「KPPグループ憲章」を定め、その筆頭に「法令等の遵守」を掲げています。コンプライアンスとは法令等の遵守にとどまらず、企業市民として高い倫理観に基づき行動し、社会からの信頼に応え続けることであると考えています。

KPPグループ憲章

参照URL:https://www.kpp-gr.com/ja/company/behavior.html

コンプライアンス体制

当社のコンプライアンス体制は、企業の法令遵守と倫理的行動を確保するためにいくつかの重要な要素で構成されています。以下の取り組みを通じて当社グループは企業の信頼性を高め、持続可能な発展を目指しています。

  • ❶ コンプライアンス委員会

社内にコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス研修の実施や内部通報・外部通報窓口の周知、対応状況等について協議を行っています。

  • ❷ 内部通報窓口

コンプライアンス違反が発生した場合の迅速な対応を行うため、内部通報窓口をコンプライアンス委員会事務局に、外部通報窓口を外部委託会社にそれぞれ設置し、社員や取引先が相談・通報できる環境を整備しています。

  • ❸ 法令遵守の意識共有

法令遵守徹底の意識を共有し、企業全体でのコンプライアンス意識を高める取り組みを行っています。

  • ❹ ガバナンス体制の強化

経営の効率性・透明性・健全性を確保するために、コーポレート・ガバナンス体制の確立と充実に取り組んでいます。

内部通報制度

当社は、コンプライアンス違反行為の未然防止や早期発 見、迅速かつ効果的な対応を目的として内部通報制度を導入しています。

内部・外部通報窓口の設置

社員や取引先、家族などがコンプライアンス違反を相談・通報できる窓口を設けています。

不利益な取り扱いの禁止

通報者が通報を理由に不利益な取り扱いを受けないよう、社内規程で明示しています。

このような制度を通じ、透明性の高い企業運営を目指しています。

問題発生時の対応

報告を受けたコンプライアンス委員会は、問題の性質に応じて適宜問題の調査・対応を関連部署に委嘱し、コンプライアンス委員会が重要であると判断した問題は直ちに取締役会に報告します。全体的な見地から対応を要する問題については、コンプライアンス委員会において速やかな真相究明と再発防止対策提言を実施します。また法令遵守に係る重大な事態が発生した際には速やかに社会への情報公開と説明責任を遂行し、原因の究明と再発防止に努め、厳正に対処します。

腐敗・贈賄防止方針

当社は「腐敗・贈賄防止方針」を定め、公正かつ誠実な事業活動の遂行に努めています。国内外を問わず贈賄その他の腐敗行為を容認せず、日本をはじめ事業を展開する各国・地域の贈収賄防止関連法令および規則を遵守するとともに、公務員や取引先との適切な関係の維持に加え、マネーロンダリングや不当要求などへの対応を含め、腐敗リスクの防止に取り組んでいます。

反社会的勢力の排除

当社は「KPPグループ憲章」を構成する基本行動として、社会的勢力の活動の脅威に備えた組織的な危機管理を徹底しています。警察等関係機関との緊密な連携を保ちながら、反社会的勢力との関係を遮断するため、社会秩序や健全な企業活動を阻害する恐れのあるあらゆる団体・個人からの要求に対しては毅然たる態度で臨み、その要求には一切応じません。

独占禁止法の遵守

当社は「KPPグループ憲章」において公正・自由・透明な事業活動を行うことを規定しており、独占禁止法および関連諸法の遵守について、私的独占の禁止、不当な取引制限の禁止、不公正な取引方法の禁止を具体的指針としています。

コンプライアンス研修

当社はコンプライアンス教育に力を入れており、社員全員が法令遵守の意識を高めるためのさまざまな取り組みを行っています。全社員を対象としたコンプライアンス研修では、法令や企業倫理に関する定期的な学習機会を提供し、知識を常にアップデートしています。また社員一人ひとりが自律的にコンプライアンスに関する知識を習得できるよう、eラーニングを活用した自己啓発支援を行っています。

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コーポレートデータ

財務データ(8年間)

  • 金額単位:百万円
  • 1株当たり情報の単位:円
  • 比率の単位:%

貸借対照表

項目 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
流動資産 137,757 136,546 200,672 210,523 243,596 242,689 231,312 236,036
固定資産 53,853 52,771 74,447 80,183 87,065 101,872 120,723 138,672
流動負債 126,484 121,293 190,993 170,164 207,947 198,235 194,130 210,145
固定負債 14,900 20,746 40,544 64,167 54,905 64,426 71,688 75,107
有利子負債 41,357 47,808 83,272 80,237 94,310 86,029 86,788 96,741
純資産額 50,117 47,184 43,489 56,291 67,730 81,811 86,122 89,437
ROE(%) 5.12 2.53 3.12 15.02 25.35 14.19 9.51 6.40
総資産額 191,610 189,317 275,119 290,707 330,662 344,562 352,035 374,708
ROA(%) 1.28 0.65 0.61 2.65 5.06 3.14 2.29 1.55
自己資本比率(%) 26.2 24.9 15.8 19.4 20.5 23.7 24.5 23.9

損益計算書

項目 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 384,973 381,397 430,404 563,414 659,656 644,435 670,042 650,368
売上総利益 22,064 23,708 51,915 92,951 120,584 119,899 129,116 130,042
売上総利益率(%) 5.73 6.22 12.06 16.50 18.28 18.61 19.27 20.00
営業利益 2,280 1,850 -9,035 9,379 20,401 15,819 13,544 10,075
営業利益率(%) 0.59 0.49 ― 1.66 3.09 2.45 2.02 1.55
経常利益 2,518 2,194 -12,041 8,844 18,404 12,475 9,712 6,175
経常利益率(%) 0.65 0.58 ― 1.57 2.79 1.94 1.45 0.95
親会社株主に帰属する当期純利益 2,497 1,232 1,416 7,497 15,722 10,613 7,986 5,618
親会社株主に帰属する当期純利益率(%) 0.65 0.32 0.33 1.33 2.38 1.65 1.19 0.86

キャッシュ・フロー計算書

項目 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
営業キャッシュ・フロー 4,217 4,905 -6,472 4,821 10,308 19,817 11,169 19,814
投資キャッシュ・フロー 1,130 -5,400 23,046 -2,678 -8,530 -5,508 -16,644 -11,109
財務キャッシュ・フロー -6,623 5,504 6,597 -11,803 4,205 -22,375 -11,190 -8,118
現金及び現金同等物の期末残高 2,838 7,775 30,543 22,631 30,699 26,244 11,316 12,630

1株当たり情報

項目 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
当期純利益/株(円) 34.74 16.86 19.70 104.39 219.09 149.24 118.00 87.44
純資産/株(円) 685.21 649.48 605.71 783.65 944.75 1,188.92 1,305.61 1,435.09
年間配当/株(円) 10.00 10.00 10.00 14.00 20.00 22.00 34.00 36.00

その他の指標

項目 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
総資産回転率(%) 200.9 201.5 156.4 193.8 199.5 187.0 190.3 173.6
配当性向(%) 28.8 59.3 50.8 13.4 9.1 14.7 28.8 41.2
デットエクイティレシオ(%) 82.5 101.3 191.5 142.5 139.2 105.2 100.8 108.2
流動比率(%) 108.9 112.6 105.1 123.7 117.1 122.4 119.2 112.3

注記

  1. 純資産額は、非支配少数株主持分控除後の値になります。
  2. 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年3月期期首から適用しており、2022年3月期以降に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっています。
  3. ROEは、当期と前期の純資産額の平均値を基に算定しております。
    • ROE(株主資本利益率)=親会社株主に帰属する当期純利益÷純資産額
  4. ROAは、当期と前期の総資産額の平均値を基に算定しております。
    • ROA(総資産利益率)=親会社株主に帰属する当期純利益÷総資産額

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非財務データ(5年間)

非財務情報の詳細データはESGデータブックで開示しています。

人事データ(連結)

指標 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
従業員数(名) 5,354 5,457 5,624 5,974 6,024
管理職比率:男性(%) ― ― ― 68.8 71.4
管理職比率:女性(%) ― ― ― 31.2 28.6
離職率※1(%) ― ― ― 2.6 9.7

人事データ(単体)

指標 2022年3月期 2023年3月期:KPPグループホールディングス 2023年3月期:国際紙パルプ商事 2024年3月期:KPPグループホールディングス 2024年3月期:国際紙パルプ商事 2025年3月期:KPPグループホールディングス 2025年3月期:国際紙パルプ商事 2026年3月期:KPPグループホールディングス 2026年3月期:国際紙パルプ商事
従業員数:男性(名) 365 34 319 33 310 22 303 25 290
従業員数:女性(名) 242 18 228 19 230 12 237 11 235
従業員数:合計(名) 607 52 547 52 540 34 540 36 525
管理職比率:男性(%) 97.0 91.3 97.2 86.4 97.1 83.3 96.7 77.0 95.7
管理職比率:女性(%) 3.0 8.7 2.8 13.6 2.9 16.7 3.3 23.0 4.3
労働者の男女の賃金の差異:全労働者※2(%) ― 52.2 59.2 66.0 60.5 69.3 60.6 74.8 64.3
労働者の男女の賃金の差異:正規雇用労働者※2(%) ― 50.8 59.0 61.2 59.1 68.1 59.8 74.2 63.8
労働者の男女の賃金の差異:非正規雇用労働者※2(%) ― ― ― 65.8 61.5 ― 61.5 ― 53.6
平均勤続年数(年) 17.9 12.8 18.8 12.0 19.0 9.6 18.6 9.3 18.6
障がい者雇用率(%) 2.4 3.2 2.5 3.4 2.7 5.4 2.3 5.4 2.2
継続雇用制度利用者数(名) 29 3 26 5 33 1 38 1 43
新卒採用者数(名) 6 0 11 0 13 0 15 0 13
キャリア採用者数(名) 11 6 14 8 16 3 11 4 16
採用者数合計(名) 17 6 25 8 29 3 26 4 29
キャリア採用比率(%) 65.0 100.0 56.0 100.0 55.0 100.0 42.0 100.0 55.0
  • 注記:従業員数は嘱託・継続雇用社員を除く。

ワークライフバランスデータ(単体)

指標 2022年3月期 2023年3月期:KPPグループホールディングス 2023年3月期:国際紙パルプ商事 2024年3月期:KPPグループホールディングス 2024年3月期:国際紙パルプ商事 2025年3月期:KPPグループホールディングス 2025年3月期:国際紙パルプ商事 2026年3月期:KPPグループホールディングス 2026年3月期:国際紙パルプ商事
育児休業制度利用者数(名) 12 0 6 0 11 0 7 1 9
育児休業復職率(%) 100.0 0.0 89.0 0.0 100.0 0.0 100.0 100.0 75.0
男性労働者の育児休業取得率(%) ― 0.0 0.0 0.0 40.0 0.0 25.0 100.0 25.0
育児短時間勤務制度利用者数(名) 12 0 15 0 13 0 11 0 13
時差出勤(オフピーク通勤事由を除く)(名) 19 0 20 1 17 0 13 0 6

環境データ(連結)

指標 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
森林認証紙の販売※3(t) 654,215 639,408 596,010 1,084,027 1,129,897
森林認証パルプの販売(t) 172,561 145,807 152,580 159,087 106,391
事業からのGHG排出量:Scope1・2※4・※5(t-CO2e) 18,829※6 18,334 20,827 21,560 19,780
事業からのGHG排出量:Scope1(t-CO2e) 8,008 8,336 11,334 10,595 9,704
事業からのGHG排出量:Scope2※7(t-CO2e) 9,950 9,998 9,493 10,966 10,075
サプライチェーンからのGHG排出量:Scope3※8(t-CO2e) ― 1,156,165 1,059,726 12,702,770 14,191,496
再生可能エネルギー由来の電力導入量※9(kWh) ― ― 29,148 7,133,945 9,572,243
廃棄物排出量※10(t) 105.9 101.8 2,229.1 2,216.4 11,233.8
リサイクル量※10(t) 70.3 67.5 1,214.1 1,535.2 6,313.8
廃棄物リサイクル率※11(%) 66.4 66.3 54.5 69.3 56.2
水の使用量※12(m³) 8,074 9,290 9,500 34,339 68,269

非財務データに関する注記

※1:2025年3月期まではKPPグループホールディングスおよび国際紙パルプ商事の実績を報告していましたが、2026年3月期よりグループ全体を報告範囲としています。

※2:男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人員構成の差によるものです。また、賃金は基本給・時間外労働手当・賞与等を含み、退職手当・通勤手当・持株会奨励金は除いています。

※3:2024年3月期までは国際紙パルプ商事単体の実績を報告していましたが、2025年3月期より欧州、南米、北米およびオセアニアの実績も報告範囲に含めた値となります。

※4:2025年3月期より中国、米国、インド、東南アジアの一部子会社を除き、全ての連結子会社を報告範囲に含めました。2025年3月期および2026年3月期のGHG排出量は独立した第三者による保証を受けています。詳細はESGデータブックをご参照ください。

※5:排出係数、算定方法、算定対象の詳細については、ESGデータブックをご参照ください。

※6:この数値には、スパイサーズの2022年3月期について、Greenfleetによるカーボンオフセット量871t-CO2eを参考値として含みます。

※7:Scope2はマーケット基準で算定した値を報告しています。

※8:2023年3月期および2024年3月期はKPPグループホールディングス、国際紙パルプ商事を算定範囲とした旧算定ロジックによる参考値です。2025年3月期および2026年3月期の実績は新算定ロジックによる値です。詳細はESGデータブックをご参照ください。

※9:2024年3月期まではKPPグループホールディングスおよび国際紙パルプ商事とその連結子会社の実績を報告していましたが、2025年3月期より欧州、南米、北米およびオセアニアを含むグループ全体の実績となります。詳細はESGデータブックをご参照ください。

※10:単位をkgからtに変更しています。2023年3月期まではKPPグループホールディングスおよび国際紙パルプ商事(国内本支店が管轄する営業部門および管理部門)の実績を報告していましたが、2024年3月期と2025年3月期は国際紙パルプ商事単体、スパイサーズオーストラリア、スパイサーズニュージーランドおよびSignetを含め、2026年3月期からはアンタリスを加えたため数値が大きく増加しました。

※11:廃棄物リサイクル率=廃棄物リサイクル量÷廃棄物排出量×100。

※12:2023年3月期まではKPPグループホールディングスおよび国際紙パルプ商事(国内本支店が管轄する営業部門および管理部門)からテナント不動産の共用使用を除いた部分を報告していましたが、2024年3月期はKPPグループホールディングス、国際紙パルプ商事単体およびスパイサーズニュージーランドを、2025年3月期はKPPグループホールディングス、国際紙パルプ商事単体、国内連結子会社、スパイサーズオーストラリア、スパイサーズニュージーランド、Signetを、2026年3月期はグループ全体を含んでいます。2025年3月期よりスパイサーズグループ、2026年3月期よりアンタリスグループの実績が加わったため、数値が大きく増加しました。

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企業情報

会社概要

  • 基準日:2026年3月31日現在

  • 商号

    • 日本語:KPPグループホールディングス株式会社
    • 英語:KPP GROUP HOLDINGS CO., LTD.
  • 設立:1924年(大正13年)11月27日

  • 本社:東京都中央区明石町6番24号

  • 代表者

    • 代表取締役会長:田辺 円
    • 代表取締役社長 兼 CEO:坂田 保之
  • 資本金:47億2,353万円

  • 売上高(連結):6,503億68百万円

  • 従業員数

    • 連結:6,024名
    • 単体:36名
  • 主な事業内容:子会社等の株式または持分を所有することによる子会社の事業活動の支配・管理、ならびに不動産の保有、賃貸等

  • 連結子会社:111社

  • 持分法適用関連会社:5社

株式情報

  • 基準日:2026年3月31日現在
  • 上場証券取引所:東京証券取引所プライム市場
  • 証券コード:9274
  • 事業年度:4月1日から翌年3月31日まで
  • 発行可能株式総数:267,500,000株
  • 発行済株式の総数:67,244,284株
    • 自己株式:3,000,000株※
  • 株主数:50,837名
    • 前年比:9,072名増

※2026年8月末日に自己株式の全量を消却しました。

所有者別の株式保有比率

所有者区分 株式保有比率
個人・その他 33.46%
その他の法人 23.70%
金融機関 22.08%
外国法人等 14.68%
金融商品取引業者 1.62%
自己名義株式 4.46%

ESG関連インデックスへの組み入れ状況

FTSE Blossom Japan Index

FTSE JPX Blossom Japan Sector Relative Index

大株主の状況

  • 基準日:2026年3月31日現在

  • 王子ホールディングス株式会社

  • 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(その他信託口)

  • 株式会社日本カストディ銀行(りそな銀行再信託分・北越コーポレーション株式会社退職給付信託口)

  • KPPグループホールディングス従業員持株会

  • 野村 絢(常任代理人:三田証券株式会社)

  • INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人:インタラクティブ・ブローカーズ証券株式会社)

  • 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(役員報酬BIP信託口・76262口)

  • 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(投資信託口)

  • 株式会社三菱UFJ銀行

  • 三菱UFJ信託銀行株式会社

主なコミュニケーションツール

  • 発行物

    • 統合報告書
      • 財務情報・非財務情報
    • 広報誌「TSUNAGU」
      • 非財務情報
    • 有価証券報告書
      • 財務情報メイン・非財務情報
    • 招集通知
      • 財務情報メイン・非財務情報
    • 株主通信
      • 財務情報・非財務情報
  • WEB

    • コーポレートサイト
      • 財務情報・非財務情報
    • ESGデータブック
      • 非財務情報
    • 会社案内
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