当社は紙パルプを取り扱う専門商社として、森林資源と密接に関わる事業活動を展開しています。当社にとって生物多様性の保全は重要な責務であるため、健全な生態系の維持に向けた取り組みを推進しています。具体的には、持続可能な森林認証材の調達などにより、事業活動が生態系に及ぼす影響の低減に努めています。また、取引先や地域社会との協働を通じて、生物多様性の価値を共有し、サプライチェーン全体での持続可能性向上に取り組んでいく運びです。さらに、当社は環境省主導の「30by30アライアンス」に参画し、2030年までに陸域・海域の30%を保全する国際目標の達成に向けて、企業として果たすべき役割を担い、国際的な生物多様性保全の枠組みと連動しながら、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

生物多様性方針

当社は、森林資源や生態系が事業活動の基盤であると認識し、事業活動が自然に与える影響を回避・最小化するよう努めるとともに、生物多様性の保全を重要課題と位置付けます。また、森林資源の持続可能な利用を進め、サプライチェーンにおいても責任ある調達を推進します。さらに、社員への啓発・教育や地域社会・関係者との協働を通じ、生態系への影響を継続的に把握し、その保全と持続可能な管理を支援する取り組みを進めます。

具体的な取り組み

日本においては2015年より一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団の森林創成活動への支援をスタートし、今ではアファンの森の南エリアの一部を「Afan KPPの森」とする森づくり協定を締結し、新入社員や希望者を中心に荒廃した放置林の再生に取り組んでいます。この他、各拠点においても植林など生物多様性保全に資する活動を進めています。

・アファンの森
アファンの森は、故C.W.ニコル氏が私財を投じて放置山林を購入し、自らの手で荒廃した森を再生させる壮大なプロジェクトで、1986年からスタートしています。また、アファンの森を活用した環境活動にも長年にわたって取り組んでいます。アファンの森の北エリアは、環境省によって「ネイチャーポジティブ」の実現に向けた民間による取り組みである生物多様性の保全区域「自然共生サイト」に認定されています。同区域では絶滅が危惧された希少種(ヤマネやエビネ等)も見つかっています。

エビネ(長野県絶滅危惧種Ⅳ類)

・東京本社ビルの生物多様性の促進
本社ビルの敷地内で、和紙の原料となる楮(コウゾ)と三椏(ミツマタ)を2023年6月から栽培しています。2024年7月には、収穫した楮・三椏を原料の一部として使った和紙漉きワークショップを2回開催し、小学生や社員、その家族、そして地域住民の方々にも参加いただきました。漉いた和紙でランプシェードを作り、東京都内で展示をしました。

・森林認証と生物多様性
紙パルプ専門商社である当社は、森林認証品取扱の拡大が、計画的な植林による森林の保護や生物多様性の保全につながると考えています。2024年度の実績では、グループ全体で39社が森林認証を取得しています。当社子会社の国際紙パルプ商事単体では、販売する紙・板紙の42.8%が森林認証品であり、その割合は継続的に拡大しています。

・オーストラリアにおける植林
スパイサーズは、オーストラリアの環境NPO団体「Greenfleet」 とパートナーシップを締結しており、クイーンズランド州リングテイルフォレストで「Kabi Kabi Country」の在来樹木を復元するための植林活動を進めています。同NPOは25年にわたりオーストラリアとニュージーランドの重要な生態系の回復に取り組み、在来種からなる多様性豊かな森林を保全するため植林活動を行っています。また、スパイサーズでは環境科学に関する非常に高い専門性を持つ社員が地域社会へのボランティア活動に参加しています。フクロモモンガダマシのような絶滅危惧種に対して、伐採により営巣用原生林の生息地が取り除かれることがいかに深刻な影響を与えているかを小学校でのボランティア活動等を通じて一般の人々に教えています。