KPPグループはミッションである「循環型社会の実現に貢献する」を推進するための指針として、「KPPグループ憲章」を定め、全ての人々の人権を尊重し、人種、性別、宗教、信条などによるいかなる差別も行わないことを基本方針としています。この理念を具体化するため、当社は2024年3月に、国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく「KPPグループ人権方針」を制定しました。本方針は、GRIおよびISSBの開示基準に準拠し、国際的な人権尊重の枠組みに沿ったものです。全ての役員・従業員は、この人権方針に基づき、バリューチェーン全体において人権尊重の責務を果たすことが求められています。また、当社は人権デュー・ディリジェンスを実施し、強制労働や児童労働の防止、労働安全衛生の確保、差別の排除などの課題に対応しています。さらに、取引先やパートナー企業にも同様の基準を求め、サプライチェーン全体で人権尊重を推進しています。
人権方針
KPPグループは、経営理念である「循環型社会の実現に貢献する」ための指針として、「KPPグループ憲章」を定め、全ての人々の人権を尊重し、人種、性別、宗教、信条などによるいかなる差別も行わないことを掲げています。
今般、2011 年 6 月に国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく「KPPグループ人権方針」(以下「本方針」という。)をここに制定し、全ての役員と従業員が人権の尊重の責務を果たすため、行動いたします。
1.人権に対する基本的な考え方
KPPグループは、全ての人々の基本的人権について規定した「国際人権章典」(「世界人権宣言」、「市民的および政治的権利に関する国際規約」、「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」)、および「労働における基本的原則および権利に関する ILO 宣言」※に加え、賃金や労働時間など労働者の人権に関する諸条約、「OECD 多国籍企業の行動指針」、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」などの人権に関わる国際行動規範を支持し尊重します。また、国連グローバル・コンパクトの 10 原則を支持し尊重しています。本方針は、KPPグループがステークホルダーに対する人権尊重の責任を果たすために、「KPPグループ憲章」、行動規準、ならびに関連する社内方針・規則等に基づく人権尊重の取り組みを約束するものです。
※ 中核的労働基準である「児童労働の禁止」「強制労働の禁止」「差別の撤廃」「結社の自由・団体交渉権の承認」「安全で健康的な労働環境」の尊重を含みます。
2.適用範囲
本方針は、KPPグループの全ての役員と従業員に適用します。また、KPPグループの事業活動 、商品、サービスに関係するすべての取引関係者等に対しても、本方針の遵守を求めます。
3. 適用法令
KPPグループは、事業活動を行うそれぞれの国または地域における法と規制を遵守します。国際的に認められた人権と各国の法令に矛盾がある場合には、国際的に認められた人権の原則を最大限に尊重するための方法を追求します。
4.人権尊重の責任
KPPグループは、自らの事業活動が直接的または間接的に人権への負の影響を及ぼす可能性のあることを理解し、自らの事業活動から影響を受ける人々の人権を侵害しないこと、自らの事業活動において人権への負の影響を引き起こしまたはこれを助長した場合には是正に向けた適切な対応をとることにより、人権尊重の責任を果たします。取引関係者等による人権への負の影響が、KPPグループの事業活動、商品、サービスに関連していることが疑われる場合には、再発を防止するために、当該関係者とともに適切な対応をとります。
特に以下の内容に取り組みます。
①児童労働・強制労働の禁止
②人種・宗教・差別・年齢・性的指向・身体障害・国籍等による差別の禁止
③結社の自由や団体交渉権の尊重
④各地域の労働時間や残業に関する現地法令の遵守
⑤最低賃金の保証
5.人権デュー・ディリジェンス
KPPグループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に則した人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、KPPグループがステークホルダーに与える人権への負の影響を特定し、その防止および軽減を図ります。
6.対話・協議
KPPグループは、本方針を実行する過程において、独立した外部からの人権に関する専門知識を活用するとともに、本方針に基づき、ビジネスパートナーを含むすべてのステークホルダーと人権に関する期待について対話・協議を行います。
7.教育・研修
KPPグループは、本方針がすべての事業活動に組み込まれ、効果的に実行されるよう、全ての役員と従業員に対し教育・研修を行うとともに、取引関係者等に対しても本方針の理解獲得に向けた取り組みに努めます。
8.救済
KPPグループの事業活動が、人権への負の影響を引き起こしたことが明らかになった場合、あるいは取引関係者等を通じた関与が明らかになった、または関与が疑われる場合には、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」をはじめとした国際行動規範に基づいた対話と適切な手続きを通じてその救済に取り組みます。
9.責任者
KPPグループは、本方針の実行に責任を持つ執行役員を明確にし、実施状況を監督します。
10.情報開示
KPPグループは、人権尊重の取り組みの進捗状況およびその結果を、ウェブサイト等で開示します。
本方針は、当社の取締役会の承認を得ており、代表取締役社長により署名されています。
改定日 2025年12月18日
指標と目標
・⼈権侵害問題の開⽰
2024年度のKPPグループホールディングスのESG委員会にて、人権侵害に関する問題の発生について報告は0件であったため、改善のための措置の実績はありませんでした。従って、問題点の把握や実施された措置の実績の報告もありませんでした。
具体的な取り組み
・人権デュー・ディリジェンス
2024年3月期に国際紙パルプ商事(国内連結)では古紙回収業務に関わるグループ子会社を対象に人権デュー・ディリジェンスを実施しました。その際には、グループ子会社における「労働者の環境」、「仕入れ先における労働者の環境」、「業務委託先における労働者の環境(ドライバーの労働環境含む)」の三点を重要な人権テーマとして特定しました。これらは、社内ヒアリングで提起された課題のうち潜在的リスクが高く、社会に及ぼす負の影響が大きいと第三者機関と抽出したテーマです。重要な人権テーマの特定に当たっては、社内従業員や、業界団体、取引先等の社外のステークホルダーとのエンゲージメントを経て検討しました。
対象企業へのヒアリングの結果、大きな人権課題は見られず、経営層も課題として上がった事項を認識しているということが確認できました。今後も継続的に対応を進めていきます。本年は国内子会社の海外における生産拠点を対象にデュー・ディリジェンスを進めました。
また、国際紙パルプ商事(単体)のビジネスにおいてその4割以上が森林認証材関連です。森林認証規格には中核的労働要求事項の4項目(①児童労働の禁止、②強制労働の禁止、③雇用および職業における差別の撤廃、④結社の自由および団体交渉権の尊重)が含まれます。更にILO中核的労働基準の「安全で健康的な労働環境」を加えた5項目を上記のテーマに加え当社の重要な人権課題としています。年次内部監査でこれらに関する状況把握に努めています。
・エンゲージメント
こうした人権問題に対し、ステークホルダーに対するエンゲージメントとして、KPPグループ人権方針を上記の通り公開しています。併せて森林認証マニュアルにも規格に基づいた「人権・社会・健康・安全」に関する方針を明記しこれをお取引先様(委託倉庫・委託加工先)と共有し、これらの方針に則った対話を継続的に実施しています。具体的には、森林認証の内部監査においては、国際紙パルプ商事・岡山紙商事・九州紙商事のマルチサイト内における加工・保管委託先様を対象に、継続的な監査を行い、リスクについての対話を実施しています。
・人権問題に関する報告
国際紙パルプ商事(単体)・岡山紙商事・九州紙商事による森林認証のマルチサイト内では、加工や保管の委託先を対象に、中核的労働要求事項の確認を含む内部監査結果の範囲において、サプライチェーン上の業務における人権への影響を継続的に評価し、2024年度の内部監査結果においても問題のないことを確認しています。この監査の結果についてはマネジメントレビュー等の機会を通じて内部で共有され、今後のリスク評価の検討に向けて活用しています。更に審査機関による審査においても、適切に管理されていることが確認されています。
・予防と軽減
当社の重要な人権テーマとして「労働者の環境」があります。国際紙パルプ商事の国内関連会社の中で、商品の物流や古紙の回収を担うグループ会社では、労働安全衛生を徹底するため、重機の取り扱いに関する社内研修を実施しています。また、夏季には空調服の着用、作業場の気温の監視、冷水や塩分の補給など、作業環境の改善を行いながら業務を遂行しています。
・救済
KPPグループの事業活動が、人権への負の影響を引き起こしたことが明らかになった場合 、国際行動規範に基づいた対話と適切な手続きを通じ、影響を受けた当事者の救済に取り組みます。 人権侵害が発生した際に社内外のステークホルダーが活用できる秘密保持/匿名性が担保された内部通報制度として、グループ各社において以下の仕組みを運用しています。
・国際紙パルプ商事:KPP内部通報窓口(従業員向け)
取引先ホットライン(外部関係者向け)
・スパイサーズ:Speak Up
・アンタリス:Ethics Reporting
・研修
全役員・従業員への人権方針の周知を徹底、意識向上を目的として、パワー・ハラスメントやセクシュアル・ハラスメントなど各種ハラスメントの予防に向けた研修を階層別に実施し、特に管理職向けの研修を強化しました。これらの研修は、森林認証規格の中核的労働要求事項が言う「差別の撤廃」に資する措置としての観点からも継続的に行っているものです。
当社子会社の国際紙パルプ商事(単体)においては、2025年度には セクシュアル・ハラスメント防止コース、内部通報・公益通報者保護制度コース、パワハラ・マタハラ防止コースが実施されています。これらは人権問題の回避、予防、軽減のために実施しています。
・地域社会投資の成果
国際紙パルプ商事株式会社(単体)は、2015 年より一般財団法人 C.W.ニコル・アファンの森財団(所在地:長野県上水内郡信濃町、理事長:森田 いづみ、以下、同財団)とのオフィシャルスポンサー契約に基づき、資金援助を継続しています(2024年度実績:500万円)。アファンの森では、放置された里山の再生活動を基本に保全・管理を通じて、その地域で生息していた様々な野生生物が生息できる森への再生を目指すと同時に、その多様性あふれる森で、子ども達の心、人の心も育んでいきます。
アファンの森の北エリアでは、環境省・長野県に指定されている動植物の絶滅危惧種のうち65種(2022年現在)が確認され、生物多様性豊かな森づくりに貢献しています。同エリアは、2024年に環境省によって「ネイチャーポジティブ」の実現に向けた民間による取り組みである生物多様性の保全区域「自然共生サイト」に認定されています。2022年からは従来の北エリアに加え、同財団の保有している長野県黒姫「アファンの森」の南エリアについて、新たに「Afan KPPの森」森林創生の支援を行っております。Afan KPPの森には長野県絶滅危惧 IA類の「エビネ」や同Ⅱ類の「ツチアケビ」の生息が確認されています。また、震災復興プロジェクトに対しても支援してきました。アファンの森は当社の生物多様性への貢献、地域の里山の再生と維持、新入社員教育の場として重要な意味を持っています。
