KPPグループは毎年、宮城県東松島市の宮野森小学校で開かれる、紙漉き授業を支援しています。
この取り組みは、C. W. ニコル・アファンの森財団と「かみこや」のロギール・アウテンボーガルトさんとの協力のもと2016年から続くもので、今回で11回目を迎えました。(昨年の様子はこちら)
紙漉き授業を続ける理由
東日本大震災により高台への移転を余儀なくされた宮野森小学校は、アファンの森財団の震災復興プロジェクトにより、「復興の森」を背に建つ、「森の学校」として新たに歩みを始めました。今では、地域の希望を象徴する存在になっています。
こうした背景の中で、私たちは「地域の恵みを使った和紙の作品づくり」を通じて、子どもたちに次のことを感じてもらいたいと願っています。
- 地域とのつながりを改めて感じること
- 森と紙との深い関わりを学ぶこと
子どもたちが、自分たちの暮らす場所の豊かさと、その中に息づく自然の恵みを実感できる機会を作りたいと、これまで活動を重ねてきました。
今年の紙漉き体験の様子
今年は1月23日、同校の3年生21名が参加し、紙漉き授業を行いました。
講師のロギールさんの丁寧な指導のもと、子どもたちは楽しそうに、ときには真剣な表情で、和紙の紙漉きに挑戦しました。
写真中央に映っているのが、ロギールさんです。そして、ロギールさんが手にしている、茶色い、細長いツルのようなものが、和紙の原料となるコウゾです。当日使った材料には、復興の森で収穫されたコウゾも含まれています。
まずは、コウゾの茎を叩いて、繊維が水に溶けるよう細かく整えていきます。少し根気のいる作業ですが、ロギールさんの笛のおかげで、楽しく作業が進みます。この作業を叩解(こうかい)といいます。
叩いて細かくした繊維を水に溶いて、木枠に流していきます。隅までまんべんなく繊維が行き渡るように、丁寧に作業を進めます。
繊維を溶いた水には、天然の増粘剤であるトロロアオイが混ざっています。このトロロアオイのおかげで、水がほどよくとろみをもち、繊維が均一に広がるため、子どもたちでもきれいな紙をつくることができます。
ここで一度、和紙の水が切れるのを待ちながら、学校の裏手にある復興の森で、作品用の素材を集めに行きます。子どもたちにとって普段から見慣れた森でも、素材を探す目で自然を観察することで、新しい発見があります。
和紙の作品づくりに良さそうな素材がたくさん集まりました。
紙漉き授業の中で、最も盛り上がる工程です。一人ひとりの個性が、一つの作品として立ち上がっていきます。復興の森で探した素材のほか、学校の近くの海岸で集めた貝殻や海藻などで、和紙に飾り付けをしていきます。
自らが暮らす地域の恵みを作品に飾り付けることで、その豊かさとつながりを再認識していきます。
完成した和紙は、不織布で挟んでから、タオルを使ってしっかり脱水します。一人では難しい作業も、子どもたちは互いに協力しながら、上手に脱水していきます。
ついに作品が完成しました。ロギールさんの指導のもと、今年も個性あふれる作品が数多く生まれました。
子どもたちは、紙ができるまでの工程を一つひとつ体験する中で、自然の恵みや地域とのつながりに触れていきます。完成した和紙作品は、家族や地域の皆様にもお披露目され、紙に親しむ文化が地域の中で少しずつ広がるきっかけにもなっています。
KPPグループの想い
KPPグループは、紙という身近な素材を通じて、次世代と社会、自然をつなぐ活動を大切にしています。紙漉き授業はその象徴的な取り組みのひとつであり、これからもアファンの森財団や地域の皆様と連携しながら、子どもたちが自然と地域を感じられる学びの場を継続して提供していきたいと考えています。
紙でつなぐ、未来をつくる
コーポレートメッセージに掲げる想いを胸に、KPPグループはこれからも活動を続けてまいります。
