今回のエコスタでは、前回 に引き続き、2025年度に行われたAfan KPPの森の管理作業を紹介します。Afan KPPの森の一部であるS3ゾーンと、そこで行ったナラ枯れ対策についてお伝えします。

 

S3ゾーンは、Afan KPPの森の中ではもっとも北側に位置し、山の尾根に挟まれた谷の地形をしています。

 

 

地図上の、左上から3番目の区画がS3ゾーンにあたります。
拡大
地図上の、左上から3番目の区画がS3ゾーンにあたります。

ここには、コナラ やミズナラといった、一般にドングリと呼ばれる実をつける木が多くみられます。

さらに、アファンの森では珍しく、リンドウの仲間の「センブリ」(写真右)が自生しています。センブリは美しい花を咲かせますが、その名前の由来は、「千度振り出しても(煎じても)苦い」というほどの強い苦みにあります。古くから生薬として利用されてきました。

 

S3ゾーンでは、近年全国的に問題となっているナラ枯れの被害木を伐採しました。
ナラ枯れとは、「カシノナガキクイムシ」という虫が運ぶ「ナラ菌」に感染した木が立ち枯れる伝染病です。ドングリをつけるナラの木や、シイの木、カシの木のうち、特に樹齢の高い大木が被害に遭いやすいといわれ、被害の範囲は東日本を中心に、九州・沖縄の一部をのぞく全国に広がっています。

上の写真は、伐採より前の夏ごろに撮影したものですが、右手前、一番左、その隣の、3本のナラの木が被害を受けています。

まわりの木々が青々としているなか、葉が茶色く枯れているのが分かります。

 


 

また、感染した木の根元には、虫が木の中へ入っていく際に生じる木くずやふんが見られます。


 

 

被害の拡大を防ぐためには、感染した木を伐採し、森の中のカシノナガキクイムシの数を増やさないことが重要です。Afan KPPの森では、ナラ枯れの面積が広がる前に、優先して被害を受けている木の伐採を進めています。

 

伐採するのは樹齢の高い大木が多いため、グラップルと呼ばれる木を掴むことができる 重機を使用しました。

 


 

アファンの森財団が検証した結果、被害木であっても、カシノナガキクイムシが羽化する前に薪用に細かく切り、乾燥を進めることで、虫の繁殖活動を封じ、被害の拡大を抑えられることが分かりました。

 

 

 

今後は、こうして伐採した材木の、薪以外の方法を含めた有効活用も視野に 、森に寄り添った管理作業を進めていきます。森の資源を無駄にすることなく、健全な生態系の回復を目指します。

 

 

次回はAfan KPPの森に訪れるさまざまな動物たちの様子を紹介します。ぜひお楽しみに!