今回と次回のエコスタでは、2025年度に行われたAfan KPPの森の管理作業を紹介します。あわせて、Afan KPPの森がどこに位置して、どんな特徴をもっているのかもお伝えします。
KPPグループが、C.W.ニコル・アファンの森財団と協力した森づくりを進めていくと約束したAfan KPPの森は、同財団が管理する長野県北部の「南エリア」にあります。
上の画像のうち、一番右の丸の赤く色付けられた部分が南エリアです。この南エリアを、もう少し細かく見たのがこちらの地図です。
この地図のうち、左から並んでいるS1、S2、S3ゾーンが、Afan KPPの森です。地図で見ると小さく見えるかもしれませんが、その広さは3.54ヘクタールで、テニスコートに換算すると134枚分にもなります。
今回のエコスタでは、S2ゾーンで行った管理作業を取り上げます。S2ゾーンは南エリアの入り口にあたり、山の中の谷地に位置します。森にすむリスの食べ物になるオニグルミなど、湿った場所を好む樹木が多く生えているのが特徴です。
これまでS2ゾーンでは、うっそうとしたヤブや笹を刈り払い、その後も限られた植物だけで覆われてしまわないように下刈りを続け、さまざまな種類の植物や木の赤ちゃんが成長できるように作業をしてきました。
今回は初めて、{整理伐}^{せいりばつ}と呼ばれる大規模な伐採作業を行いました。整理伐とは、傷ついたり、形がいびつだったり、他の木の成長を妨げたりしている木を伐採し、森の風通しや日当たりを良くする作業です。そうすることで、より多くの種類の植物が生育できるようになります。
アファンの森財団の職員が、どの木を切るかを決めて、蛍光色のしるしをつけていきます。
また、上の写真のように傾いて生えている木も整理伐の対象です。必要以上に日陰を作ってしまい、下層に他の植物が育たなくなっています。
今回伐採する木は、高さ10メートルを超える木ばかりなので、みんなで声を掛け合いながら、けがの無いように作業を進めます。
伐採作業は、秋から冬までの短い間に行います。葉が落ち、木が水あげもやめる、冬の眠ったような状態の時に伐採することで、木の重量が軽くなり、作業の負担が少なくなるという、昔からの森の知恵です。
伐採を行ったことで、一見すると森から木が減っているようですが、森の生物多様性を回復させるためには欠かせない作業です。整理伐を通して明るくなったエリアで、来春からは、ドングリやこれまで地中に眠っていた植物の種が発芽を始めることが期待されます。
次回はS3ゾーンとそこでの作業について紹介します。どうぞお楽しみに!
