ロングパイルとショートパイルの展開で用途別の使用が可能

KPPグループホールディングスのグループ会社である王子ファイバー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:平井 雅一、以下当社)は、人工芝の葉にあたるパイル部分に紙素材を用いた屋外向け紙製人工芝「ペーパーターフ」を開発しました。本製品は公共施設やモール、近代型オフィス環境など景観用途を含めた使用を想定したもので、天然由来の充填剤と組み合わせても使用可能なロングパイルと、屋内向け製品と同等の防炎性能をもつショートタイプの、パイル長の異なる2種類を展開します。いずれも紙の高い生分解性*により、パイル部分がちぎれて海洋などに流出した場合でもマイクロプラスチックの発生源になりません。本製品は、同グループ会社の国際紙パルプ商事株式会社より、2026年4月に発売を予定しています。

*当社委託先による試験では、使用している紙素材の海水中での生分解度は32日後で平均64%でした。

ロングパイルタイプ
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ロングパイルタイプ
ショートパイルタイプ
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ショートパイルタイプ

 

■海洋マイクロプラスチック流出問題への対応

環境省が公表した「令和6年度検討結果 日本の海洋プラスチックごみ流出量の推計」によると、海洋に流出する人工芝由来のマイクロプラスチックは、パイル由来で年間240トン、充填剤由来では最大2,700トンに上ると推計され、流出量の抑制や代替素材の開発といった対策が急務となっています。本製品では、パイル部分に紙を原料とする天然繊維「かみのいとOJO+(オージョ)」を使用しており、自然環境下で微生物によって分解されるため、マイクロプラスチック対策に寄与します。

 

 


■用途や求める景観に応じた2種類のペーパーターフ
今回開発した屋外向けペーパーターフは、パイル長の異なる2種類です。
 

  • ロングパイルタイプ:天然芝に近い環境を求める子供用広場などでの使用を想定しています。本タイプとあわせる充填剤には、紙同様に天然素材を推奨しています。
  • ショートパイルタイプ:パイルを高密度に植え込むことで防炎性能*をもたせており、屋上やベランダなど半屋外での使用に適しています。(*特許取得済みの製法によるもので、防炎剤不使用)

 

これら2種のペーパーターフⓇをベースに、今後は本格的なスポーツ用途も視野に、より強度の高い製品の開発を進めてまいります。

 

 

■強度を高める工夫
ペーパーターフは、バショウ科の植物「アバカ」を原料にした紙から作られています。アバカは繊維が強靭で耐水性が高く、船舶用ロープやコーヒーフィルターなどにも使用されています。本製品では、アバカの繊維を抄いた特製の紙を細くスリットし、「かみのいとOJO」として糸に撚り合わせる工程を経ることで、原料の紙以上の強度を実現しています。

 

 

 

■素材の安全性
ペーパーターフに使用している「かみのいとOJO」は、繊維製品の国際的な安全性認証である「エコテックススタンダード100*」において、3歳までの乳幼児向け製品と同等の基準であるAnnex6クラス1をクリアし、人体と自然環境に対して有害な影響を与えないことが保証されています。(認証ラベル:N-KEN25030)


*同基準は、REACH規則の付属書XVIIおよび付属書XIV、CPSIA、ECHAのSVHC(高懸念物質)候補リストを含むグローバルな規制に準拠しています。

 

 

 

 

■屋内も、屋外もペーパーターフ
当社では2023年より屋内向けペーパーターフを製造しており、自治体や企業によるキッズスペースを中心に採用が広がっています。今回、新たに屋外向けのペーパーターフを製品ラインに加えることで、環境対応が求められるさまざまな場面で紙製人工芝を活用いただけるようになります。

 

屋内向けペーパーターフの導入事例

 

 

■生産強化に向けて「KPPグループ 王子ファイバー株式会社小松撚糸工場」を竣工
当社は、屋外向け「ペーパーターフ」の開発に伴い、石川県小松市に「KPPグループ 王子ファイバー株式会社小松撚糸工場」を竣工いたしました。本工場では、株式会社酒井商店(本社:石川県小松市、代表取締役:酒井 康光)を製造受託者として、紙糸およびペーパーターフの安定的な供給体制の構築と、品質水準のさらなる向上を図ってまいります。

 

 

■屋外向けペーパーターフの概要

安全性 エコテックススタンダード100 Annex6 クラス1取得*
重金属溶出試験(8元素)はST基準第3部に適合*
遊離ホルムアルデヒドは生後24か月齢以下の乳幼児用衣服の安全性をクリア*
フッ素含有量は検出限界値以下*
品質 パイル部分に吸水低減仕様で速乾性を向上*(当社比)
3年相当の耐候性試験(降雨試験と光照射による試験)でも外観に変化なし
ショートパイルタイプは屋内仕様も可能な防炎認定を取得
紙由来の機能性 炎天下の環境下(30分)でもポリエチレン製と比べ11.1~16.7度低い温度を維持
帯電性が低く、静電気による埃の付着や利用者の不快感を軽減
多孔質の構造から、黄色ブドウ球菌などに高い抗菌性と消臭性を発揮*
環境対応 25度の海水中での生分解度は、32日で平均64%とプラスチック比10倍以上*
USDAオーガニック認証取得のエクラドル産アバカを原料に使用*

(*紙糸での検査結果)

ペーパーターフは王子ファイバー社の登録商標です。

OJO⁺ペーパーターフ関連リリース

 

 

<本件に関するお問合せ>
KPPグループホールディングス グループ人事本部
グループコーポレート・コミュニケーション室
TEL 03-3542-4169 email:kpp_cc@kpp-gr.com