当社はおかげさまで昨年11月に創立100周年を迎えることができました。今日まで社業発展の基礎を築き上げてこられた先輩方と社員、そして取引先の皆さまのご支援とご愛顧に、改めて厚く御礼申し上げます。そして、株主の皆さまには感謝の意を込めて記念配当(5円)による増配を実施させていただきました。また2025年3月より株主優待制度を導入し、「図書カード」をお贈りしております。先日、「百聞は一見に如かず」に続いて「百聞はまた一読に如かず」という言葉を耳にしました。読書によって知の世界が広がり、人生の価値を高める一助になればと願っております。また、企業活動による利益を社会・文化活動にも還元し、当社の成長を支える好循環型の事業運営を目指してまいります。
2017年3月期からスタートした当社の長期経営ビジョン「GIFT+1 2024」は、創立100周年を迎える2025年3月期をゴールとした9カ年に及ぶ事業強靭化計画でした。中でも株式上場と海外M&Aによるインオーガニック成長を最重要課題として取り組み、国内のローカル企業だった当社を世界46カ国、194都市に事業拠点を構えるグローバル企業に押し上げることができました。
21世紀に入ると紙の需要構造はデジタル化の波と少子化によって情報系の紙が衰退する一方で、パッケージや衛生用紙など生活系の紙が伸長しています。情報系の紙で成長してきた当社にとっては、海外企業のM&Aは事業エリアの拡大とポートフォリオ改革を同時に進める有効な手段でもあったわけです。買収したオーストラリアのスパイサーズとフランスのアンタリスは、オセアニア地域と欧州における最大規模の売上とネットワークに加え、パッケージング事業とビジュアルコミュニケーション事業に強みを持っており、当社グループとのシナジー効果も期待できます。
今期からは第4次・第5次中期経営計画からなる新しい長期経営ビジョン「GIFT 2030」がスタートしています。製紙メーカーではセルロースナノファイバーやエネルギー関連事業、バイオエタノールや医薬品開発など、木質化学の研究とパルプ活用の可能性が一段と進んでいます。その結果、国内の紙商社と製紙メーカーの接点は、従来の「面」から「点の集合体」へと変化することが想定され、第4次中期経営計画期間においては国内紙流通の再編が進むことも念頭に置く必要があると考えています。また海外事業においては、M&Aによる北米への進出と中国事業の再構築を重点課題として取り組みます。
今期より新経営ビジョン「GIFT 2030」がスタートし、これを機にCEO職のバトンを社長の坂田に渡しました。坂田はスパイサーズとアンタリスのM&Aに携わるとともに、アンタリスのCFOとして3年間ファイナンスおよびPMI(Post Merger Integration:M&A成立後の経営統合プロセス)を担い、前歴も含めグローバル視点での視野の広さと本質を見抜く力を備えています。今後はグループ社員が「GIFT 2030」を共有できる企業風土の醸成に取り組んで欲しいと期待しています。
今後も循環型ビジネスによる持続可能な社会に貢献することで企業価値の向上を図り、また既存顧客の成長とM&Aによる新規顧客の獲得によって皆さまの期待に応えていきますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2025年10月24日
