2019年6月に作られたこの詩は、これまで何百もの詩や歌を書いてこられたニコルさんにとって初めての「祈り」ともいうべき作品です。森や木と人間との関わりについて書かれていますが、ウィズコロナの世界を生きる人々へのメッセージとも受け取ることができます。

 

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「荒廃林を多様性豊かな森に」

2 0 2 0 年4月3日、作家でナチュラリストのC・W・ニコルさんが7 9歳でその生涯を終えました。2 0 1 6 年に直腸がんを発症し一度は回復したものの、2 0 1 9 年秋に再発し治療を続けられていたとのことでした。
K P P とニコルさんとの出会いは2 0 1 5 年に講演会に講師としてお招きしたことがきっかけです。紙の専門商社として環境保全に向けた循環型ビジネスを推進する当社は、ニコルさんの「日本本来の美しい自然環境を取り戻したい」という思いに賛同し、一般財団法人「C・W・ニコル・アファ
ンの森財団」への支援をスタートしました。

「アファンの森」とは、日本に移り住んだニコルさんが1 9 8 6 年に長野県黒姫に購入した森の名称です。アファンとはウェールズ語で「風の通るところ」。ニコルさんは荒れ果てていたこの森を3 0年以上にわたって手入れし続け、生物の多様性豊かな森に蘇らせました。
今ではこの森に、心に傷を負った子どもたちや障がいを持った子どもたちを招待し、心を癒す取り組みも行われています。

 

 

「人間も自然の一部」

豊かな自然と人々の心身の健康は決して切り離せないものです。しかし、経済成長を追求するあまり人間は自然のことをおろそかにしすぎている、とニコルさんは訴え続けていました。今回の新型コロナウイルスの蔓延についても「人間が自然に敬意を持たずに生きてきたために自然界のバランスが崩れた結果だ」という言葉を遺しています。自然破壊によって棲み処を奪われた野生動物たちと人間との距離が近くなり過ぎたため、これまで極地や森林に閉じ込められていたウイルスが世界に解き放たれたのだと考えていたのです。

 

 

「1 0 0 年先の未来をつくる」

ニコルさんがめざしたのは1 0 0 年先の未来をつくることです。生物多様性の豊かな自然を日本中に広めたいというニコルさんの思いを大切にして、当社はこれからもC・W・ニコル・アファンの森財団への支援を続けるとともに、持続可能な社会を実現するために環境経営を推進してまいります。

 

 

 

KPPとの活動記録

2015年7月7日
社内および取引先向けの講演会にて「人と自然の共生」をテーマに講演

 

 

2015年12月1日

一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団のオフィシャルスポンサー契約を締結するとともに、震災復興プロジェクト(宮城県東松島市)に対する支援活動を開始

2016年3月29日
宮城県東松島市野蒜地区にて紙漉きおよび楮・三椏を植樹。和紙作家ロギール・アウテンボーガルト氏指導のもと、地域の小学生に向けて楮と三椏の植樹と和紙漉き体験の特別講義を共催。以降毎年実施

2019年11月12日

第7回KPP総合展示会にてアファンの森の紹介展示および基調講演。アファ
ンの森で行っている取り組みや、自然と触れ合うことの必要性について講義。

2019年12月19日

長野県千曲川氾濫の被災保育園におけるクリスマスイベントに協賛し、クリスマスカードに使うための用紙を提供

2020年6月26日

ニコル氏のラストメッセージをポスターにして東京メトロの12駅に掲示